病室にて
「〜〜」
「〜〜」
凹凹マンの病室前に着いた。中から何やら話し声が聞こえる。
こっそり中を伺うと、スーツ姿の女性ーー先の会議で一言も発さずに参加していた気がする。名前は……なんだっけ?
その女が凹凹マンと話をしているようだ。
部屋を覗く俺に気がついたのか、凹凹マンが声を掛けてくれる。
「あっ!GUYコツさん、来てくれたんですか!嬉しいなぁ。」
その言葉に反応し、スーツの女はこちらを睨みつける。
「じゃあね、ボコ。変な奴もきたし私、帰るね。」
そういうと椅子から立ち上がり、凹凹マンに気さくな感じで別れ告げる。
敵意なようなものを俺に向けながら、俺と入れ替わりに病室の出口に着くと半身を見せながら、凹凹マンに何やら忠告のような物をしていく。
「またね!あの話は忘れないでよ。」
凹凹マンは苦笑いをしながら、「うん、また!」、そう言い手を振り女に挨拶をする。
「へー、凹凹マンも隅に置けないな。ボコって可愛い感じのニックネームじゃねーか。」
「あっ、GUYコツさん変な想像してるでしょ?彼女とは腐れ縁なだけですから。」
「そっか。まぁ詳しくは今度聞かせてくれな。」
ハハハと苦笑いをしながら、凹凹マンは話題をかえる。「自分の事は置いといて、そんな事より聞きましたよ。イクラシティに行くんですってね?良いなぁ……自分はドクターストップですよ……自分もイクラシティ行きたかったです。」
「あぁ、さっき来てた人から聞いたのか。はぁ……いきなりすぎるよな……」
「3日も猶予があるので、まだ良かったと思いますよ。自分がショッカーの時は当日作戦決行みたいな事も多々ありましたし……怪人協会の入会試験みたいに突然、集まって暴れてねー。みたいな?」
「それは……苦労してるんだなぁ」
「まぁ、ショッカーなんてそんなもんですよ。」
「あっ、スルメンさんやキャットシーさんあたりに一報入れておいて、旅の支度はした方が良いかもですね。確か距離ありますよね?」
「半日くらい掛かるってよ。まぁ夕方に出て夜着く感じになれば良いかなって。明日はイクラシティを見学しながら襲撃プランでも考えるよ。」
「本当に良いなぁ。楽しそう……自分は行けないのが本当に悲しいです……」
「気にすんなよ。お土産買ってくるよ。」
「楽しみにしてます。」
「身体、大事にな!また報告にくるよ。」
「GUYコツさんの支部の活躍楽しみにしてます!」
凹凹マンへの挨拶を済ませ、席を立ち上がったときに1つ思い出した事があったので聞いてみた。
「あっ、そうだ!俺、凹凹マンに聞きたいことがあったんだ。」
凹凹マンは顔に疑問符の浮かべながら「何ですか?」と聞き返す。
「そうそう、ドラゴンって居るのか?なんか凄いファンダジー感のある生物なんだけど、俺も見てみたいんだよ!」
「ふぁんたじーかん?何ですかそれ?まぁ、良いですけど。怪人達がドラゴンって言えば奴だと思います。現在、一番強いヒーローと言われてる幻想騎士ドラゴンライダーですね。武器を一振りするだけで10万もの怪人を倒したとかなんとかって伝説がありまして、間違いなく最強のヒーローですよ。出会ったら即逃げることをお勧めします。」
「ヒーローなのか」
「知らなかったんですか!?でも奴に会いたいとかやっぱりGUYコツさんも相当イかれてますね。流石S級怪人……奴と戦いとか言うのS級怪人くらいですよ……」
俺は苦虫を潰したような顔で乾いた笑い声と共に誤魔化した。
改めて凹凹マンに別れを告げ怪人協会の研究所を去ることにした。
そういえば今日はあの博士は見てないな……
怪人協会の事とか説明するって話だったんじゃなかったっけ?
まっいっか。
いきなり特大な仕事を振られたので、帰路につきながら、第7支部の皆にイクラシティ襲撃の件をメールで伝えた。




