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プロローグ
プロローグ
第00話
大きすぎる赤いランドセルがゆっさゆさ。
「お父さん。いってきます。」
小さい身体をピョンピョン。落ち着きがない。
「いってらっしゃい。車に気をつけるんだよ。」
その様子を見ながら、
内心肩を竦めながら成長を喜ぶ。
これが父性なんだな。
「あら?ますみちゃん。ママには?」
少しぷんすかしている大柄な女性がそこにいる。
我が嫁である。
勿論本気ではないがいじけて見せている。
「ママ、泣くぞ〜。ど〜する?泣いちゃうから。」
都内某所のとあるマンション。
何処にでもある家族の一コマ。
「貴方に決めた!」