第一話 プロローグ 終わりはこれから
誤字と脱字があったらぜひ報告へ~
無限そうな灰色と薄い霧の景色で雨が降っていた。
雨のリズムで残響が響いた。
その残響のせいで土に座っている学ランめいたのを着ている男が目を開ける。
「……あれ?」
彼は自分両手を見、ゆらゆらの感覚とともに立ち上がった。
「なにしていたんだっけ」
彼は眠気を感じて自分の名前すら覚えていなかった。彼の家の記憶もなかったけれど今にいる場所は自分の家ではないということは分かっていた。辺りに目線をやったが五メートルぐらいしか見えなかった。
「……何なんだよ、この場所」
夢ではないかと思いながらまた辺りに目をやった。そして彼の右側で何かがあったのを気づいた。というより、近づけてくる女の子の姿だった。彼は冷静なままでその女の子を眺めた。彼女の肩にかかった髪はか黒くて、黒いワンピースを着、そして彼女の肌が真っ白で彼女との髪のコントラストの明らかさは魅力だった。
「こんにちは」
女の子はすこし頭を下げてそう言った。
彼女が微かに口角が上げて微笑むように表情をした。
「え? あ、こんにちは」
彼は挨拶を返したが不安を感じ始めたみたいで彼の声がちょっと揺らいだ。
女の子は心配そうで彼の顔を窺った。
「大丈夫ですか?」
「……大丈夫だけど、ここは?」
「灰色空間です」
「灰色空間?」
彼はもう一度彼の周囲を見た。霧が飲み込んでくるような視覚で居心地いいわけもなく、灰色まみれの景色が鬱陶しそうに見えた。
「まあ、みればわかるけど……てか、なんで雨降ってるのかよ!? ビルの中だろう、このルームは」
「ビル? あー、そうではありません」
ビルの中はずだったと思った彼はまた女の子へ視線をやった。でも彼女は先と同じではなく、違うところは明白だった。
「……えー? ちょ、ちょっと、君の髪の色変わってたぞ?」
女の子のか黒い髪は完全に水色に染まっていた。そしてパルックのように光っていた。彼女は首を傾げて優しい声で口を開いた。
「うん? 私にはそれは普通ですよ。この色は好奇心の表現だけです」
「……いや普通じゃねーだろう……そういえば、誰だ、お前」
「あ、自己紹介を忘れました。ごめんなさい」
彼女は言葉とともにお辞儀してあせらずにまた話した。
「わたしはミナと申します。川宮雄一さんを導く精霊の役目をいただきました」
雄一はなにも分からずただ「え?」と言えたそばからミナの髪はまたか黒く染まった。
これからよろしくお願いします。