vs 百獣怪人 ライ雷オン part6
部下かと思っていたフードで顔を隠した白いスーツから突然の攻撃で不意を突かれたライ雷オンはそのまま組付された状態になってしまった。
がっちりと絡め取られてしまい動きが取れない。
力で抑え込むというよりもきっちりとした技によって固められてしまっているようだ。
しかし、この相手はライ雷オンと圧倒的な力の差があったため、ライ雷オンにダメージはない。
組つかれて動けない状況で、ライ雷オンは、突然現れたこの第三者について冷静に考えていた。
フードから見えた白いスーツ。
幼いながらも女性と思わせるシルエット。
その特徴は――
「貴様……そうでしたね。この学園にはもう一人ヒーローが残っていましたか。SUMOライダー君、でしたか?」
その解答は直ぐに出てきた。
「へぇ、よく調べてるのね。」
この学園を襲撃するときに、フェーンより情報を得ていたのだ。
障害になりそうなヒーローの存在。
しかし、一番の難敵であるタマキキャットすら苦も無く取り押さえることができた、
所詮は中学生のヒーローだ。対した障害になる訳でもなく、邪魔をしてきても圧倒的な戦力差を見せつけることで怖気づくだろうと予想していた。
そのため、いちいち特別に排除することなく学生を一緒くたにして扱っていたのだ。
しかし、まさか、このタイミングで出てきたことにライ雷オン自身の計画の甘さを認めざるを得ないかった。
「先ほど私がお仲間の青いヒーローを一瞬で屠ったのに、よく出てきたものです。」
ライ雷オンは知らないかった。
SUMOライダー、花村薫は体育館にとらわれておらず、ずっと外で様子を伺っていたのだという事を。
薫は先ほどのライ雷オンの攻撃によって辺りを吹き飛ばし怪人達が騒ぎだしたため、その騒ぎに紛れて体育館の中に侵入をしたのだ。
勿論ビートブルー、陽平がどうなったのか知る由もない。
「青いヒーロー…… あんた、ビートブルーに何かした訳?」
ぎりぎりと力を込められていく。
「見ていなかったのですか?」
「えぇ、生憎ね。中から嫌な怪人の気配がしてたから、ずっと体育館に入れなかったわ。ようやく騒がしくなったと思ったら、GUYコツとあんたが戦っているじゃない。こんなにめちゃくちゃにして、本当にどういうつもりなのよ。あんたもGUYコツも絶対に許さないんだから。」
しかし、言葉ではそう言いつつもSUMOライダーは焦っていた。
関節を押さえ、相手は動きが取れなくさせたところで、勝負は決まる。
捕らえるという事が目的であれば、動けなくさせて終わる事で良いのだが、今は、状況が状況だ。
この怪人の御かげで多くの怪人達に怪我人が出て騒がしくしているが、無事な怪人も当然うようよとしている。落ち着くを取り戻して、SUMOライダーの存在に気が付けば直ぐに引きはがされてしまうだろう。
早く、ライ雷オンを落としてしまいたかった。
そのため、力を込めているのだが――
(全然、効いていない……)
もしも常人に対してこの技をかけたならば、関節を外すどころか引きちぎるほどの力を込めている。
それが平然とSUMOライダーに話しかける余裕すら見受られる。
この硬直状態もいつまで続くかわからない。




