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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
決戦 vs ネオ怪人協会
163/214

三角屋根のついた白い家

「なんか不思議な場所……」


 あたりをきょろきょろとさせながら、この空間の様子を伺っていた凪が呟いた。


「そうだな。」


 GUYコツからも自然に相槌が出てしまう。

 凪が使った不思議という表現には色々な意味が込められていることがGUYコツにはわかる。

 童話に出てくるような青い空。不思議な形をした雲。見たこともない形をした花。

 夢に出てくるようなファンタジーな世界だ。


「ここが変にゃ場所って言うのはわかるけどー、まずは休める場所を探さにゃいか? 地べたに座るのはちょっと落ち着かにゃいわー。」


 キャットシーの提案もあり、凸de子の作った空間をGUYコツ達は休める場所を探して探索を始める。


「それはいいな。」


 GUYコツはゆっくりと立ち上がり、体を伸ばした。

 学園は今怪人に支配されてしまったためか暗く空気も淀んでいた。

 それに比べるとここの自然は心地が言い。

 それはGUYコツ以外も同じなのだろう。

 皆も同じように立ち上がると深呼吸をしてこの空気を吸い込み始めた。


「それじゃ探索スタートだな。」


 しばらく歩くと、GUYコツ達はぽつんと立つ小さな三角の赤い屋根のついた白い家を見つけた。

 ファンタジーの空間にある現代チックな外観は逆に異様な存在にも映る。


「あそこで休めそうじゃないか?」

「あたい、見てくるにゃ!」


 キャットシーが家の向かって走り出して、その周囲を色々と確認しだす。

 ある程度、探し終えた後腕で大きな〇印を作り、問題ないことをアピールしたのを見て、GUYコツ達も白い家に向かっていく。

 こじんまりとした家屋に入るために玄関の扉を開ける。

 鍵はかかっておらず、そのまま中に入ることができた。


「キャットシー、人の気配するか?」

「いいや、まったくしにゃいよー。誰も居にゃいんじゃにゃいかにゃ?」


 GUYコツも誰かの気配を感じることはない。


「ちょっと見てみるか。」


 よくある普通の家という言い方が正しいのかわからないが、家の中は、外とは違いファンタジーの要素ない場所だった。まるで、この家自体が別の場所から来たのではないかと思わせる。

 あまりに普通の家だったためか、凪は「お邪魔します。」と声をかけたり、家に上がるときも靴を脱いだりと他人の家に上がるような行動をしていた。

 見た目に反して、この少女は礼儀はしっかりしているようだとGUYコツは関心してしまった。


 家の中には下駄箱やボックス収納など生活感のあるものが多数存在していた。

 GUYコツは凸de子が住む場所なのだろうと予想する。

 家の中を慎重に進んでいくとリビングが見えた。

 そこには生活するための家具――ふかふかのソファーやテーブルは、ひとまず寛ぐためには十分だろう。


「ここで休ませてもらうか。」


 もしも凸de子がここを生活に利用しているならば、探索しすぎるもの悪い気がしたからだ。


 外ではどうなっているだろうか?


 凹凹マンや凸de子の思惑が怪人達にばれていたら。

 もしも、次に表に出た時に、アンザイやフェーンといきなり戦うことになったら。

 もしも、無数の怪人達に取り囲まれていたら。


(いや、ライ雷オンの目の前ということもあり得るか?)


 ふぅ……


 GUYコツはため息とともに緊張を吐き出した。

 考えれば考えるほど危うい策だったように思う。


「むつかしい顔してどうしたにゃ?」


 そういってキャットシーは水の注がれたグラスを差し出してくる。

 GUYコツは「さんきゅー」といって数口を飲んでから、はっとしたようにキャットシーに向き直った。


「大丈夫かにゃ?」

「おう、うまい水だ。 ……ん? お前、この水どうしたの?」


「適当に冷蔵庫から引っ張ってきたにゃ。」


 悪びれる様子もなくぬけぬけと水を飲みながらキャットシーも言う。


「ここは凸de子の家かも知れないのに勝手に。」 

「でも、毒は盛られてにゃいみたいだしへーき。へーき。」


「毒……お前、俺を毒見に使ったな。」


 ペロリと舌を出してキャットシーは「まぁ、あんまり気負いしすぎるんじゃにゃいよー。」っといい、GUYコツから離れていく。

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