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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
激闘 怪人協会
78/214

ヒーロー達の理念

 昨日の会議が嘘のように、静まり返った部室に、学校終わりの梢、薫、陽平の三人が集まっていた。


「昨日の会議は大変だったねぇ。」


 薫がぐったりとしてテーブルにへばりつく。


「だな……せっかく纏まりかけてたのにな。あの執事、最後にぶち込んできやがってきて……」

「よーへい、なんか怒ってる?」

「そりゃな。だけど、俺が一番怒ってるのは、玉置、お前にだけだどな。」

「なんでさー。」

「A級怪人よりも強い化け物にお前が一人で戦うとか言っちまったんだよ。」

「だってぇ……」

「まぁまぁ、陽平。落ち着きなよ。こずこずがシラセと戦うって言わなきゃ、あれはどうしようもなかったよ。おかげでポジションが出来た訳だし。」

「そうそれ! 鈴木さんも言ってたけど、シラセって奴はヤベーって話じゃん。それを一人で戦うってわかってんのかよ。」

「分かってるよー。だからこそ、今、この町で一番強いあたしがやらないと駄目なんだよ。それに、シラセって怪人さんには個人的にちゃんとお返ししたいし。」


「陽平、こずこずよりも私らもやばいよ。シラセが連れてくる怪人達は、下手したら上級ヒーローでも勝てないA級の上位陣って事じゃん。そもそも、シラセに辿りつく前にヤラれる可能性だってあるんだから。」

「それは……そうだよな……」

「……訓練しよっか。今までの怪人の襲撃がシラセの陰謀なら、今まで見たいに毎日怪人はでないでしょ? 1週間は猶予があるんだし。できることは全力でやっとかないとね。」

「良いな。花村。俺は乗るぜ!」


 陽平が身を乗り出して薫の提案に乗った。


「こずこずも行こーよ。」

「かおるん。ごめっ! 訓練は行けない。あたし、ゆーじとれきれきの家に行くよ。あの二人のサボり癖にも、もう我慢の限界だよっ!」

「なら、私らもそっち行こうか?」

「駄目だよ! かおるんとよーへいは戦いに備えておかないといけないと思うの! だからあたしに任せて!」


 こうして梢は、薫と陽平に別れを告げて、勇二と歴の家に向かうことにした。


☆☆☆


 ピンポーン


 梢は緊張した面持ちで菊水家のチャイムを鳴らす。


「はいはいー。あら、梢ちゃん。どうしたのかしら。歴は今日一緒じゃないのかしら?」


 歴の母が顔を出す。

 梢にだとわかると、笑顔で応じてくれる。


「れきはまだ帰ってきてないの?」

「えぇ。最近、この辺って怪人が多いでしょ? だから、皆と一緒にいるものとばかり思ってたわ。」

「……あのっ! れきが帰ってきたらあたしに連絡するように伝えて欲しいの!」


 何かを言いかけて言葉を飲み込む梢は伝える。


「えぇ、良いけど。―――」


 歴の母は理由を聞こうと思ったが、梢の様子に躊躇し、良いとどめる。


「分かったわ。歴が帰ってきたら梢ちゃんに連絡するように言うわね。」


☆☆☆


 ピンポーン


 ――反応はない。

 

 ピンポーンピンポーンピンポーン


 頬を膨らませながら、梢は榊家のチャイムを何度も鳴らす。


「あらー? 梢ちゃんー?」


 おっとりした声で後ろから声をかけられる。

 振り向くと

「あっ、ゆーじのおかあさん!」

 手を振り、挨拶をする。


「どうしたのー? うちに何か用事かしらー?」

「あのね! ゆーじって今何処にいるの?」

「勇二ー? ヒーロー研究会じゃないのー?」

「あたし何度も連絡してるだけど、全く連絡来なくて……あの。最近ゆーじ、学校にすら来てないの……」

「えっ? 勇二が学校に行ってないのー?」


 不思議そうな顔で勇二の母が首を傾げる。


「うん。」

「そうー。梢ちゃん、伝えてくれてありがとうねー。」

「あとね。ゆーじとお話ししたことがあってきたの。」

「あらー? もしかして、大事なお話しー?」

「うん。」と梢はこくりと頷く。

「恋の相談とかー?」

「ち、ちがうの!」

「あらあら、残念ねー。因みにー。梢ちゃんのご用件を聞いてもいいかしらー?」

「あっ、一杯あるんだけど。今はヒーロー研究会の活動の件で話したい事があるの。」

「ヒーロー研究会の件かー。そっかー。なら、今はそっとしておいてあげて欲しいかなー。あの子、優一の件でかなりショックを受けていたようだからー。」


 そんな場合じゃないと強く言いたいところだが、シラセの件を伝える訳にもいかず、梢はもじもじとしながら、勇二の母に伝える。


「あのっ! ゆーじが戻ってきたらあたしに連絡するように伝えてほしいの!」

「分かったわー。梢ちゃんが訪ねてきたことは伝えてあげるー。でも――」

「でも?」

「母としては、今のあの子に優一を思いださせるようなことは言って欲しくないのよー。だから、梢ちゃんに連絡させるかは、保証は出来ないわー。」

「分かったの……」


 こうきっぱりと言われてしまうと反論もできず、引き下がるしかなかった。


「それじゃねー。梢ちゃんー。」


 梢の横をすり抜けて、家に入ると玄関の扉を閉められる。

 梢には閉ざされて扉が見た目以上に厚く感じた。


「ゆーじとれきれきは何の相談もなしに何処に行っちゃったの?」


 そうつぶやき、梢は帰路に着いた。

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