GUYコツ、外に出る。
只野博士によって指示された場所にたどり着いた俺達は迎え入れられた後、特にやるべきこともなく、部屋に置かれた大きなテーブルを囲い呆けていた。
大きなテーブルと大きなロッカーと数台の機械が置かれただけの部屋。
只野博士は、何やら機械いじりに夢中になっているようだ。
「博士、そのずっとじってる機械はなんだよ。」
俺は少しの不満を含んだ口調で話かけた。
「これは、次元統合獣の発生を予測する機械じゃよ。」
「で、あたい達は何すればいいわけー?」
「うむ。対策会議と言いたかったのだが、反応があったのが消えてしもうてのう。主達が来るまではちゃんろ反応があったのじゃがな。」
「……そんな、ポンコツで大丈夫なのか?」
「まぁ、頼りがコレしかない以上、仕方あるまいて。少しの間、部屋の中でゆっくりしとってくれ。」
「って言われても、もう日をまたぎそうですけどね!」
「そうだよな……」
テッペキンに同調しつつ、あまりにも暇すぎて椅子から立ち上がり、ロッカーを開ける。
そこにあったのは、人に変装するためのアイテム。俺にとっての重要アイテム。
以前、ネオ怪人協会に襲撃されたときに、全て忘れてしまい二度と手に入らないと思っていたものが目の前にあった。
「これ、人皮じゃねーか!! なぁ、博士。今やることないなら、外に行ってきていいか? 久々に街を見たいんだ。」
「ええぞ。」
答えを聞く前から、俺は人皮を手に取り、喜ぶ。
そんな俺にアレグラが微笑みながら話す。
「本当に司は人がお好きなのね?」
「まぁな。いやー。もう人前は堂々と歩けないと思ってたぜ。」
「GUYコツ、あにゃたねー……あたいにこいつと同じ場所に居ろってわけ? もう約束破るわけ?」
溜息交じりに、テッペキンを指さしながら、キャットシーはクレームをつける。
「いや。しかし。……うーん……」
言い淀む、俺に対してアレグラが口をはさんできた。
「なら、美衣子と司の二人で行けば良いわ!」
「そうだな! それだ! キャットシー、外に行こうぜ!」
俺はキャットシーに人皮を渡す。それを受け取りながら、呆れながら返事をする。
「はいはい。」
「これは、でーと、ですわね!」
アレグラがからかうように言った事で、赤を紅くしながら、「馬鹿にゃこといってんじゃにゃいの!!」っと文句をつけながら、キャットシーは人皮を被る。
現れたのはスレンダーな美女。
「にゃに? GUYコツ、こっち見つめて、どうかしたー? あたい、にゃにか変化かにゃ?」
「いや、なんでもない。」
ごまかすように、はにかみながら、俺とキャットシーは部屋を飛び出して、外に向かった。
☆☆☆
GUYコツ達のいる隣の部屋では怪人シラセに対する対策のために、ヒーローたちが集まり最後の確認を行っていた。
「それでは、このフォーメーションで良いだろう!」
隣街から駆け付けた若い男が怪人対策のためにリーダーシップを取り、場を仕切っていた。
集まっているヒーローは20人。
「街の6割の人は隣街に移動させたし、移動が間に合わなかった人たちはセントラルタワーで過ごしてもらっている。後はセントラルタワーを落とされないようにするだけだな。後は気合いだ!!!」
立松陽平が息を巻きながら、薫に話かける。
「陽平、当日はマスコミの中継も入るんだから、あまりへぼい所はみせちゃ駄目だよ。あのメイドの子に笑われちゃうよ!」
「へいへい。分かってるよ。俺だって訓練も頑張ってたんだ。大丈夫だぜ。って、ミュエは関係ないだろ!」
「誰もミュエなんて言ってないわよ。」
「あっ、ひっかけやがったな!!!」
指揮をしていた男が声を上げた陽平に注意をする。
「そこ! 少しうるさいぞ!」
「すんません……」
陽平は小さくなりながら、謝罪する。
「そして、タマキキャット君、君は自分の役割はわかってるよね。」
「皆が食い止めてる間にシラセを見つけて、あたしが倒すよ!」
「うん。本当はこんな重要な事を若い子に任せることじゃないけど、恥ずかしい話だが、ここに集まった中で君が一番強い。」
「うん! あたしは大丈夫。いろんなものを全力でぶつけるだけだよ!」
「よろしくな。」
「こずこず、本当に平気? 私も付いていこうか?」
「大丈夫。大丈夫……結局、シラセを止めないと、あたしたちに勝ちはないんだから……」
梢の手が小さく震えていることが分かる。
しかし、それ以上何もできないことを薫はわかっていた。
「そう。」
薫の口から出てきたのは短い応答だけだった。
「よし、それじゃ! いつ怪人達が襲撃に来てもおかしくない! 皆、検討を祈る!!!!」
「おう!!!!」
場にいた全員が元気よく返事をして、それぞれがチームに分かれて配置に向かった。




