vs ビットマンjr
皆、作戦通りにうまくやってくれたようだ。
目論み通り、ヒーローの戦力を分断させることに成功できた。
この作戦の一番の目的は戦力の分断し、各個撃破する事だ。
恐らく梢の友達なんだろう。チーム戦になると俺たちは間違いなく不利だ。俺たちはまだチームプレイを訓練していない。
ならばこそ、怪人の力なら1対1で戦う方が勝機はあるだろうと思っての作戦だった。
が、一つ大きな誤算があったことを俺は認めざるを得ない。
目の前のヒーローから子供とは思えない迫力を感じる。怪人たちがヒーローの存在を恐れる理由が垣間見えた。
怪人は常人離れした力を持つが、ヒーローもまた同様に常人離れしているのか……
そう思わざるを得ない程、目の前の少年に、強さを肌で感じる事になった……
相対し様子を伺う俺に少年は口を開く。
「僕はビットマンjr、ビットマンの名を継いだヒーローだ!骨の怪人!覚えておけ!お前を倒すヒーローの名前だ!」
少年はファイティングポーズを取り、戦闘体制に入る。
「……俺は怪人協会第7支部の支部長、S級怪人の屍怪人GUYコツだ。仲間の手前、そう簡単にはやられんさ。」
俺もファイティングポーズを取り、相手に威嚇をする。
「怪人協会……?それに支部長……S級怪人……!?」
目の前にヒーローに動揺が見られる。俺はその瞬間を逃さない。
「行くぞ!!少年ヒーロー!!」
狼狽する相手の懐に飛び込もうと、身を屈めて直線でダッシュする。
その動作に反応して、ビットマンjrの周りを浮遊体は俺めがけてレーザーを発射する。
眩い閃光が俺の視界を塞ぐ。しかし、先にいるビットマンjrを目指して足を止める事なく先に進む。
ドン!
ビットマンに辿り着き、俺は拳を振りかぶり、ビットマンjr目掛けて放つ。
「やめっ……――うわぁぁぁぁ―――」
少年は頭を抑えて身を守る。
だが、遅い!俺の拳は既に間合いだ!
「骨、パンチ!!!!!」
叫びながらボディーに渾身の一撃を……
―――
「痛ッッ!!!」
叫んだのは俺の方。まるで鉄の塊を殴った時のような痛みが俺の拳を襲う。
殴られた相手はキョトンとした顔で俺を見て、一言呟く。
「えっ!?弱っ……」
どうやら俺の渾身のパンチはまるで効かなかったらしい……
「こっちの番だ!」
ビットマンjrは少年とは思えぬ力で俺を締め上げる。俺は見事に捕まってしまった……
はぁ……
ため息を吐きながら、俺は地べたに倒れこんだ。
☆☆☆☆☆☆☆
「S級怪人って案外、大した事ないんだなぁ……」
ビットマンjrは俺を縛り上げた後、パンパンと手を叩かながら感想を言う。俺に聞こえるように挑発も入っているのだろう。
ヒーローがこんなに強いとは思わなかった……皆は無事だといいが……
身動きが取れないほどにガチガチに縛られてしまった俺は仲間を思いながら、不甲斐なさを感じつつ、時が過ぎるのをただただ待っていた。




