vs 百獣怪人 ライ雷オン part9
迫りくる敵を前にSUMOライダーは恐怖のあまり目を閉じてしまった。
これから起きるであろうことを想像してしまったのだ。あまりの凄惨な未来を直視できなかったのだ。
しかし、恐れていた事は一向にやってこない。
――
恐る恐る目を開く。
SUMOライダーの目の前に、首元に目立つ赤いマフラーを靡かせた、白骨の体が敵の腕を掴み上げて敵の動きを止めながら自分の前に佇んでいたのだ。
「あんた……どうして?」
それは先ほどまで後方で倒れていたGUYコツがそこに居た。敵の腕掴みを動きを止めている。
SUMOライダーの言葉にGUYコツの反応はなかった。
しかし、敵の動きも止まったままだった。
何が起きているかをSUMOライダーに知る術ない。
ライ雷オンの動きが止まった理由は簡単だ。突然現れてGUYコツに腕を掴まれて動かすことができないのだ。
そして、目の前に立つGUYコツの様子にただただ驚いていた。
明らかにGUYコツに椅子はなく、光のない目は、黒く穴が空いているだけだ。
なのに、突然自分の目の前に現れた。
何が動力になっているのか。その力の根源は、ライ雷オンには想像もできるはずもない。
意識ないにも関わらず自分の前に立つ姿に一抹の恐怖すら感じていた。
ライ雷オンはただ起きた事象から、現状を理解しようとしていた。
「貴様ァ……」
その声には若干の怒りが込められている。
睨みを効かせ、腕を振り払おうとするが、一切動く事はない。
単純な力勝負なら、ライ雷オンは誰にも負けるはずがないと自負していたのだ。
それはこれまでも、これからもだった。
しかし、今はその剛力すら通じない相手に相対したのだ。
「クソっ!! これならどうだ!?」
ライ雷オンは体を無理やり捻り込み、自身の巨体をGUYコツの体もろとも、地面に叩きつけた。
地面の砕ける音が鳴り響き衝撃が体育館全体を揺らした。
老朽化が進んでいない建物ですら、その衝撃に耐える事はできない。
ライ雷オンが衝撃の後、一瞬、静かになった。
まるでこの後に起きる事を溜めるかのようだ。
ーードンッ!!
何かが起きる音を皮切りにそれは雪崩のように連鎖していく。
「ヤバい! ここが崩れる!?」
そう、誰かが叫んだ。
その声でその場に居た全員が顔をあげると天から瓦礫が落ち始めた。




