表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

エターなるダンジョン

作者: 神城クリス

 その日、俺はいつものようにネットで新しいフリーゲームを探していると、気になるゲームを見つけた。

 そのゲームは「ダンジョンメイカー」というタイトルで、その名の通りダンジョンを作成するゲームのようだ。

 トラックに轢かれた主人公が神様に依頼され異世界でダンジョンマスターとなってダンジョンを経営するという、最近流行りのライトノベルに影響された感満載の説明文だった。

 いやお前、それは小説だから面白いのであって、実際にゲームにしたらよっぽどの奇跡でも起こらない限り糞ゲーにしかならないだろう、しかも所詮はフリーゲームだし、などと思いつつも、モノは試しと俺はダウンロードボタンをクリックした。


 次の瞬間、目の前が白く染まり、気がつけば見知らぬ部屋の中にいた。


 ◻︎


 縦20×横20のタイルが敷き詰められた殺風景なその部屋の中心には薄っぺらい石板のようなものが浮かんでいた。

 それを手に取ると、石板の表面が光り、「ダンジョン始めました。」という文字が浮かび上がる。


 その時点で俺はラノベ的展開が始まりつつあるという事を何となく察した。


 ◻︎


 案の定と言うべきか、俺に求められた役割はダンジョンマスターとしてダンジョンを作成し、運営する事だった。


 しかし、良くあるダンジョンマスター系ライトノベルのようにダンジョンを広げるのにポイント的なモノは一切消費せず、自由自在にモンスターの配置やダンジョンの拡張が出来た。


 それどころかモンスターのステータス設定すら自由に出来た。


 なるほど、ダンジョンを作るというのはこういう事なのか。


 それから30分程ダンジョン作成を続けた俺は設定しなければならない事の多さに絶望し、ダンジョン作成を挫折した。


 こうして俺の初めてのダンジョン作成は迷宮入りを遂げた。


 〈完〉



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] だれうまwww タイトルとオチの言葉のウマさに脱帽です。 しかし、本当にいいオチですね。 実際に一般人が同じ状況になったら、同じ様な最後を迎えそうです。てか自分も集中力が切れて飽きる自信…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ