vs 百獣怪人 ライ雷オン part3
GUYコツは、次の攻撃に備えて構える。
「ほぅ。やっとやる気になったか? だが……気持ちだけで強くなれるなら苦労はしない。」
ライ雷オンがふっと笑った。
構えるGUYコツに冷笑を向けて、首や指をぽきぽきと鳴らす。
その動きはゆったりと動いているように見える。
「ライ雷オン様~、そんな奴早くぶっ殺せ!」
「隙だらけなのに攻撃もしないのかw」
五月蠅い野次は、今の動きのない状況でも過熱している。
しかし、対峙していない者にはわからないだろう。
GUYコツが構えるだけに留まっているのは、ライ雷オンに一切の隙が見えないからだ。
仰々しい動きも罠に見えてしまう。
飛び込んだら、その場で八つ裂きになってもおかしくない。
嫌な緊張と野次による精神の消耗は想像以上だ。まだ数分も経っていないのに、数時間はこうしているようだ。
「ふむ。流石に、無策に飛び込んでくるほど弱くはないな。 安易に飛び込んでくるかと思ったら、その分別はつくらしい。GUYコツ、私は君を少し舐めていたようだ。」
ライ雷オンはふぅと大きく息を吐き出すと、その場で体を丸め始めた。
その姿を大きく変えていく、筋骨隆々の大男がみるみると肉によって閉じ込められいく。
完全にライ雷オンが消えそこに残ったのは、完全に丸まり筋が浮かぶ小さな肉の弾丸へと変貌した姿だった。
「何をしてやがる……?」
GUYコツが思わずそう呟いてしまうほどの姿だった。
自身の体を一か所に圧縮したのだ。
そんなことをするライ雷オンの狙いはわからない。
しかし、GUYコツが狙うは攻撃時にできる隙にカウンターを入れる事だ。
より集中して、攻撃に備えた。握る拳には力がこもる。
「簡単に壊れてくれるなよ?」
GUYコツの耳にその台詞が聞こえた直後、肉の弾丸の先端がGUYコツに向いた。
――刹那
気が付いたら、床に倒れてぽっかりと大穴の空いた天井を見ていた。
「何が起きた?」
BANG!
――何かが破裂する音が遅れてやってきた。
いつの間にかGUYコツの肩が撃ち抜かれていた。
圧縮され高密度となった肉の弾丸は、空気抵抗を無視し、極限に近い速度でGUYコツを貫通したのだ。
音速を超える速度での攻撃は衝撃破を生み出しGUYコツの体を真横に吹っ飛ばした。
言葉を発する時間もないほどの瞬間の出来事。
回避やカウンターといった次元の話ではない。
こんな攻撃を何度も食らってはいられない。GUYコツは飛び起きて敵を探す。
直後唇をかみしめる。
凄惨な光景がGUYコツに視界に入ったからだ。
GUYコツとライ雷オンの戦いを見ていた野次馬たちが騒いでいた。その理由は明白だ。
そう、先の肉の弾丸が撃ち抜いたのはGUYコツだけでなかった。
取り囲んでいた怪人達すらも巻き込んでいたのだ。
先ほどGUYコツが立っていた場所の後ろにいた怪人達が肉片となり、転がっていた。




