「テンプレ」「非テンプレ」のランキング改案とは無関係な位置からのランキングに欲しいもの
「プロ小説家が“作家志望サイト”「小説家になろう」に続々投稿するワケとは?」
という記事を読んだ。
記事の内容は読みたい人が検索して読んでいただければいい。
記事を読まなくてもエッセイの内容にさほど関係はない。
ただ「プロ」と「なろう」という言葉で、便利になりそうなことを思い付きで書いただけだ。
現行の「ランキングの在り方」について書かれたエッセイはたくさんある。
あるのだが、どうも「テンプレ」と「非テンプレ」という対立構造ばかりを強調している(ように見える)。
僕はそれよりも、
「商業デビューした作品(または作家)のみのランキング」
が欲しい。
いわゆる「プロ」だけのランキングだ。
というか累計ランキングから「プロ」を除いたランキング表示があればよいと思う。
一言で言えば「なった人」も良いが、「なろうとしている人」を多く見たいのだ。
この表示方法のメリットとしては、
・累計ランキングから零れていた作品にチャンスが広がる
累計ランキングの上位100位までを簡単に調べるだけで「小説家に「なろう」」ランキングというより「小説家に「なった」」ランキングだというのはわかるだろう。
そこに惜しくも届かなかった作品が沢山表示されるようになるだけでランキングは大きく様変わりする。
停滞していたランキングに変化が見えれば読者にも作者にも適度な刺激になるはずだ。
・「プロ」と「素人」のランキングを別けることで「素人」にない「何か」を探しやすくなる
デビューを考えている素人作品には「テンプレ」というものを意識しているのがよくわかる作品もあるのだが、人気が出てくる「テンプレ」とそうでない「テンプレ」の違いはどこかを模索している最中なのだろうなと感じることもある。
これまでのランキングではそれこそ玉石混合になっており、デビューできる作品とそうでない作品を同列に観察しやすくなってしまう。そこを別けていけば参考にすると良いだろう作品も絞りやすくなるのではないだろうか。
・出版社はデビュー前の新人作家の発掘がしやすくなる
商業デビューしたい素人作家を探しやすく、書籍化の打診をし易くなります。
今のような書籍化ラッシュに固定読者が付いて来てくれる状況というのはいつまで続くか不明であるため、早めに確保しておいたほうがいいのではないかと考えます。
・「プロ」だけのランキングで高評価であれば宣伝としても意味が生まれる
「「小説家になろう」のプロ作家の中でも人気があります」とか「なろう作家ランキング○位」というような宣伝文句が使えたりします。
これはWEB小説に疎い人にもわかりやすい表示です。
PV数やアクセス数なんていうものよりはるかに解り易くはっきりした言葉なので普通の人が関心を持つハードルは下がりやすくなると思われます。
・現行ランキングに対して「質が悪い」という人には「プロ」のランキングを勧めることができる
・一回で見分けが付けば「小説家になろう」を覗きにきた新規ユーザーに優しい
知名度が高くなったとはいえ「なろう」の作品というのはやはり過少評価的に見られやすい傾向があります。
「なろう」についての知識が皆無のまま、「プロ」の作品と同じ品質を「素人モノ」にまで求めた結果としてよくあることと思われます。
そこで最初から「プロの作品はこちらです。こちらはデビューしていない素人です」と紹介しておけば読者としても心のハードルが下がります。
趣味で草野球をしている人とプロ野球選手が同じ基準で評価されてしまうようなことがまかり通っている今はわりと不思議です。
・「小説家になろう」で「素人モノ」を読みたい人にも不便がない
素人モノが好きな人は好きなものだ。
上手い作品、面白いとされる作品は書籍から探せばいいという人だっている。
上手いとか流行りとかそういうベクトルではなく、書籍化できないようなものを読みたがっている人にはテンプレも非テンプレも関係ないし、書籍化できてしまう普通の作品がランキングに居なくても問題はない。
これは最重要だ。
ネット普及以降は尖った素人がいなければ新機軸は誕生しにくい。
思いついて約10分で僕が考えられるのはこのくらいしかない。
一読者・一ユーザーとしてデメリットを考える時間がなかった。
賢い人が熟考すれば他のメリットやデメリットはすぐに出ると思う。
どうだろうか。
少なくともバナー広告や書籍化告知を増やすよりも、新たなランキングで目立つようにしておいたほうが宣伝効果やクリック誘導には繋がると思うが。
宣伝(露出)を増やすのは基本的な営業努力