vs 百獣怪人 ライ雷オン
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プレインズ-セブンとの最終決戦。
そう、私はそこに向かったーーそれから?
いや、そもそも博士との出会いは?
私は元々怪人で……どうなってしまったのだ?
先ほど見ていたのは自分の中に存在しない記憶。
そんな朧げな記憶は靄の中にかき消されてしまう。
「一体なんだったのだろう。」
誰に向ける訳でもなく、ライ雷オンはボソリと呟いた。
目の前に立ちながらまるで虚空を見つめるライ雷オンにGUYコツは声をかけた。
「ライ雷オン! どうした!?」
GUYコツによばれて、ハッと我にかえる。
目の前のこいつは博士を連れ去った悪。
叩きのめして博士を迎え入れればならない。
ライ雷オンは吠えた。
「貴様は……博士は何処だ? 私たちにはやるべき事がある。何故、邪魔をする? 貴様の愚行は、我らが目的を破壊している。」
「やる事? それはこんなに沢山の子供を犠牲にしてまでやる事なのか? 何人の人を犠牲にしている!」
GUYコツの正論など、この場では無意味である事は百も承知だった。それでも言わずにはいられない。
しかし、まるで興味がないといった感じで返された。
「どうせ貴様には分からんよ。」
ライ雷オンはふっと小さな笑いを零し、息を飲み込む。
そして続けて脅すように太い声で威圧して来た。
「そんな事よりも、今自分が一番置かれている立場を考えたらどうだろうか? 頭が悪いのか?」
「そんな事だと?」
この無茶苦茶な襲撃により傷ついた人の数は変わらない。
それは学校に通う生徒だけじゃない。
GUYコツを倒すために戦いに向かってきた怪人達またダメージを受けている。
今、非力で無力であったとしても、心で負けたらダメだ。
GUYコツはそう直感していた。
周りを怪人に、敵に囲われてなお、GUYコツは真っ直ぐにライ雷オンを睨みつける。
「だが、お前は運が良い……」
「運が良いだと?」
「貴様は私自ら引導を渡してやろう。他の者には一切手を出させない。」
ライ雷オンは自信が着ていたヒラヒラのマントを脱ぎ捨てた。
マントは異常な速度で地面に落下し床に穴をあける。
何キログラムーーいや、何トンあったのだろうか?
力を誇示するようにわざとらしくやった行動だ。
GUYコツは構えようとした。
しかし、思っただけで終わった。次の瞬間にライ雷オンは肉薄し、GUYコツの顎にアッパーを食らわせていた。
「んなっ」
早いだけじゃない。
その攻撃はGUYコツの脳を大きく揺さぶる。
靄がかった視界で地面と天がぐるぐると回る。
脳が揺れてるだけじゃない。本当に体が吹き飛ばされてしまっているのだ。
湧き上がる歓声すらGUYコツの耳には遠くに聞こえていた。




