vs 契約怪人 離反のアンザイ Part4
「お前は足を痛め、俺には一切のダメージも与えられない。そんな絶望的な状況を前で虚勢を張るのは愚かな事なんだな。謝罪の一つでもあれば許してやろうの思っていたが、お前はここで潰すんだな。」
アンザイは立ち上がるとゆっくりと近づいてくる。
にこやかな笑みを浮かべているが、目は笑っていない。
GUYコツの目の前に立ったアンザイののシルエットはさっきほどよりも大きくなっていた。アンザイの影がGUYコツを覆い尽くす。
「体が大きくなったり、小さくなったり、忙しい奴だ。成長期か?」
アンザイの身体が伸張するのは何かの決まりがあるはずだ。
直感というよりも願望に近い。
ルールが有れば、それの裏をつける。
GUYコツはそこに勝機を見出しそうとしていた。
しかし、ゆっくりと考えている時間はない。
アンザイの姿はもう目と鼻の先だ。
「ふふっ、軽口を言えるとはまだ希望があるといった顔をしてるんだな。俺を醜悪だと罵るのは、被害者ぶることしかできない奴らの常套句なんだな。全く期待していたのに、残念なんだな。」
GUYコツの目の前に立ったアンザイは体を捻った。
そのまま右手を薙ぎ払うように平手を繰り出してきた。今やアンザイの手のサイズでさえ、GUYコツの身体を飲み込む程だ。
まともに攻撃を受けたらひとたまりもない。
避けようと身体を動かそうとした時に足に激痛が走った。
先ほど受けた攻撃のダメージだ。
回避は難しい。ならば――
GUYコツは回避を捨てて身体を身構えた。
同時にアンザイの張り手がGUYコツに勢いよく炸裂する。
凄まじい衝撃がGUYコツを襲った。
回転により目まぐるしく天地が移う。
GUYコツは壁を突き破り隣の部屋に吹き飛ばされてしまった。
「痛っ……」
体中の至ると所から感じる痛みにGUYコツは立ち上がることはできない。
「GUYコツ、寝ている暇なんて無いんだな?」
目の前にアンザイが近づいていることは分かる。
しかし、体が言うことを聞かない。
アンザイの攻撃は終わらない。倒れているGUYコツを掴み握りしめる。
「お前はここで終わりなんだな。」
掴む力が強くなっていき、GUYコツの骨が軋みバキバキと潰れていく。
苦し紛れに手の平をひっかくも感触がない。顔を殴った時と同じだ。まるですり抜けているようだ。
アンザイの手の中で潰されるのを待つしかない。
GUYコツは奥歯を噛みしめた。レットやオレンシとの戦いからそうだ。
自分の力が無いことに無力感を感じていた。




