(1)出逢い ✩挿し絵あり
童話初挑戦です。
お手柔らかにお願いします。
遥彼方さまの『ほころび、解ける春』企画参加作品です。
とある日の午後、舞い落ちる薄桃色の花びらをつかまえながら、楽しそうに少女がひとり公園で遊んでいました。
少女の名前は『らら』。
いつも楽しく笑う、元気で明るいひとになってほしいと、願いを込めてお母さんがつけてくれた名前です。
時間も忘れて楽しく遊んでいると、ふと目の前に『星のカケラ』が落ちてきました。
この街に住む少女『らら』は、あまりに突然のことに驚いてしまいます。
「きゃあ」
ららは思わず声をあげてしまいましたが、ようく見るとその『星のカケラ』は、ららに微笑みかけているように見えました。
「あなたはだあれ?」
ららはその微笑む『星のカケラ』に聞いてみました。
だって、ららは『星のカケラ』なんて、今までに見たことがないのですもの。
初めて出会ったばかりだけれど、あまりにキラキラと輝いていて、優しく微笑む『星のカケラ』と、お友だちになりたいと思ったのでした。
『きら』
星のカケラはそう告げて、そのまま消えてしまいました。
「え?」
ららは、きらが『かくれんぼ』をしたのかと、辺りを探してみました。
公園のベンチの下、水飲み場の後、ブランコの周り、滑り台の上。
芝生の向こうのお花のお家や、大きな木のかげ。
いろんなところを、一生懸命に探しましたが、星のカケラの『きら』は見つかりません。
少し寂しい気もしましたが、もうそろそろお母さんが迎えに来るころかしら? と、ららは諦めることにしました。
「またあしたね」
もしかしたら、きらがどこかで聞いているかもしれないと、そう言って公園のベンチに座り、お母さんが迎えに来るのを待つことにしました。
お読み下さりありがとうございました。
次話「(2)不安」もよろしくお願いします!