vs 百獣怪人 万雷のライ雷オン part5
いつまでも休んではいられない。
リビーンにもそれは分かっているが、体の震えが止まらない。何もしていないのに寒気が体を襲う。
こんな事態は怪人の体を得てから初めてだった。
今の状態は、重い風邪を引いた時に近い。
「なんだ……体が可笑しいぞ……」
無理に立ち上がろうにも、立ち眩みによって直ぐに体が座り込んでしまった。
まるで立ち上がることを体が拒否しているようだ。
「どうした……動けよ……俺の体……早く……早く……」
逸る気持ちから自分を追い込む言葉が自然に出てくる。
だがそんな言葉も意味はない。
この状況が好転する魔法が使える訳ではないのだから。
(……やばっ……)
体調の悪さからくる防衛本能。睡魔がリボーンを襲い、リボーンが危機を感じた。
何とか目を見開らこうとした。
しかし、想いとは裏腹に本能が勝手にリボーンの視界を暗く染めた。
一度閉じた視界は開くことはない。まるで一度閉じた瞼が接着剤で固定されたかのような状態だ。
「――」
ただ、ヒーローは静かにその場で静かに落ちていった。
―――
――
―
この時、リボーンは体も精神も既に限界を迎えようとしていた。
怪人からヒーローに、この変化はリボーンの肉体と精神にダメージを蓄積させていた。
怪人からヒーローの変化は事例はない。そのため、どのような変化が起きるかを知る者はいない。そして、自分に体に起きている変化に気が付ける物はいない。
リボーンは自分に蓄積していたダメージに気づかなかったのは必然である。
加えて、変身した時に自然に使えるようになった《正義》の名を冠する技を連発していた。
《正義》の技を使用した時に反動が大きいことはリボーンも身をもって知っていたが、使わざるを得ない戦いが多かったのだ。
《正義》の技は、異なる世界に存在する神器にアクセスする力を持つ。
無理やり異世界の扉を開き世界を歪ませる力。そんな力を使った代償が肉体のダメージだけで済むはずもない。
内部の精神にも少しづつそれが溜まり続けている。
その反動が、この瞬間にやってきた。
リボーンの閉じた意識は人と怪人とヒーローの間で混濁し始めた。




