技の積み重ね
リボーンが消えた。
ライ雷オンはゆったりした動きで、顔を動かしてあたりを探る。
誰かがこの場にいれば聞けたかもしれない。
しかし、この場に見える限りの怪人達は身体を地面に突っ伏したまま、ピクピクとしているだけだ。
リボーンの行方を見ていたものは見当たらない。
この状況は先に自身が放った技により、引き起こした事だ。
不要だからと怪人達を麻痺させたのは失敗作だった。ライ雷オンはそう思った。
今日は行動が裏目に出ることが多い。
ふぅ。
ライ雷オンは大きねため息を吐き出した。
それは技を使った事により、若干の疲れを払うだけでなく、冷静になる為に気を落ちつける目的でもあった。
数分前の事だ。
天より地表に繰り出した大技がリボーンの盾により防がれた。盾は破壊できず、消えるまで待つしかなかった。かなりの強度を持つ盾だ。長い間は維持ができるものではないものであったのは明白だったからだ。
予想通り、数分で盾は消えた。
だが、盾が消えるまで、地表の様子が見えなくなっていたうちに逃走を図られてしまったのだ。
無論、見えなくなっていたのは、数分程度だ。そこまで遠くへ行けるはずなどありもしない。
≪死を予告する咆哮≫
≪敵を穿つ双爪≫
≪活動を止める雷号の翼≫
≪天より降り注ぐ破壊の肉≫
繰り出してきた必殺の技。
5つ目。
≪地を這う無限の雷蛇≫
地面を抉り、地表を荒らす雷の獣。
ライ雷オンは、己の身体に纏う雷を右腕に集め始めた。
ーーー
ーー
ー
「ライ雷オン殿にGUYコツが逃げた場所を教えなくて良いのですか?」
「うーん。」
戦いを少し離れた場所からゼクスとフェーンは談笑を続けていた。
二人の側にはライ雷オンの技によって身体を痺れたキュエも横たわっている。ライ雷オンの攻撃の余波がここまで届いたのは違いない。
「まっ、ライ雷オンなら大丈夫でしょ。それよりゼクス、君は中々やるんだねぇ。」
実力のない者であれば、距離があるとはいえライ雷オンの攻撃で麻痺をしていた筈だ。側には横たわるキュエが何よりもそれを示している。
しかし、ゼクスは平然としている。
「はっはっは。これでも、プレインズ-セブンの一員。それなりの実力や能力はありますよぉ。」
「そっか。」
どこか食えない男だ。と、フェーンは思った。
だが、今、フェーンの関心はそこにはない。
「ゼクス、僕はね。GUYコツには少し期待をしても良いかなって思い始めてるんだよ。よくも、今まで生き残っている。ライ雷オンにどこまで食い下がるか。それをもうちょっと見てみたいんだ。」




