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最強家族の宝物

作者: 空不死

雨の降る夜のある屋敷に最後の命が産まれました。

彼女の名前は·····アップル。


最後に生まれたその命、家族はその誕生に感謝を伝え合いました。

生まれたてでか弱く、でも見惚れるほど可愛いアップルに家族が癒されていました。


たとえそれが·····"最大の呪い子"でも。



◇ ◇ ◇



この世界の死を司る死の神"バレンタイン"と魔導王朝マグレシアの統括者であった"ルキューレ・ベル・クラシュエル"は双方愛し合っていました。


二人は愛し合い、ルキューレにクラシュネルが宿りました。


ただこの誕生は祝福されたものではありませんでした。

ルキューレは呪われていたのです。


人と神の子の誕生をよく思わなかったとある国家がルキューレとその子に呪いをかけたのです。

ルキューレと子に与えられたその呪いは尽きることなく未来永劫解けることのない呪いだったのです。


双方は悲しみました。悔しみました。

人間である自分を神である己をウラミました。


ルキューレは自分の知る全てを使い呪いの解明に勤しみました·····その結果、自分が産めるのは五人まで、そしてその五人の最後、五人目は最大の呪いを受けること、

産まれてくる四人は一つずつ呪いと力を授かり誕生する、だが五人めは力は授かず呪いのみを授かって誕生することをルキューレは知りました。


嘆くをルキューレ心配そうに見るクラシュエルが心配そうにルキューレを見つめていました。

ルキューレは泣き崩れるようにクラシュエルを抱きしめました。


そしてその話はバレンタインの耳にも届きました。

その話を聞いたバレンタインは己の無力さに怒り狂いました。

バレンタインは怒りとともに呪いをかけた国家を消滅させてしまいました。


その数週間後の雨が降る夜。

バレンタインの元にルキューレが倒れたことが伝えられました。


バレンタインはすぐさまルキューレの元に向かいました、だが、バレンタインが見たのは遅く尽きかけの命のルキューレの姿でした。


ルキューレはうっすらと目を開け。

「濡れてるじゃない、風邪·····引くわよ?」

と、掠れた声で言いました。


バレンタインはルキューレの手を取り己の弱さと無力を謝りました。

なんども·····なんども·····。


死の神であったバレンタインはルキューレを助けられないことを誰よりも分かっていました。

そのため·····バレンタインはただ手を握り続けました。


バレンタインは涙をこらえルキューレに願いを聞きました、"欲しいものはあるか"叶えて欲しいことはあるか"と聞きました。


ルキューレはその問いに対し。

「子供たちを守って·····たくさん愛してあげて」

ルキューレは言いました。


バレンタインは深く頷きました。

そして子供たちにルキューレは。

「何があっても守ってあげて、何があっても沢山愛してあげて」と頼みました。


子供たちは泣きじゃくりながら頷きました。

バレンタインはただ俯いた手を握り続けました...。



おとぎ話─────"イノチと呪われた宝"─────



◇ ◇ ◇



「ルキューレ、お前の愛した最後の子は呪われていると言うのが嘘のように可愛いぞ....」

バレンタインはアップルの小さな手を握った。



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