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知らなかった(ショートショート3)

作者: keikato

 妻が風邪をひいたというので、冷たい風のなか、オレは薬を求めドラッグストアーに行った。

 妻はひどい冷え症である。風邪薬のついでに、冷え症対策の靴下を買ってやることにした。

 店員にすすめられ、膝小僧まで隠れるという長めのものを選んだ。

 これなら暖かいだろう。

 オレは妻思いの愛妻家なのだ。


 妻に風邪薬を渡し、それから愛の証である靴下を見せた。

「わあー、ありがとう。こういうの、前からほしかったのよ」

 妻は喜んでさっそく靴下をはいた。

「あったかいわ。ふくらはぎまで……」

――うん?

 のぞき見るに、靴下の上の部分がふくらはぎで止まっている。

――膝小僧まで隠れるんだったんじゃ?

 オレは妻の足をあらためて見た。

 靴下が横に伸びに伸びている。

――なるほどな。

 納得するとともに、ふくらはぎの巨大さに寒気をもよおし、オレは大きく身震いした。

 結婚して二十年がたつ。

 妻のことは、みんなわかっているつもりだった。だが、こんなことも知らなかった。

 翌日。

 オレは風邪をひいていた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い。優しいだんなさんですね。
2019/10/27 04:59 退会済み
管理
[一言] 此方は愛妻語録と対になる作品なんでしょうか? ブフォ! っと吹き出し、我にかえって自分の腹を見てしまいました。 ( TДT)
[良い点] あははh! 笑っちゃ悪いけど、太ってる人って丈夫で病気が早く治るんですよ。 いいこともあるでしょ~
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