The first night. The first fight
今回短めでござる。
川の上流からなにかの鳴き声がした。何処か犬に似た。英語でいうと、
I heared the voice just like dog's oneみたいな感じかな?ってそんなこと言ってる暇はない。ん?犬に似た?
まさかまさかまさか、いや、もしかしなくても狼…か?そういえばあのアドルフ・ヒトラーのアドルフも確か英語だとa wolfで一匹狼って意味だったよな。
ってんなもんどうでもいいわ。この知識ってswe由来だったよな…sweテメエこんなときでも俺の邪魔をしやがって。
それはそうとif マジで狼が来ているとすれば理由はこのお肉ちゃんの血の匂いのせいだよな…えぇ…?凍らせても駄目なの?どないしよう…このお肉ちゃんぶん投げて見逃してもらう?いや、俺のほうがウサギちゃんよりもウサギちゃんしてるから駄目でござるよな…
殺るか?血を流さないようにすれば問題nothingだろうしな…でも、俺一人でイケるか?
ま、でも最悪死んでもヴァルハラに行くだけだし大丈夫でしょう!ん?本当にそうなのか?
一つ一つ整理しよう。
1、俺がこの世界に来れたのはオーディンに招待されたから。
2、それはルーン文字が異国の地で使われていたのが珍しかったから
3、そう。その後のことだ。あの神はなんと言っていた?確か「お前ではエインヘリャルになれない」的なことを言っていた。もしそうだとすれば…俺は死ねばどうなるんだ?少なくともエインヘリャルにはなれない。なれるはずがない。あの神は「精神が脆弱」的なことも言っていた。だとすれば、マジにヤベエ。だって俺はこの世界に来てルーン魔法は使えるようになったが、精神は何一つ変わっちゃいないんだから。いや、逆に考えたらこれはchanceでもある。俺がエインヘリャルになるための。そう、あの神は「戦いを知らぬ」脆弱な精神と言ったんだ。ならば戦いを知れば俺はエインヘリャルに、英雄になれる。
じゃあ、こんなとこで死んではいられねぇ。
一端の北欧神話ガチ勢として、こんなとこでは終われるわけがねぇ。
狼共と思われるものもどんどん近づいてきている。策を練っている暇も全くねぇ。
でも、やらないといけない。幸い、狼共が川の上流から来てるってことで狼共が狂犬病にかかってないってことは分かった。
…古代メソポタミア文明の時にはすでに存在していたらしいからコイツラがかかってなくて本当に良かった。
もし攻撃を食らっても狂犬病で死ぬことはなさそうだ。…狼どもにまだ症状が現れていないだけかもしれないが…。
しっかし、何処にいるのか全くわからん。困ったな…全部燃やすか?後で豊穣のルーンでも刻んどきゃ良いだろ。でも、それだといつまでも本当の戦闘にならない。それだと駄目だ。
考えろ…この状況を切り抜ける方法を。もしかするとあれならあの方法なら…でも、リスクがでかすぎる。答えにたどり着きそうな、そんなときだった。
「は?いつの間にここまで来ていr…」
狼がいつの間にか俺の目の前にいて俺の右足を噛みやがった。
「この犬っころ…俺を逃さないつもりか。良いだろう殺られる前にやってやるよっ」
さて、啖呵を切ったは良いがどうしようか…正直勝てるビジョンが全くない。相手は俺よりも速くて、姿が判別しにくい。それに加え俺は足を怪我しているし、何よりも…狼は一匹ではない。
あ、別の狼がウサギちゃん食ってやがる。
俺のお肉ちゃんをよくも…!
そんなよそ見してる暇なんてなかったのにさ…気づいたら、俺の右手も噛まれてやがる。左手も、左足も。
ハハっ。なんで俺は躊躇っていたのだろう…躊躇っている暇もなかったのにさ。
…でも、まだ、動ける。殺れる。刻める。俺は、自分自身にt{テュール}(戦いのルーン)を刻み込んだ。