ジャック・ザ・リッパー 9話
少しばかり時が流れました。
警官が駆けつけ、扉を開けると思わず目を背けました。
部屋中が真っ赤な血に染まり、天井からも血が落ちていました。
テーブルの上には、股から腹にかけて裂かれた女。
そして、その子供。
その子供は、茫然自失になって佇んでいました。
子供は保護され、孤児院へ移送されました。
そこで、運良くお金持ちの里親に拾われるのでした。
その後、その子供は大きくなり、体格と、どん欲なまでの知性を活かし刑事になりました。
その子の本当の母親が誰に切り裂かれたか、犯人は捕まっていません。
事は、とても優秀で清廉潔白で非の打ち所の無い人物でした。
犯罪を決して許さず、犯人を追及しました。
貧しいもの、富めるもの分け隔てのない姿勢に沢山の人が彼に好意を抱いていました。
もちろん、犯罪者から狙われる事もありました。しかし、腕っ節の強い刑事のテキでは有りません。
しかし、そんな刑事でもいまだに捕まえられない。それがジャックザリッパー、切り裂きジャックでした。
殺されるのは娼婦ばかり。
それも、股から腹にかけて裂かれる形で発見されるため、犯人に切り裂きジャックとあだ名をつけたのです。
何人もの容疑者が捕まりましたが、結局犯人ではありませんでした。
そして、そのまま、この事件は迷宮入りになりました。
産み直しを知る。
僕がフックを名乗る前までは。