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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
イクラシティ決戦
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報告会

 吸血鬼の館に一泊の宿を借りた。

 俺たちはキャットシー、スルメン、テッペキンも起きて、朝食を取っていた。


「にゃー!そんにゃことがあったのかー!」


 吸血鬼の館にいる理由を説明すると、キャットシーからそんな返事が帰ってきた。


「あぁ、お前らが倒れてから色々ありすぎたよ。」


 リンドウが乱入して、次元統合獣(カオス・ビースト)と呼ばれた空飛ぶ化け物が乱入してきて、ドラゴンって名乗る奴がやってきた。


「……よくそんな状況から無事に帰還できたな。」

「それな。」


 最初にビットマンjrに太刀打ちできなかった姿からはその感想が出ても仕方ない。


「GUYコツの兄貴は強いんだか弱いんだかよくわからんですね。」

「司はヒーローだから守るものがあると強いんですわ!たぶん……」


 テッペキンの疑問にアレグラが自信なさげに答えてくれる。


「俺の力のムラはなんだろうな……」


 俺自身、力の制御が出来ない事に不思議な気持ちを感じていた。


「……これからどうすんだ?」

「そうだな。俺はこれから怪人協会に報告しにいくよ。リンドウの事も伝えないといけないしな。」

「あたい達は何すれば良いにゃー?」

「一緒に怪人協会に行くか?」


 四人は顔を見合わせて、ひそひそと会話をし始める。


「幹部一人が死んだって報告したら、のこのこ戻って俺たちの責任問題になりますよね?」

「……そもそも、イクラシティが消えた事を報告出来るのか?」

「どう考えても面倒ごとに巻きまれそうにゃー」

「もう少し休息が必要って事でここに居ましょう!」


 何やら話が終わり俺を見ると同時に回答をする。

「「「「(あたい)(わたくし)はもう少し休息を取って行く(にやー)(行きます(わ))」」」」


「お、おう。そうか。」


「司?わたくし達はここに居ますから、何かあればお呼びくださいな」


 出発前に、アレグラは電話番号の書かれた紙を俺に手渡してくれた。


 ☆☆☆


 で!


 俺は今、4日前に立って居た怪人協会の会議室も前に一人で立っていた。


 ふぅ……


 緊張しつつ、そっとドアに手をかけて開く。


 先に座っていた怪人協会の幹部達はあの時と同じような雰囲気で佇んでいた。新たに入室した者に興味ない様子で席に座り資料を見ている。

 リンドウの座っていた場所を見ると、誰も居ない。

 嫌でも意識してしまう。もしかしたら帰っているのかもしれないと思ったが、それは俺の空想に終わった。


 しかし、前にいなかった只野博士がこの場に居たことが気づいた。


「お待ちしてましたよ。GUYコツ君、自席についてください。」


 ライ雷オンに促されて俺は席に着いた。


「それではGUYコツ君、イクラシティの件、報告をお願いします。」


 ……


 俺は事の顛末を話し、リンドウが消えた事を報告した。


 報告を終えた後、少しの静寂の後、少年の声が響く。


「はぁ……なんだよー。ドラゴンの奴来たんじゃん!ライ雷オンの嘘つきー!勿体なことしたなぁ……やっぱり、僕が行けば良かった。」


 第二支部の支部長フェーンが文句を垂れる。


「フェーン様がお手を煩わせる必要は無いですよ!」


 太った男、第五支部の支部長、アンザイがフェーンをフォローする。


「でもさ。今回の任務、第六のあの雑魚じゃ力不足だったんでしょう?」

「カッカッカッ。あのいきりたった態度も餓鬼なら、強さもお子ちゃま程度だったんでしょうなぁ。」


「お前らっ!!」

「おっ?殺る気かな?」


 フェーンは椅子から降りて、人差し指を立てて俺を挑発する。


「フェーン君、GUYコツ君、じゃれ合いはその辺で……」


 ライ雷オンが俺たちの小競り合いを仲裁する。


「すまん。」

「元々、ライ雷オンの調査不足でしょー。」

「いえ、そこは本当にすみません。まさか、タラコシティと同じ状況になるとは。」


 ライ雷オンの顔が曇り手で顔を隠した。


「はぁ……博士、すみません。今回の作戦は失敗です。リンドウ君と言う貴重な戦力を失ってしまいました。」


 しかし、只野博士は笑う。


「何がおかしいんだよ!!」


 俺は怒り交じりに博士に言った。

「フォッフォッフォッ!いや何、今回、主がイクラシティに行ったと聞き、儂はヒヤヒヤしておったんじゃ。しかし、GUYコツ、やはり主は最高じゃ!|まさか初見で次元統合獣カオス・ビーストを退けるかっ!!!」

「博士?その言い方だと博士は今回のようになる事を予見されていたんですか?」


 ライ雷オンが博士に疑問を投げかける。


「儂が把握していたのは次元統合獣(カオス・ビースト)の出現する位置と場所だけじゃよ。」

「つまり、イクラシティ襲撃作戦に不安因子が混じることが予見できていたと言うことですか?」

「そうじゃ。そもそも、あの作戦は次元統合獣(カオス・ビースト)の被害を減らすためのものじゃ。言っておらんかったか?」


 その時、会議室の空気が変わった。


「なぜ、そんな重要な事を先に言ってくれなかったのです?」

「それはな……認識する者が増えると次元統合獣(カオス・ビースト)のレベルが上がるからじゃ。それに、怪人は次元統合獣(カオス・ビースト)に絶対勝てない。ならば、事前に情報を伝えるい 意味は無かろう。奴らはヒーローの力を持たないとまず攻撃すら通らない。このことはライ雷オン、お主も……いや……そうじゃったな。」


 博士な悲しげな様子で俯くと、顔を上げる。


「とにかく、GUYコツの成果は儂の想像を上回った!やはり、そうじゃ。これからは次元統合獣(カオス・ビースト)対策で色々と忙しくなるぞ!」


 一人盛り上がる博士にライ雷オンが口を挟む?


「博士、まずはリンドウ君の行方を捜しませんか……」

「リンドウ?あぁ、怪人はもう必要ない。」

「博士!!必要ないとはどういうことですか!?」

「そう熱くなるな。」

「我ら、怪人協会の目的は最強の怪人を作り、怪人の世界を作ることでは無いんですか!?」


 少し悩んだ後、は 博士は言葉を続ける。

「そうか……そうじゃったな……怪人協会はその目的で作ったんだったな。……ライ雷オンよ。いつからズレ出したのか。最初から儂の目的は世界を守ることだけじゃ。最強の怪人は必要ない。今日限りで怪人協会は終わりじゃ。」

「博士!!!何故、突然そんな事を言うんですか?」

「何故じゃと?ライ雷オンよ。ふむ、そうじゃな。怪人では次元統合獣(カオス・ビースト)には絶対勝てん。だからじゃ。しかしGUYコツなら勝てる可能性がある。ならその1%に全部を注ぐの悪いものではないじゃろう。」

「今迄の我々の働きは何だったんですか?」

「……世界のためじゃった。行くぞ、GUYコツ!!」


 それだけ呟くと博士は俺の手を引き会議室を後にした。


「おっおい!」


 その時、目に入ったのは狼狽えるライ雷オンと博士の行動に興味のない表情を浮かべてこちらを見る支部長たちの顔だった。

 イクラシティの報告会は中度半端な形で終わった。


「フォッフォッフォッ!これから忙しくなるぞ!!」


 ☆☆☆


 怪人協会から出て行く時に2人の子供に出会った。

 憎しみを宿した目で俺を見つめる。

「なんで!?なんで!?リン兄さんが犠牲にならなきゃいけなかったの!!!」

「お前が!お前が無能なせいで!リンドウの兄貴は!!!」


 突然現れた二人に俺は聞く。


「君たちは?」

「俺たちはリンドウ兄貴の舎弟だ!ずっと兄貴に世話になってたんだよ!!!」

「返してよ!リン兄さんを返してよ!!」


何を言っていいかわからず、謝罪の言葉が口から出ていた。


「すまん……」


「謝んなよ!!テメェはぜってぇ赦さねぇ!!お前が真面目にやってれば、こんなことにはなってなかったんだ!!!」

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