キチガイ、初めての神との邂逅
学校で書くの凄く気恥ずかしいです(笑)
where is here―最初に思ったのはそんなことだった。いやほんとにどこ?ここ。なんか暗いし。
俺が陰キャだからって暗いとこが好きだと思うなよ!暗いのは怖いんだよ!なんて一人芝居していたら
「フハハハハハハ」という笑い声が聞こえてきた。笑っているのはどうやらでっかい椅子に座っている眼帯をつけたお爺さん。さっきまでいなかったのにいつの間に?というか何か面白いことでもあったのかな?
「何か面白いことでもあったんですか?オーディン様」俺は思い切って聞いてみた。
「フム…何故、余がオーディンであると分かった?」
「えっと、俺さっき階段から落ちて死にましたし、眼帯を付けてこんな陰キャっぽい場所にいるのは貴方様ぐらいしか思い浮かびませんでしたので」
「なるほど。少年。口は悪いが頭は回るようだな。そして余が笑っていた理由だが―少年。貴様が面白かったからだ」
(オーディンであっているということはこの陰キャplaceはヴァルハラか。そんなことよりも―)
「?どういう意味です?」
「遠く離れた異郷の地で我らが使うルーン文字が書かれていたら気になるであろう?故に余は貴様が書いた戦いのルーンを発動させたのだ。ここからが面白いとこでな、普通あのルーンは戦いの前に気分を高揚させ死への恐怖を薄くさせるものなのだが、いかんせん貴様が戦地に赴いたことのない若輩者だから効果が顕著に出てしまって頭を完全にイカレさせてしまったのだ。それに加え、フハハハ。貴様、高揚すると同時にルーン文字を見られたことへの恥ずかしさからイカレ具合が増してしもうてあのような行動をしてしまっていたのだよ。いや、ほんとにこの地の人間どもの殆どが覚悟が決まっておるのでな。このようなものを見たのは初めてじゃ。久々に笑わせてもらった。少年、褒めて使わす」
(……sweだってドイツ語をノートに書いてけど、好きな言語書くのって普通じゃないんだ。ルーン文字ならばドイツ語よりもカッコいいしお年頃の中高生男児ならば誰でも書くと思うんだけどなぁ。ってそれどころじゃない…媚を売らなければ!)
オーディンってことはヴァルハラのBOSSでエインヘリャル(死んだ勇敢な人)を率いるものでエインヘリャルって戦いのとき以外は女性とあんなことやこんなことが出来るらしいし俺もDを卒業できる!
「いや、貴様はエインヘリャルになれないぞ」
why?…って頭の中読まれてるのか?
「貴様が顔に出しすぎているだけだ…別に余は頭の中を読む力など持っていない」
「どうして俺はエインヘリャルになれないので?」なれないと俺がDを卒業できないじゃないか!
「いやいや貴様エインヘリャルは勇敢な死んだ人間しかなれないのは知っているか?対して貴様はどうだ…精神が未熟で元々キチガイのくせにさらにイカレ、挙げ句階段から転落死したマヌケではないか…そんな無様な姿を晒すやつは到底、余のほまれ高き戦士にすることは出来ぬ。それに貴様、エインヘリャルというのはほぼ四六時中きたるべき大戦に備えて戦闘訓練しておるのだぞ。貴様のその未熟で脆弱な精神では保たぬわ…しかし久方ぶりに笑わせてもらったのもまた、確かじゃしの。そうじゃのう…日本の神に話を通して余の世界に住まわせてやろうではないか」
おぉマジか!憧れの北欧神話の世界に住める!って日本の神様も存在するんだな。
「それではの…少年。精々心身ともにを鍛えてエインヘリャルになれるように頑張りたまえ」
(考えてみればいくらDを合法的に卒業できるとは言え、エインヘリャルってラグナロクでみな死ぬことになるし、そもそも普通に彼女出来るかもしれないから目指すのやめよ。でもそのまま話すと何故未来のことを知っているのかという点でややこしくなるだろうから誤魔化しとこ)
「いえ、自分は思い返してみれば運動することが大嫌いなので目指すのはやっぱりやめときます」
「そうであるか…まぁ好きなことを励むが良い。それでは貴様の死後にまた会おう」
―いい忘れておったが、余の世界ではルーン文字による魔術は使えるぞ―
そんな言葉を聞いて俺の意識は再び闇の中に沈んでいった―
誤字報告等ありましたら、よろしくお願いします