☆幕間☆
GUYコツが怪人協会に報告をしていた時、ゼクス城では5人の少年少女達か三人のメイドに囲まれて、暗い顔をして丸テーブルに腰掛けていた。
イクラシティの惨状を聞き、感情が抑えられない少年が感情の吐き出し口も分からず机を叩く。
「くっそーーーーー!!」
「ゆーじ、手から血が出てるよ!救急箱持ってくるね。」
「なんで……僕があの時に負けなければ……僕が優一の邪魔をしなければ……優一は犠牲にならなった!!」
「勇二さん、あまり自分を責めないで下さい……」
「菊水の言う通りだ。勇二、お前だけの責任じゃねーよ。俺もだ。」
「それを言うなら私もだよ。」
「私もです……」
梢は救急箱の探しながらのGUYコツの事、ドラゴンや化け物の事を皆に話すべきかを考えていた。
梢自身、GUYコツを見逃してしまった手前、話す事を躊躇していたのだ。
本当であれば皆を守ってくれた存在である。
でも言わないと、誤解されたままになってしまう。
梢が口を開きかけた瞬間、5人の様子を伺っていたメイドのミュエが話に入ってきた。
「でもさ。良かったよねー。」
「何が?」
薫の少し苛立つような返しにリュエは嗜めるような顔でミュエを見た。
しまったと言った顔をしながらもミュエは話を続けた。
「あっ……だってさ、皆さんは無事だったんだから。タマキキャットさんが、皆さんを連れ帰ったきて、本当にびっくりしたよー!!わたしも良かったーって思ったし!!!」
「そう言われると不思議ですね……」
「玉置、何があったのか?」
梢はピクッと身体を震わせると、振り向いて返事をする。
「何も知らないよ。あたしも知らない。うん、そう。気がついたら皆が倒れてたから頑張った運んだんだよ。」
咄嗟に嘘を吐いた。
少し罪悪感をおぼえつつ、GUYコツ達の印象を聞いてみることにした。
「ねぇ……骨の怪人さん達は本当に悪い人達だったのかな?」
「玉置正気か?街を消した奴らだぞ?」
「あー……うん、そうだよね……」
「もっと力があれば良かったんでしょうか……」
歴はボソリと呟く。
誰も返答はないが内心では答えが出ていた。
そう力さえあれば……
少し気まずい沈黙の後……勇二は口を開く。
「僕は怪人全部、この手で倒す!僕を生かした事を後悔させてやる!」
目を鈍く光らせて、勇二は決意を言葉にする。
☆☆☆
GUYコツと只野博士が出ていき、残った面々は落ち着きを取り戻していた。
「博士が出て行ってしまった……」
落ち込むライ雷オンは上の空でただ椅子に座っていた。
話は拗れに拗れている。
「建設的な話をしようじゃないか。今後は怪人協会はどうするんだ?」
口を開いたのはスラッシュだった。
「ライ雷オン殿。お前さんの意見はどうだ?」
現在、怪人協会を各支部による個別の組織化で運営派と今まで通り、ライ雷オンを中心にまとめるネオ怪人協会として運営していく派の二つに分断されている。
「別にあの博士が居なくなったっていいでしょ?ずっと、ライ雷オンが一人でやってきたようなもんだし。」
フェーンはライ雷オンが組織にネオ怪人協会派の意見をいう。
「そうですな。寧ろ思いつきで邪魔をする厄介者が消えたと考えればいいですな。」
アンザイもフェーンの意見をサポートするような発言をする。
「組織も肥大化していた。我は今こそ組織整理も兼ねて各支部がそれぞれ別個で動けば良いと思うがな。それぞれに違う目的や目論見もあるだろう。」
スラッシュは各支部の個別組織化の意見を言う。
「そうですね……では、各支部長に判断を任せます……もしも、ネオ怪人協会に入ると言う方は、明日、この部屋に来てください。来ない場合は、各支部が各個別組織として独立したとしましょう……すみません……気分が優れないので、色々なことは明日また決めましょう……私はお先に失礼します。」
ライ雷オンは会議室を出ると、自室に戻り、言いようのない悲しみを感じた。
今まで博士とともに最強の怪人を目指していた。
そのつもりであった。
博士の目的は最強の怪人にあらず……
私よりもGUYコツという怪人を選んだのか。
ウォォォォオオオオオ
けむくじゃらの怪人は一人まくらに顔を伏せた。
博士がいなければ死んでいたであろうこの命。
この命すらかけるには値しないと……
その事実だけが理解できた。
悲しみの中で一つの結論を得た。
まずはGUYコツを殺す。それが一番だ。
博士の目的が達成できずに、また自身を右腕として使ってくれるだろう。
そうだ。それがいい。眼光の奥底で燃える闘志に憎悪を乗せてライ雷オンはGUYコツを殺すための算段をつけ始めた。




