裏切りの理由
「ライ雷オン……」
GUYコツがライ雷オンと最後に話しをしてからそんなに時間は経っていないはずだが随分と懐かしく感じた。
思えば、GUYコツが怪人になり右も左もわからない状態の時に、いろいろと引っ張りまわしてくれたものだ。
良くも悪くも、GUYコツが怪人としてここにいるのはライ雷オンがいたからだ。
しかし、今のライ雷オンの顔を見て以前のような関係に戻るのは無理だという事を悟る。
「ライ雷オン、どうしてこんな事をやったんだ? 関係ない学校を襲うなんて……」
GUYコツは、責めたてるような言い方にならないように言葉を選び質問をする。
「貴様の目的は何なのだ? どうして怪人協会を裏切った? 只野博士を誑かし、怪人協会を内部から破壊した後に姿を眩ませてのは何故だ? これから何を企んでいるんだ?」
しかし、問い詰めるような質問ばかりを投げかけられただけで、GUYコツの問に対しては答えが返ってこない。
GUYコツは気を落ち着かせてやれやれと頭を振るう。
文句を言ったところで改善するわけがない。自分が先に答えないと話は平行線だろう。
GUYコツは呼吸を整えてから口を開いた。
「……俺は、俺たちは世界を守ろうとしている。そのために次元統合獣ってやつらを倒さなきゃいけないんだ。怪人協会が崩壊したのは、意図していた訳じゃない。隠れていたのはお前ら新しいネオ怪人協会の奴らが何度も襲撃してくるからだ。だから身を隠していた。」
「GUYコツ、今貴様は自分の置かれている状況が分かっているのか? ふざけた回答ができる状況じゃない事くらいは理解できるだろう? 子供の方がまともな理由を返してくるぞ。」
「俺は至って真面目だよ。」
「世界を守る? 次元統合獣? 今考えた言い訳か?」
失笑気味にGUYコツを見下しながら、ライ雷オンは笑う。
ライ雷オンの笑いに呼応するかのように、周囲を取り囲む怪人達も大きな声で馬鹿にするように笑い始める。
GUYコツは一切の反応はしない。
「どうした? もっと真っ当な言い訳を考える時間が欲しいのか? まぁ―――」
ライ雷オンが言葉を言い方かけた時にGUYコツはぽつりと呟いた。
「ライ雷オンは博士から聞いてないのか?」
「只野博士から、だと? どういう事だ?」
「次元統合獣の話は俺が博士から聞いた話だからだよ。別に俺の作り話じゃない。」
ライ雷オンはその時、ふと思い出した。
博士の考えを聞いても『後で分かる日がくる。』と言われるだけだったのだ。
ライ雷オンは実はよく知らない。いや、かつては知っていたはずだったのだ……
☆☆☆
「最強の怪人を作る。それが博士が怪人協会を作った目的だった。」




