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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
激闘 怪人協会
92/214

vs千仙怪人 白老のシラセ Part1

☆☆☆


Side:タマキキャット


 突然、現れた宮ちゃんせんせー。

 えっ、死んだはずじゃ?

 ううん。もう、そんなのどうでもいい。

 ぐちゃぐちゃな頭はピンチに駆けつけてくれたヒーローに助けを求めて私は叫んでいた。

 

 ――しかし、その言葉も無駄に終わった。


 シラセが指をはじくと、宮ちゃんせんせーは下から燃え盛る黒の炎に瞬く間に飲み込まれてしまったのだ。

 宮ちゃんせんせーの立っていた場所にあるぼうぼうと燃え盛る黒炎の柱がそれを証明していた。


 シラセはあたしのほうを向きなおす。

 その顔には不気味な笑みが張り付いていた。

 再びあたしを痛みつけることを楽しむように歪んでいる。


 こわい……。こわいよ……。

 誰か助けて! 助けてよ!! 今まで一杯助けてきたんだから!

 なんで、なんで、こんな目に合うの?


 そんな事を思っても無駄。

 シラセは刃物を持ちなおして、あたしに気持ち悪い笑顔を浮かべている。


 なんで? また痛いのが始まるの?

 何が?

 どうして!

 わかんない!


 もう痛いのは嫌!


「やめて!!!」


 あたしがいくら泣き叫び懇願しようがシラセはやめる気はない。

 むしろ、口角を上げて、喜んでいるように見える。


 絶望……

 そんな黒い思いがあたしの心を塗りつぶす。


 そんなとき、何かの叫び声が聞こえる。


「何? お前! その姿!!!」


 シラセの顔が火柱から飛び出してきた何かに驚きを隠せないように表情を歪めた。

 その直後、シラセは大きく吹き飛んでいく。


 何がおきたの?


 あたしは顔を向けた。

 そこにあったのは、骸骨の顔。

 なんども出会った事のある骨の怪人さん。


 えっ? なんでリボーンさんが? 


 全然、わかんない。

 ううん。そんなの関係ない。

 こわい。こんなのいや。

 もう頭ぐちゃぐちゃ!!!


「お願い!!! 助けて!! 助けて!!! リボーンさん!!!!」


 突然現れた怪人さんのヒーローにあたしは助けてを求めて叫んでいた。


 リボーンさんは、優しくあたしの頭をなでる。


 そしてリボーンさんは吹き飛んでいったシラセの方を睨みつけた。


☆☆☆


Side:GUYコツ


 くっそ。いきなり攻撃とは熱いじゃねーか!

 折角の人皮が燃え尽きたぞ……


 それでも、一発ぶん殴ってやった。


「おぉ、痛い。しかし、【混沌の炎】を受けて無事とは、驚きじゃ。」


 吹き飛ばされた白髭は、頭が90度回転している状態で答えてくる。

 不気味な奴だ。

 ピンピンしてやがる。


 体中から黒いオーラが白髭の怪人を包みだす。

 その黒いオーラが発生したときに、梢の方から、怯えるような空気を感じた。


 俺は、ベッドに縛りつけられている横に縛り付けられている梢を見る。

 梢の奴。こんなに震えて。


「梢。もう、大丈夫だ。後は俺に任せろ。」


 おいおい。そんな捨てられた子犬のような目で見つめるなよ……


「リボーンさん……ありがとうございます……ありがとうございます……あたしは……もうシラセと戦えない……」


 シラセ。

 白髭の怪人の名前か?


「おいおい。貴様、よそ見をする余裕があるのか?」


 その言葉で、俺はシラセの方を見る。

 シラセの方から黒い影が飛び出してきた。


「おいおい。儂を無視するとはいい度胸じゃないか?」


 空気の斬る音が俺の頬をかすめる。

 90度曲がった顔が、徐々にもとに戻り始める。


「気持ち悪い奴だな……」


 思わず悪態をついてしまう。

 ニヤニヤした顔は全く崩れず、俺を見てくる。


「ん? 貴様、どこかで見たことあるぞ? さて、どこだったか……」

「残念だな。俺はお前なんて知らない。」


 俺はシラセに飛びかかる。【骨パンチ】!


「もう一回その顔面にぶち込んでやる。」

「ふん。効かぬよ。そんなぬるい攻撃。が……」


 攻撃のために飛び込んだ俺の元にシラセから伸びた黒い影が俺に迫りくる。

 黒い影は素早くしなやかに動き、俺をはじき飛ばす。


「そもそも、儂に近づくことすらできない。」


 くそっ、あの黒い影。

 まずはアレを何とかしないとだめだ。


「全く、新しいペットが手に入ると上機嫌だったのに……いや。」


 シラセは梢を見て、嗤う。


「まずは貴様は惨たらしく殺そう。そう、儂の新しいペットをもっともっと絶望させてくれ。そう戻れぬ地の底まで。」


☆☆☆


Side:ライ雷オン


 画面に映るシラセの勝利。


「博士が期待していたのから期待をしていたが……。まぁ、こうなりますよね。私はコーヒーでも淹れてきます。」


 私は、コーヒーを淹れるために席を立った。


「あの少女もシラセのおもちゃになるなんて可哀想に。」


 溜息が出てくる。

 全く、強さのみでは最強の怪人にはなれないというのに。

 シラセは性格に難がありすぎる。

 自由を


 ガタッ!!


 突然、画面を見ていた部下が席を立ちあがった。


「どうしたんですか?」

「ライ雷オン様! 大変です! GUYコツです! GUYコツがテレビに映っています!!」

「なっ!」


 私もモニターの前に戻り画面を見る。

 そこにはGUYコツがシラセに対峙する様子が映っている。


「GUYコツ! 奴がなぜ、こんなところに!?」

「どうしますか! 向かいますか?」

「早く向かわせてくだ……いや……」


 これから、カズノコシティはシラセに占領されるだろう。

 しかし、カズノコシティに、ネオ怪人協会のメンバーが紛れていたら……

 シラセと戦うリスクは避けるべきか。

 今のネオ怪人協会の戦力では、奴と戦うのは現実的ではないか。


 そもそもGUYコツがシラセに勝てる訳がない。

 ならば……


「やめておきましょう。」

「やめるんですか?」

「ええ。奴もシラセには勝てません。そして、我々がシラセと敵対とするのは良くないですからね。だから、ここで奴の最後を見届けて上げましょう。まぁ、奴に止めを刺すのが、私じゃない事は残念ですが。」


 画面に映るGUYコツがシラセに立ち向かう。

 なんとも愚かな……

 

 シラセに近づくこともできずに、ただの黒い影を使った攻撃にあたふたとするGUYコツを見ながら、私はそう思った。

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