イクラシティ襲撃作戦会議
ライ雷オンが説明を始めてから3時間、リンドウはイビキを立てて寝てしまっている。
爆睡かよ……ただ、退屈な話を休憩も入れずぶっ通しで聞いていたら睡魔も来るよなと思う。欠伸も多くなり、俺の体も眠れと警報を出してきているようだ……
「リンドウ君、GUYコツ君、起きてください!!!」話が止まりライ雷オンの注意が飛んでくる。
「アァ!?」目を覚ましたばかりでリンドウは乱暴な返事をする。
「私の話を聞いていましたか?」
「結局、イクラシティに有力なヒーロー様は1人しか居ないんだろ?なら、別にそいつをタイマンで潰せば良いだけじゃネェか?」
そうなのだ。俺もそれは思っていた。
イクラシティは東側にある海に面した観光地であり、ヒーローの教育をほとんど行っておらず、怪人の脅威から身を守るための手段を殆ど持ち合わせていない。
イクラシティの治安を警察組織で賄っており、ヒーローで脅威となりそうなのはサーモンというヒーローランキング20位の奴がいるだけという事である。
しかし、地理的な問題やヒーロー・怪人のどちらにもつかず完全な中立都市となっているため、街を襲う怪人は殆ど居ない状況であるとの事だ。
この話は最初の10分で終わってしまった。この話を聞いてリンドウの奴は睡眠を取り始めた……
その後、ライ雷オンはつらつらと作戦の細かい人員配置などを話していた。
「リンドウ君の支部の面々にも色々と役割を作って成長を……」
「アァ、その事だけどヨォ。チームで連れて行けるのは2人だけだぞ。」
「どういうことですか?」
「そら、ツレ達は3日後にイクラシティに辿り着けネェって話よ。アンザイの野郎からの頼みで反対の西側で遠方任務中なんだよ。」
「アンザイ殿から?そんな事、私に報告来てないですが?」
「そうなのか?ライ雷オンの旦那への報告について俺はしらネェ。アンザイの野郎の持ってきた依頼は簡単で報酬も良かったから引き受けたんだよ。」
「各支部での細かい活動については私への報告は必要ないですし、口も出しませんけど……ただ、そういう大切な事は先の会議中にでも言ってくださいよ……リンドウ君の支部の面々も作戦に入れてしまってますよ。」
「ヤベェ案件なら言ってたさ。こっちに降ってくんのは見えてしヨ、でもイクラシティだろ?あそこは強いヒーローの噂も聞かねえ。サーモンなんてヒーロー聞いた事すらネェぞ。」
「そうではありますが……観光地故にどんなヒーローが来てるかは分からないのですので、油断は禁物ですよ。」
「はいはい、なんであんな辺境の観光地を襲撃するんかネェ……」
「博士の意向なので、申し訳ないですが私も分かりません……」
「まぁいいか。おい新入り、役割と時間だけきちっと決めとこうや。管制室を抑えるのは俺らの仕事。この新入り支部は適当に街で暴れて注意を引くのご仕事。襲撃は13時に行う。お前らの騒ぎが大きくなったら俺らが管制室に向かう。決めんのはこれでいいだろ。」
なんとも投げやりな態度だったので俺は口を出す。
「おいおい、そんな適当で万一の事があったらどうすんだよ……」
「適当もクソもネェだろ。あと、俺は最初に言ったよな?テメェの面倒はみネェ。万一の事があったらそら、お前の責任だろうが。」
「いや、どの位注意を引くのかとか、強いヒーローがいた場合の対処法とか、もうちょっと細かいところを色々決めとかないと駄目じゃないか?」
「アァ!?そんなの俺が知るかよ。テメェらで決まりゃいいだろ?」
「はぁ……適当過ぎる……」
「適当じゃなくて、ここであーだこうだと話したって意味ネェ事だろう?あと、テメェも支部のトップなら自分で考えるだけの脳みそをつけろよ。やりたくネェ、やらネェってんならそう言えば良いじゃねーか!?」
「誰もやらないとは言って無いだ「はい、二人ともそこまでです!」
ライ雷オンは俺の言葉を遮るように割り込んで来た。
「私の方で色々と作戦を考えていましたが、リンドウ君の支部の面々が動けないとの事ですので、細かい動きはそれぞれの支部にお任せする形にさせて貰おうと思います。ですので、注意を引く係は人数の多いGUYコツ君の支部に、街の中央の掌握はリンドウ君の支部にお任せします。GUYコツ君もリンドウ君も現場判断で撤退して下さい。緊急で何かあれば私まで連絡を下さい。そのほかに何か確認事項ありますか?」
「確認だけどヨ。ライ雷オンの旦那、雑魚戦闘員はどの位使えんだ?」
「現在集まっている有志は5人です……」
「少なネェな……なら全員、俺らのチームで貰うって事で宜しくな。」
「まぁ、管制室抑えるにはある程度の人数が必要ですからね……しょうがないですよね。GUYコツ君の支部にはショッカーの派遣が出来ませんがご容赦下さい。」
話がどんどん進んでいく。俺は傍聴するだけだった。
「えー、こちらの情報不足でお二人にはご迷惑おかけしました。作戦らしい作戦は無いですが各々の無事を祈ります。ではイクラシティ襲撃の成功を祈ります。」
ライ雷オンにそう締めくくられて会議は終了した。
リンドウは「ハァ……やれやれ、やっと終わったな。早速、イクラシティにでもアソビに行くか。」っとそう言うとリンドウは足早に部屋を出て行った。
「ライ雷オンは大変だな……なんだよ、あの面子。濃すぎるだろ。」
「はぁ……そうですね……GUYコツ君にも負担お掛けします。」
「疲れた……俺は凹凹マンに挨拶して帰るよ。」
「GUYコツ君、イクラシティまで最低、半日は使うので、出来れば早めに出て貰った方が良いですね。」
「結構遠いのな……ありがとうライ雷オン。」
ライ雷オンに別れを告げイクラシティまでの道のりを聞き、俺も会議室を後にした。




