vs 百獣怪人 ライ雷オン part13
突然、戦場に出てきた梢の叫びはその場にいた、怪人、捕らえられていた学生や先生、それらの全員の視線を一気に集めるほどだった。
それほどの、この戦場に相応しくないことであった。
怪人達は突然現れた少女が玉置梢だと理解するやいなや、沸き上がった感情は、悦である。
それは新しいおもちゃを与えられた子供が残酷に扱うような、何かを壊すことで得られる感情だ。
それ以上に、ライ雷オンの暴走に近い破壊行為によって怪人達にもうっぷんがたまっていたのだ。
このうっぷんを何かに発散させたい。
そんな欲が怪人達の中にあったのである。
怪人達の視線は梢にとって決して良いものではない。
自分を見つめる怪人達の眼は薄汚れているものだと梢は感じていた。
しかし、玉置梢の行動は、捕らえられていた学生や先生に一縷の希望となっていたのだ。
この状況で助けを求めて一歩を踏み出すことに、どれほどの勇気が必要だったというのか。
学生達は体育館に捕らえられていて、既に怪人の恐怖は嫌というほどわかっている。
タマキキャットが怪人と戦うことを放棄し、怪人に完全降伏をした時の失望。
しかし、再びこうして目の前に現れた希望となったのだ。
突然、現れた玉置梢という存在は確かにこの場でヒーローになった。
一瞬の静寂の後、まるで新しい獲物の登場を喜ぶかのように、怪人達は湧き出し始める。
それを遠目で見ていたフェーンは嗤う。
「ありゃりゃ~タマキキャットちゃんは何を考えているのさ。ここで見てれば安全だったのにね。怪人達のど真ん中に立つなんて、命を捨てるようなものだよ。今変身も碌にできないんでしょ。」
「それでも飛び出さずにはいられなかったのでしょう。彼女はヒーローなのだから。 ……そして、これからどうなるかは、それに呼応できるヒーローがどうなるかですかねぇ。」
ゼクスはフェーンに説明しながらも、その光景を冷たい瞳で観察していた。
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(こずえの助けを求める声がする? 俺は一体……)
玉置梢の声によって目を覚ましたGUYコツに真っ先にやってきたものは、体の節々から激痛だった。
たまらず叫びをあげるほどの痛みだ。
まるでバラバラにされるかのような感覚。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」
GUYコツの叫びは玉置梢を襲おうとしていた怪人達も黙らせるほどだった。




