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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
決戦 vs ネオ怪人協会
193/214

vs 百獣怪人 ライ雷オン part14

 今の状況を冷静に考えている余裕はない。

 身体がねじ切れるのではないかのではないかと思うほどの腕力で掴まれている。


 叫びをあげたところで状況が好転するわけでもない。

 痛みで涙あふれてきた。

 どうにかしようと体をねじった時に視界の隅にリボーンを心配そうに見つめる梢の姿が目に入る。

 何故かメイドのような恰好をしているようだ。

 そんな、梢の周囲を怪人達が取り囲み始めている。

 とても危ない状況なのは一目瞭然だった。

 

 それでも、梢はリボーンから見つめている。

 リボーンにはその視線には期待や希望が詰まっているように見えた。


 ギリィ……

 身動きが取れない状況。

 

「じゃ、正義(ジャスティス・)(ハンマー)!!!!」


 それは、リボーンの持つ技の一つ。無理な態勢で強引に巨大な槌を召喚した。

 GUYコツより上空に召喚された槌は重力に沿って地面に落下する。


 地面に触れた瞬間。地面が大きく揺れた。

 転変地位すら引き起こす強力な力だ。


 さらなる振動は、空間を大きく揺さぶった。粉塵が周囲を覆い隠してしまったのだ。

 ライ雷オンは揺れる地面に足元を取れらて態勢が大きく崩した。

 それは同時にリボーンの拘束を緩めることになる。


 掴まれた手を引き離し、ライ雷オンから距離を取り、梢の周囲を囲んでいた怪人達を蹴散らしながら梢の元にかけていく。


「梢! 大丈夫だったか?」


 リボーンは梢に声をかける。

 梢は小さくなりながら、涙を浮かべてこくりと頷いた。


「ここから離れろ。戦場になる。」


「ううん。きっと大丈夫。だってリボーンさんはあたしが一番信用しているヒーローだもん!」


 そういって笑顔を見せてくれたことに安心する。

 と同時に、絶対に守ってやらなきゃいけないのだと心にきめるのだった。

 安全な場所はないが、学生と共にいた方が安全と判断したリボーンは、梢を担ぐと、学生の近くに移動した。


☆☆☆


 梢を送った後、学生たちも非常に危険な状態であることが分かった。

 瓦礫の隙間使って、うまく身を隠していたのだ。

 そして、倒れたSUMOライダーの介抱などを行ってくれていた。


「あのね。リボーンさん。こんな事をお願いするのは、申し訳ないんだけど……」


 リボーンは黙って耳を傾けている。


「私たちの学校を怪人から守ってください。」


 梢はペコリと深くお辞儀をした。

 学生達の一部からは「怪人に任せて良いのかよ」と心配そうな声が上がる。


「大丈夫だよ。赤いマフラーをつけたリボーンさんは誰よりもヒーローなんだから。」


(赤いマフラー……)


 リボーンは自分の首に巻いている赤いマフラーを優しく触れた。

 これはGUYコツのヒーローとしての矜持(トレードマーク)

 梢に褒められて嫌な気はしない。


(レットやアンザイの戦いではできなかった変身ができたのか。)


 ――無意識下で、GUYコツは戦う理由を失っていた。

 戦う理由として、レットのように恩人の仇討ちや、アンザイのように自分の欲のためというのは非常に分かりやすい。

 対してGUYコツが戦う理由は一体何か? 実はないのだ。

 何かを成したいという欲や誰かの仇討ちも、GUYコツにはないものだ。

 確かに誰かを守れるくらい強くなりたいとは思っている。だが、その内容すら具体的な目的はない。

 それはGUYコツが、小宮司という一人の人間の性格や育ってきた環境に起因しているものだ。

 司は、なんでも器用にこなせるタイプだったのだ。

 そんな人間が、自分の好きな事は否定され、人生設計が勝手に落ちてくる場所で育てば、何に対しても熱意を持つことはなくなるだろう。

 GUYコツが怪人として中途半端なのは、自分に忠実な欲がないという事に起因し、人と違う怪人の価値観に慣れてきたことによって戦う理由を失ってしまっていたのだった。

 

 今、リボーンの瞳には守るべきもの達がしっかりと映っている。


 そしてGUYコツは自分の弱さは良く理解している。


(頼れる力があるならば、それは最大限使わせてもらう。)


 リボーンは拳を突き上げた。


「ライ雷オン!!! 俺は奴を倒す!!」

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