再戦に備えて
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GUYコツが夢の世界に迷い込んでいる間。
戦いが一度終結を迎えていた。
大技を放ったライ雷オンは、崩壊した場所の辺りをぐるりと見まわしていた。
≪地を這う無限の雷蛇≫ によって、GUYコツが隠れていそうな場所一帯を破壊しつくしたにも関わらず、ライ雷オンはGUYコツの死体を見つけることはできなかった。
「GUYコツの奴は一体どこに? 逃げた? ≪雷蛇≫に巻き込まれて消滅した? いや――」
ライ雷オンに慢心はない。
逃亡も消滅も可能性は低いことと予測するのはたやすい。
(私に五つ目の技を出させたのだ。それに――只野博士が認めた男だ。奴の確実な死を目で見るまでは戦いは終わっていないとみるべきだな。奴は必ず私の前に再び来る。ならば――)
一時の休戦となることが分かったとたん、溜まっていた疲れがどっと体から溢れてくるのを感じる。
大技の連発に思ったよりも疲労は蓄積されていたのだ。
「うむ。方針は決まった。奴が来るまでに力を蓄えておこう。」
ライ雷オンは使ったエネルギーを回収するために、この場を去ろうとしたとき一人の怪人に見られている事が分かった。
満身創痍な状態でライ雷オンを見つめている。
何かを抗議したいような雰囲気すら感じがするが特に何を言うわけでもない。
ただ黙っている。
それは取るに足らない存在。興味すら沸きもしない。
ライ雷オンは一瞥だけしてその場を立ち去った。
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獲物を探し歩いているライ雷オンの元に軽やかな動きでフェーンが寄ってきた。
「ライ雷オン、おっ疲れー。」
フェーンはいつもの調子で挨拶を交わしてきた。
「フェーン君ですか。君はどこに居たのですか?」
学園を襲撃してから、ずっと姿が見えなかった者が急に姿を現したのだ。
ライ雷オンの言葉にはその事を指摘するニュアンスも含まれている。
「あはは。僕は遠くから見学させてもらってたよ。」
答えをはぐらかすように、笑い混じり応じた。
「色々やるものよいですが、協会の幹部なら自らが率先して――」
「はいはい。」
フェーンは聞き流すように相槌を打った後、話を変えるように先ほどの戦いの話を切り出した。
「それしても、君がたった一人の怪人を相手に派手にやったねー。」
「いやまだ終わってません。奴は必ず私の元に来ますよ。」
「ふぅん。」
「久しぶりに五つ目の技まで使いました。それで、奴が戻ってくる前に栄養補給でもしとこうと考えているわけですよ。私も鈍ったものですね。戦いから身を置きすぎてしまっていました。」
ライ雷オンはやれやれとした調子で話すが、外から見ると疲れているとは到底思えないほど平然としている。
「栄養補給……ならさ、良い場所があるよ。この学校の生徒達がどこに隠れているか興味ない?」
フェーンはにやりと笑いながら言った。
「ほう。それは良い餌になりそうですね。」
それに応じるようにライ雷オンも笑う。




