表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

目的のタキ

作者: 汗本柿麻呂

変わった有料駐車場「目的のタキ」に来た俺は、タキさんと話すのだった……。

「目的のタキ」


という変わった駐車場がある。


タキさんというオーナーの経営する有料駐車場だ。


本名は俺も知らない。


「目的のタキ」は利用料金がかなり安い。


駅まで徒歩圏内なのに、24時間駐車しておいても500円。


ワンコイン駐車場なのだ。


ただ、なぜかいつもタキさんが居るという不思議な駐車場だ。


タキさんは話せば気さくでいい人だが、


見た目がかなり恐ろしい。


知らないで道で出会ったら、


その筋の人か、凶悪犯に思えるかもしれない。


年齢不詳だが、おそらく40~50歳代だと思う。


身長はそんなに高いわけではなく175cmくらいだ。


体つきが何しろガッシリしていてゴツい。


サングラスで目つきはわからないが、威圧的が半端ない。


声は低く聞きやすいが、もしドスを利かせて怒鳴られたら、熊でも逃げるような気がする。


髪は、パンチパーマで昭和の時代ぽさを感じるが、タキさんには妙に似合っていて不思議だ。


さて、俺はいつものように「目的のタキ」に、中古の軽自動車でやってきた。


「おう、元気か?」


タキさんが気さくに声をかけてくる。


相変わらず怖い。でも、いい人だ。


「今日の『目的』は何だ?」


「えーと、渋谷のライヴハウスで、推しの生誕ライヴがあるんで、青のサイリウムをガチ振りして、お祝いしに行きます」


「地下アイドルか?」


「そうですね。インディーズしか出してないし、ライヴの規模も大きくないですが、何しろメチャクチャ可愛いんですよ!」


「それは良かったな。で、何をどれだけ頑張るつもりなんだ?」


「俺の推しはその1人だけなんで、声が枯れるまで盛り上げようと思います。あとお酒が好きな子なんで『ワッショイ』という酒をプレゼントして、一緒にチェキを10枚取って、プライベートチェキ券をゲットします」


「そうか。頑張ってこいよ」


「はい!!」


そして、タキさんが鎖を持ってきて、俺のボロ軽自動車の前輪に巻きつけ、駐車場のフックにロックした。


「わかっていてるよな?『目的』を達成しないと、ロックは外さないぞ?」


「はい!必ず最高の生誕ライヴにして見せます!」


「その意気や良し、行ってこい!」


「はい!ありがとうございます!」


そして、


俺は全力で推しの生誕ライヴに臨んだ。


「目的のタキ」に着いたのは終電だった。


しかし!


いつもいるはずのタキさんがいない。


困って俺と同じように立ち往生している人に尋ねると、


タキさんは道路交通法違反で逮捕されたらしい。


俺は自分の車が出せなくなった。

もう出がらしです。


「目的のタキ」という有料駐車場の夢を見たので、それを題材にもらいました。


1000文字に収めるので、どうしても前厚型になりがちです。


もっと展開を考えて、練るべきだと思いました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 異様に安い値段設定にはそんな理由が。 [気になる点] 種明かしはもう一声あった方がより直接的で分かりやすかったかもしれません。 [一言] 短い中でオチまでしっかりついていたと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ