(6)別れ
次の日、ららは公園に遊びに行きたいとお父さんにお願いしました。
またきらに会いたかったからです。
でも、いつも優しいお父さんは、その日は「ダメだ」と許してくれません。
「きらがまってるかもしれないから」
ららは一生懸命お願いしましたが聞き入れてもらえず、最後はしょんぼりとしてしまいました。
お父さんの胸が苦しくなりました。
もうきらが来ないって知っているから。
その日は、大勢の大人たちがららのお家にやってきました。
みんな忙しそうで、誰もららにかまってはくれません。
ららは「つまらないな」と、縁側に腰かけ、ひとり足をぶらぶらさせています。
だだをこねたりしません。
だって、お母さんときらに約束したのですもの。
『おりこうさんにする』と。
いつも言いつけを守っておりこうさんに。
そうすれば、またきらにも会える気がして。
そしてお母さんにも……。
それから数日後のとある日の午後、ららには意味は解らなかったのですが、ららは大人たちと一緒に、誰かがもといた宇宙に旅立つのを見送りました。
しばらくしてまたららは公園に遊びに行きました。
またきらに会えるかと、毎日毎日通いましたが、あの日以来きらは現れませんでした。
でも、いつかきっとまた会えると信じて、心の中のきらを思い浮かべるのでした。
そしてまた日常を繰り返しながら月日は流れ……。
お読み下さりありがとうございました。
次話「(7)いつか……きっと」で完結です。
最終話にて、この童話の元になった自作の詩と、挿し絵を掲載します。
そして後書きにて、このお話のテーマについて触れてみたいと思います。
どうぞラストまでよろしくお願いします!