vs斬刀怪人 風魔のスラッシュ 二戦目 Part2
今回は少しグロテスクな描写を含んでいます。
閲覧ご注意くださいませ。
今、自分が持つ最強の技を放った反動で手にチクチクとした痛みがリボーンに襲う。
以前なら反動で手が吹き飛んでいたが、力の制御ができているようだ。
だが、今はそれよりも目の前の敵だ。
「やったか!?」
辺りにまった煙が晴れていくと、当たりの景色が視界に映る。
目の前に居たのはスラッシュでなく、攻撃を受け止めたのかテッペキンが息を絶え絶えに倒れている。
「おい!テッペキン!」
俺の呼びかけに答えたのは、それを見ていた怪人たち。先ほど倒したザンザザンと、先ほどから戦いを見ていたハヤブサンとカブトンが代わりに応じた。
「ああ、テッペキン。自ら壁になるとは、スラッシュ様への謀反もこれで許して貰えるだろう。」
「しかし、蝙蝠のようにあちらこちらに裏切って最後は、お仲間に撃破されるとは。」
「なんて愚かな怪人なのだろう。」
3体の怪人たちはオーバーな身振り手振りを加えながら、俺を、倒れたテッペキンを挑発をする。
「お前らっ!」
俺の言葉を静止したのは、「喚くな。」という言葉、それはスラッシュだった。
息を大きく吐きながら、黒い靄を纏ったスラッシュはまだ平然と立っていた。
「貴様を見くびっていたぞ。怪人のヒーロー。その異常存在は伊達じゃなかったわけか。」
「なんでテッペキンを壁に使いやがった……お前らは仲間なんだろう。」
「仲間?フハハハハ。こ奴らは部下であり、道具だ。」
「道具だと……」
「貴様も先はテッペキンに裏切られて激昂していたではないか?」
「それは……だが」俺が弁明しようと何かを言おうとすると、スラッシュは止める。
「どうでも良いことだ。今わかっていることは……」
スラッシュの纏っていた黒い靄が既に禍々しいオーラと変わり、ロープのように俺の動きを止める。
「貴様の闘志はまだ消えていないようだな。ここからは我も本気でやろう!ザンザザン、ハヤブサン、カブトン、我が四天の怪人達よ。我の糧になれ。」
「「「はっ!我が身を主のために」」」」
3体の怪人は膝をつき、頭を垂れる。
『異形化-装備変態-』
呪文のようなつぶやきをすると、3体の怪人達は骨をボキボキと鳴らしながら、身体を変形させていく。
――その身を禍々しい剣に。
――その身を禍々しい足袋に。
――その身を禍々しい兜に。
それらの物には、元の怪人達の顔が、まるで、怨念を吐き出すかのように、ボコボコと浮かびあがっては来ていく。
地獄いる正真正銘の化物のような見た目。
そして、怪人が変形して生まれた物が次々にスラッシュに装備されていく。
「んなっ!」
俺は言葉を失い見つめていた。
スラッシュの纏う闇が更に濃い黒になる。
「これが四天の力を手にした我の力。切れ味を喰らうと良い。」
しかし、その声は、俺の耳には届いていなかった。
その手に握られた禍々しい剣を俺に向けて振るったときに、「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」この世の物とは思えないほどの絶叫があたりに響く。
それは地獄の苦しみを味わう罪人の絶叫のように。
剣から、足袋から、兜から、浮かび上がる顔から発生し、共鳴し合い俺の鼓膜にこびり付く。
スラッシュの振るった一太刀は俺の右半身を吹き飛した。
がはぁっ!!!
ヒーローの力を纏った体すら壊すほどの黒い力。倒れる俺の視界には、目的のために、異形の装備を纏うスラッシュが映る。スラッシュとその異形の装備に浮かぶ瞳からは明確な殺意と敵意が俺に向けていることが分かった。
「本当に頑丈な奴だ。我のこの姿を見て心が折れぬか。だが、これからが本番だ。我がここまで見せたのだ。簡単に壊れてくれるなよ。偽者のヒーロー。」
「糞がっ……」
スラッシュが構えて剣を振るう。闇を纏う斬撃をダメージを喰らいながら突進をして、殴るにかかった。
ザンザザン戦と同じ戦法。ダメージ覚悟の特攻だった。
ボロボロになりながら、攻撃を繰り出す。
しかし、その攻撃は異形の兜にはじき返されてしまう。
逆に、兜に生える角が、まるで生き物ように動きまわり俺の腹部に突き刺さる。
突然のことに驚き、距離を取った。
「なんだよ。その装備は……生きてるのかよ!」
「そうだ。この装備には異形化した怪人を更に別に異形化させて使っているのだから当然だ。」
「なんだよ。それは」
「異形化-装備変態-、我支部の最終奥義だ。すべてを我に捧げたのだ。」
口の中にあふれる鉄の味をかみしめ、俺は、恐怖から湧き出る吐き気と、半身が吹き飛び脳天を貫く痛みを堪えて精一杯のファイティングポーズを取った。
「スラッシュ、お前は何のために、そんな力を……」
「逆に聴こう? なぜお前は見ず知らずの奴のためにそこまでの力を振り絞る? なぜヒーローなどという幻想の力を委ねた?」
「俺は守るためだ!お前のような悪鬼から!!」
その言葉を発したときに、俺の胸に燃え盛る炎のような熱さが宿った。
お読み頂きありがとうございました。




