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夢見たっていいじゃん!!!!  作者: YUKARI
第三章 始動
16/27

15 夏休み開始!

 アラームが鳴ってる。

 土曜日なのに忘れてていつも通りに6時に携帯のアラームがガンガン鳴ってうるさい。

 まだ、寝てたい。

 なんか、忘れてる気がするけど9時位まではまだ寝て……ちゃ、ダメだった!!


 ガバッと起き上がる。

 

 すっかり忘れてた。

 兄ちゃん家に午前中に荷物が届くから、9時位までに行かないといけなかった。

 流石に買ってもらっといて、荷物放置はしちゃダメだよね。


 土曜日だから、お母さんもまだ寝てるから、もちろん朝ごはんもない。

 休みの日位は寝かせとかないと、可哀想だから適当にどっかで朝御飯は食べて行こ。


 あ、そういえば、服は……あれを着てかないといけないのか。

 地元で食べて誰かに発見されたら、変に思われるから早めに出てあっちで食べようかなぁ。


「完璧に男の子の服だね、これは……」


 もちろん試着もさせられたから、ぴったしなわけで着てみると、やっぱり男の子に変身です。

 やっぱり、あたしってば兄ちゃんに似てる。

 チチがあればせめてもの救いなのに、それすら無いからな。


 だけど、今は凹んでる場合じゃなかった。

 午後から、レッスンもあるから、ちゃんと朝ご飯食べないといけないから早く出よ。


 昨日の夜に準備した、大き目のカバンを持って家を出る。


 おー、土曜日の朝だ。歩いてる人も少ない。

 これなら、あたしがこんな格好して歩いてても、知り合いには会わないね。

 なんて、悠長な事を考えてたのも束の間。


「あれ? 新倉? 悠真さん?」

「げっ!」


 この声は池山……?!

 なんで、こんな朝早くに外にいんの? 一番、会いたく無かったと思う奴が居る。


「あれ? 悠真さんじゃないじゃん! 新倉そんな格好で何してんの?」


 あー、こっち来るな来るな! なんて願いも届かず。

 ズカズカとこっちに向かってくる池山。


「な、なにっ?!」

「なにって、なに、その格好。一瞬、悠真さんかと思ったじゃん。それで、どこ行くの?」

「兄ちゃん家。あそこ、女子禁制だから。そんな事より、なんでこんな時間に池山は外いんの?」

「俺は朝飯を買いに、コンビニ行くだけだけど? しかし、その格好……女って言われても信じねーなそれ。ぷぷぷ」


 いいよ、もう笑い堪えなくても。

 笑いたきゃ笑えばいいじゃんか! 話を逸らそうと思ったけど、我慢が出来なくなったのか、指を指しながら爆笑してる。


「新倉のその格好見たら、クラスの男ども……彼女作るの諦めるだろぉな?」


 声すらならない声で池山は、ヒーヒー言って笑ってる。

 もうっ! 好きなだけ笑えばいいよ。


「そんな事を言われても、あんまり嬉しくないけどクラスのアホな男子と付き合う位なら、あたしに騒がせてた方がいいかもね?」


 ふんっ。

 と、開き直ってみる。


「よく言うなぁ。そんな男前な事を言ってて、いいのかよ?」

「開き直るしかないでしょ。この状況は」

「はいはいっ」


 あ、この事は口止めしといた方がいいよね?


「池山くん。この事は……」

「あ? うん。クラスの奴らに恨まれたくないから、言わねぇけど。でも、黙ってたら女子に恨まれそうだなぁ」

「言ったら、池山の勉強の邪魔をして、仁志くんの二の前にしてやる……」

「スイマセンデシタ」


 うん。

 分かれば、いいんですよ。分かれば。

 それに、噂になって兄ちゃんのモデルを、出来なくなっても困るし。


「じゃあ、あたし行くから」

「あたし……? ぷぷぷ」

「なにっ?!」

「いえ、新倉さん。お気をつけて!」


 ビシッと姿勢を正して、敬礼をする池山の顔がひきつってたのは、見なかった事にしとこ。


 あー。ムカつく。

 ムカついたら、お腹空いちゃったよ。


 早く兄ちゃん家の方の駅に行って牛丼屋でも行こっと。



 ******



「鮭定食で、牛皿つけて大盛りで! あ、ついでに、味噌汁を豚汁にして下さいっ」


 頼み過ぎたかな? 流石に土曜日だって言っても都会の街。

 店内見渡すと、それなりに人は居る。

 っても、あたしの事を誰も女なんて、思ってる人なんか居ないだろうし、しっかり食べよう。


 あ、そういえばこの時間……こないだ走って帰った時間だよね?

 って、事はファンの人達はもう居るのかな?


 うーん。

 あたしでも、裏からマンション入れるのかな?


 ん? 鏡張りのお店の外から、こっちを見て手を振ってる人が居る。


「ジュンくんっ?」


 思わず立ち上がって声に出したけど、他のお客さんにジュンくんが騒がれたら、ヤバイと思って口に手を当てて、知らない顔をする。


「ユッキー、朝から良く食うね? 何、この量。あ、俺も鮭定食っ」


 何食わぬ顔して、あたしの横に座って注文するジュンくん。

 動きやすい格好してるから、今日も走ってたんだろうけど。


「ユッキー、ここで食べるなんて良く考えたね。ここなら、あんまり女の子入って来ないから、囲まれなくて済むもんなぁ。ははっ」

「囲まれるのもそうだけど、マンションにどう入るか考えてたんだよ」

「それなら、今日は一緒に裏から入ればいいよ」

「え? いいの? こないだみたいな事しない?」

「しないっつーの。こないだは、ファンの子の反応をちょっと見たくてさ」

「反応?」

「ん? あ、ユッキーは、まだ気にしなくていいや」


 なんの事を言ってるのかわかんないけど、スムーズに家の中に入れるならなんでもいいや。


「それにしても、ユッキーその格好は……素晴らしく男前だな。さすが、新倉の身内だな」

「ジュンくんそれは誉めてくれてるんだよね?」

「誉めて無かったら、なんなんだ?」


 おバカだけど、一応はアイドルでイケメンに男前って誉められても、あたしが本物の男だって嫌味にしか聞こえないですよ。

 まぁ、悪気は無さそうだから、本気で言ってるぽいからほっとこ。


「あ、ユッキー。俺、財布持って来てないや。一緒に払っといてー」


 こ、これは悪気あるよね? 中学生に金出させるなんて。

 しょうがないから、出すけど……。


「サンキュー。食うつもり、なかったんだけどついつい。後で倍にして返すから、ね?」

「倍……絶対だよ!」

「へいへいっ」


 適当な返事をするジュンくん。

 兄ちゃんと同じ年なのに、クラスの男子と話してるみたいだよ。

 ノブくんと大輔くんのが大人っぽい気がする。


「俺は末っ子だから、しょーがないのっ」


 って、ジュンくんは笑ってるけど、関係あるのこ?


「おー。今日もまぁ、いっぱい女の子達が居るなぁ」

「こないだより、居るね……」

「夏休み入ったからなぁ。じゃ、やっぱり、裏から行くか」


 裏に回ると、駐車場に降りる階段がある。

 ジュンくんの後ろをそのまんま、付いていく。

 ここを下って、駐車場内の階段を上ると、エントランスに着くらしい。


「ここの駐車場内の階段のドアもオートロックだから、部屋の鍵がないと入れないから」

「あ、ぼ、僕、兄ちゃんの部屋の鍵なら持ってる」

「じゃあ、次からは大丈夫だな」


 今日は絡まれず、無事にマンション内に入れた。


「んじゃあ、俺は部屋に戻るから。そっち、ノブとダイが寝てると思うから、叩き起こせばいいと思うよ」


 ケケケッて、不気味な笑い方を……あれでも、アイドルですか? 


 んー。2人は寝てるのかぁ。

 これから、荷物来るのに五月蝿くなんないかな? まだ、少し早いから荷物が来る前までは静かにしといてあげよ。


 2人を起こさないように、静かにドアを開けようとすると、中から誰かにドアを開けられてバランスを崩す。


「何してんの?」

「あっ!」

「おい、ちょっと」


 中の人に腕を掴まれて、引っ張られたと思ったらフワッと、石鹸の香りに包まれる。

 これは、人間の肌? ……肌っ?!


「一瞬、悠真くんが、忘れ物でも取りに来たと思ったけど。幸か。おはよ」

「え、あ、あ、あ?」


 バランスを崩したあたしを転ばないように、引っ張って抱き留めてくれたのはノブくんだった。


 あたしの体制を戻してくれて、あたしから離れたノブくんの姿と言えば、お風呂上りで上半身裸でありまして。

 そのおかげで、尻餅ちをしないですんだけど、あたしの顔を埋めたとこって……えっと、えーっと?!


「家に入んないの?」

「あ、ジュンくんが寝てるって、あのぉ?」


 兄ちゃんもそうだったから、上半身裸なんてに慣れてるけどそ、そこに顔を……。


「とっくに、起きてるよ。今、ダイが風呂入ってる。飯は?」

「う、うん。食べて来た」


 ノブくんは、何にも無かったように気にしてない。

 そ、そうだよね! ただ、助けてくれただけだもんね。

 あたしってば何を気にしてるんだか。


「俺、朝飯食うから、コーヒーでも飲んでれば?」

「あ、はい」


 ん。

 っと、返事をして、シャツを着てお鍋で牛乳を、温め始めるノブくん。


「ほれ、お子様はこっちでいいだろ?」

「ありがとうっ」


 おー、アイスカフェオレ。

 お子様は余計だけど、確かにカフェオレで良かった。

 さっきは混乱してたから、適当な返事したけど、コーヒー飲めないんだよね。


「今日は服の感じ、いつもと違うじゃん」

「あ、こないだ秋香さんに、買ってもらったんだ」

「ふーん。まぁ、幸はそれでいいんでしょ?」

「ん? 何が?」

「あ、あぁ、いや。なんでもない」


 ん? 何か言いかけた気がしたけど、気のせいかな?

 クリスタルのメンバーと話してると、なぁんか中途半端に話を終わりにする感じがする。

 ……もしかして、何か隠してる?


「あー、幸ちゃん。おはよー、もう来てたんだねぇ」

「うん。おはよう。大輔くっ……ぶっはっ!」

「ちょっと、幸ちゃんっ。大丈夫?」


 カフェオレが変なとこ入った。


 だ、だって、またしても大輔くんが、上半身裸でいるんだもん!

 あたしの背中を呆れながら、ノブくんがバシバシ叩いてくれる。


「さっきから、幸は何ドジな事してんの? あ、ダイ飯出来てるから、自分でやって。俺タオル取って来るから」

「オッケー」


 面目ない。

 あーあー。服にもむせたタイミングで、こぼしちゃったから着替えないと。


「ほれ、タオル。飯食ったら、染み抜きしといてやるから着替えて来いよ。あ、荷物も来るんだから、汚してもいい服にしろよ」


 あたし、おっちょこちょいキャラになってる……これでも、普段はしっかり者で通ってるんですけど。

 もう! 恥ずかしいったらありゃしない。

 

 持ってきた学校のジャージに、着替えてリビングに戻ると、ご飯を食べ終わってた2人は片付けしてる。


「幸の荷物は、何時頃に来るんだ?」

「あれ? そういえば、なんで荷物の事を知ってるの?」

「秋香さんが手伝えってさ。俺らがオフなのわかってて、荷物を今日にしたんだと思うよ」

「じゃあ、2人は休みなのに起きてくれてたの?」


 せっかくの休みなんだから、もっと寝てたかったんじゃないのかなぁ。


「ご迷惑なんでは……」

「休みでも、俺とノブはあんまやる事ないからねー」

「そうだな。それに、幸のさっきからのドジ見てたら、どうせ1人で出来ないだろ?」

「本当は出来るはず……なんですけど」


 ノブくんはハイハイって呆れてる。

 そんな、呆れなくてもいいような気もするけど、本当に普段はそんなにドジっ子ではないんだけどなぁ……。


 ピンポーンとチャイムの音が鳴った。


「はーい。今開けます、お願いしますね。幸ちゃんのの荷物来たみたいだよぉ」


 インターホンで、オートロックの鍵を大輔くんが、開けてくれたから、あたしは玄関のドアを開けて待つ。


「おはようございます。荷物持って来ました。まだ、あるので奥くの方に入れといて下さい」


 男の人が2人がかりで、段ボールを次々に宅配の人が持って来る。

 これは……流石に一人だったら出来なかったから、大輔くんとノブくんが居てくれて助かった。

 こんなに、何を買ったんだろう? と、思ってたらノブくんも同じ事を思ってたみたい。


「こんなに、何買ったんだよ。これ」

「選んだの、しずくちゃんと秋香さんだから……あたしもよく分からなくて」

「ノブ、なんか組み立てないといけないのが、いくつかあるよ? どーする? 工具無いよ?」

「お嬢様が何にも、考えないで買った結果ってやつだなぁ。ダイ、工具買って来いよ」

「えー。じゃあ、幸ちゃん、近いから一緒にホームセンター行こうよ」

「じゃあ、さっさと行って来いよ。あ、幸も行くなら、着替えて行けよ」


 これじゃ、だめ? って、視線を送ると「着替えろっ」て言われた。

 えー、大輔くんも動きやすそうな格好だし、あたしが持ってるメンズ服って、ちゃんとしたやつしかないから面倒なんだけど。


「めんどくさがり過ぎだろ。ダイ、俺のスーツケースに、セットアップ入ってるから出してやって」


 「わかったー」って言った、大輔くんの後ろに付いてってスーツケースの中をあたしも一緒にこっそり見る。

 うわっ、几帳面にきちんと綺麗に入ってる。

 あたしのカバンの中、ノブくんが見たらきっと呆れるだろうな。


「幸ちゃん、はい。これ」


 ありがたくセットアップを受け取って準備完了。


「ついでに、トイレットペーパーと柔軟剤も買って来て。余計な物買うなよ」


 と言ってお金を渡してくれるノブくんが、面倒見の良さがお母さんに見えてしょうがない。


「あ、柔軟剤はこれ買って来て。他のだと悠真くんが嫌がるから」


 訂正。

 お母さんじゃなくて、ノブくんは兄ちゃんの嫁だ。


 ***** 


「ねぇねぇ、大輔くん。ノブくんは、いつもあんな感じなの?」


 安全に裏口から出て、ホームセンターに向かう途中に、ふと聞いてみる。


 心の中は兄ちゃんと、ノブくんの関係を少々疑ってたりする。

 兄ちゃん、モテるのに高校生の時にだって、彼女の1人も見たことがないから心配になってきた。


「うんうん。昔からあんな感じだよ? なんかね、癖みたいだよ。家事したりお世話したりするの。ノブみたいな彼女いたら楽だよね」


 そこは、現実的にあたしもそう思うけど、兄ちゃんの彼女じゃない事を願うばかりです。


「どうしたの? 変な顔して?」

「あ、兄ちゃんとノブくんの関係の心配を……」

「関係?! 何言ってるの? あははっ! さ……ユキ面白い事を言うね」

「だってさぁー、兄ちゃんモテるのにさー、彼女見たことないしさー、ノブくんが彼女みたいなこと言うしさー」


 目を丸くして大輔くんが、あたしを見て思い出したように笑い出す。


「いや、あ、ぷぷぷっ。あー。面白いっ! それは、絶対にないって。やばい……ツボに、あははははっ」


 そ、そんなに笑うとこ?! しかも声になってないほど笑ってる。

 ただ、妹として兄ちゃんの事を心配してただけなのに。


「面白いから、黙っときたかったんだけど……さっき、ノブが言ってた柔軟剤の名前覚えてる?」


 柔軟剤……あ、あれ? これって、あたしが。

 大輔くんの顔を見る。


「でしょ? 柔軟剤の事もユウくんが言ってた事だけど、ユキが他のあんまり好きじゃないんじゃないの?」


 前に柔軟剤の匂いでお母さんに「これ以外のにしないで!」って言ったのそれだ。

 ……かなり前の事であたしは、忘れてたけど兄ちゃん覚えてたんだ。


「それに、そのセットアップだって、ユキにサイズピッタリじゃない? ユキがちゃんとした服持ってないからって、ユウくんに頼まれてお下がりを、持って来るように俺ら言われてたんだよ? だから、俺のも後で渡すね」


 おー。この洋服は兄ちゃんの根回しだったのか! 


「こないだ俺が寝ぼけてた時だって、ユキを部屋追い出した後もまたゲンコツ喰らったんだかし。少し、シスコンな気もするけど、アッチの世界の人じゃないと思うよ?」

「シスコンはわかんないけど、あっちの人じゃなくて安心したぁ。イケメンが男同士で付き合ったら、世の女子がかわいそうだもんね!」


 良かったぁ。ノブくんと兄ちゃんがそういう関係じゃなくて。

 じゃあ、兄ちゃんに似合う人を、探してあげなきゃねぇ。


「幸ちゃん、本人にシスコンってばれないように、根回し上手くやってるユウくんが居ると、自分も恋が出来ないって事にも気付いた方が……」


 ん? 幸って呼んだ?


「大輔くん、なんか言った?」

「いや、何にも言ってないよ! 早く買って帰ろうか?」


 組立てとかしないといけないからねぇ。

 早く必要な物を買って帰らないと!



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