分析と対策
スルメンは引き飛ばした後、GUYコツはキャットシーの方を向き直して告げる。
「キャットシー、俺の強さはお前らのお眼鏡にかなったか?なら、アレグラは解放してやってくれ。」
「にゃはは。そもそも演技にゃ、演技。もともとアレグラ嬢ちゃんの作戦だったのにゃ。」
「司がいつまでも弱いままですもの。原も美依子も疑ったままでは悔しいじゃありませんか。なので、わたくし手を打たせてもらったのですわ。」
手を口に当てて高飛車な態度でアレグラは笑う。
「そうだったのか……それは、良かった。何はともあれ、終わりが大団円で済むならそれでいいんだ。」
「アレグラ嬢の策がうまくいったところで、スルメンが帰ってきたら、模擬戦の批評でも始めましょうか。」
しばらくすると、吹き飛んだスルメンも戻ってきた。
「原、お疲れ様ですわ。」
「お疲れにゃー。」
「お疲れさん。」
「お疲れ様。最後は吹き飛ばして悪かったな。」
皆が戻ってきたスルメンを向かえた後に、「……気にするな。」と軽く返事を返す。
その後、テッぺキンが先導して話を始める。
「スルメン、模擬戦の批評でもしようって話をしてたんですよ。」
皆の言葉を遮り、戻ってきたスルメンが言葉を発する。
「……なら俺からだな。GUYコツがヒーローってのはマジだな。対峙していた俺にはわかる。変身をしたあとのGUYコツと向き合った時に感じたのはヒーローと戦うときの嫌な感じだった。」
「それにしても変身って言ってもマフラー付けるだけって雑にゃ変身もあったものにゃー。思い出しただけでわらえてくるにゃー。にゃはは。」
キャットシーは笑いながら、俺の変身後の姿に突っ込む。
少し気恥ずかしさを感じつつ、スルーをする。
「……あと、GUYコツが変身した後は俺も本気でやろうとしてたんだけどな。まさか真っ向からはじき返されるとはおもってなかった。」
「あーやっぱり、スルメン最後本気でやろうとしてたのにゃー。」
「それじゃ、原は司の強さを理解いただけましたの?」
「……まぁな。本気のGUYコツは強いな。」
「これは仮ですけど、スルメンの強さが仮に下位Aランク級とすると、ヒーローに変身した後のGUYコツの兄貴はそれよりも強いって事ですもんね。やっぱりスラッシュに一撃与えたのはまぐれじゃないんですね。」
「……GUYコツの強さがヒーローのものと考えると、対怪人戦では確かにA級以上の強さはあるかもしれな。」
「対ヒーローはどんなもんかにゃ?」
「姉御、ヒーローの強さがどうやって図られているのかわからない以上、なんとも言えないですね。ただ、俺個人の見解としては、スルメンとの戦いを見る限り、あのイクラシティで戦った赤いヒーローよりも下な感じはしますね。」
「あの怖いヒーローですわね……わたくしたちも消耗していたとは4対1で全く歯が立ちませんでしたものね。」
「……ありゃ、強かったな。異形化したばかりで高揚していたとは言え、歯が立たないのは流石に凹むんだよな。」
「あの赤いヒーローはリンドウの奴に、手も足も出ずにやられている…」
「まとめると、GUYコツの兄貴の強さは、S級の怪人よりも弱くて、少し強めのヒーローにも勝てない。って感じですかね。」
「にゃー……やっぱり、GUYコツはあまり頼りににゃらにゃくない?」
「……そこはフォローをすることが必要って事が分かっただけでも良しとしよう。」
「現時点で言えることは、ネオ怪人協会の戦力がどんなもんかはわからないですけど、S級怪人が来たらピンチって感じですかね。」
「で、GUYコツはいつでもヒーローににゃれるのかにゃー?やっぱそこが一番大事じゃにゃい。怪人のGUYコツは全く役にもたたんにゃ。」
「うーん。なんか誰かを守るって目的があるなら、変身が出来るだけどな。」
「……つまり俺らがピンチになれば、ヒーローの――そう、リボーンになれるってわけだな。」
「イクラシティではあたい達が赤い奴に負けた時に変身しにゃかったけどにゃー。」
「変身できるときは心の奥底で、変身って言葉がわいてくるんだよ……逆にそれがないと変身はできないっぽい。」
「にゃんにゃの、GUYコツの気分の問題にゃのかにゃ?」
「悪く言えばそんな感じだな。」
俺は頷きながらキャットシーに答える。
「GUYコツの兄貴は変身が出来るかが課題って感じですね。あと、スルメンも同じように異形化したばかりなのか感情の高ぶりをコントロールできていないようです。後半の暴走具合とは、GUYコツの兄貴を殺そうとしてたでしょう。」
テッペキンの指摘が、突然スルメンに飛んできたことで、スルメンは視線を横にずらす。
「司と原には心の訓練が必要という事ですわね。」
「ですね。俺も同じ結論です。キャットシーの姉御が心配してる通り、強さ自体の問題よりも、安定して力を出せることが重要ですからね。B級の奴が100回に1回にS級の力を出せるよりも、100回中100回、安定して、A級の力を出せる方がいいですからね。」
「どうやって訓練するのかにゃー?」
キャットシーの言葉を訊き俺も同調する。
「心の訓練って全く想像できんな。」
一人を除きどうしたものかと頭を悩ませていると、一人が声をあげる。
「ふふん。これは吸血鬼式の訓練の出番ですわね。」
ドヤ顔のアレグラが何やら、策があることを言ってきた。
もの凄く嫌な予感がしたが、他に案もないためしぶしぶ受け入れることになった。




