そして戦争が始まる
突然現れたヒーローもライ雷オンの前では何も出来ずに敗れてしまった。
それも圧倒的な戦力さを見せつけて。
そんな光景を見ていたためか、檻は壊れたにも関わらず、その中に囚われていた者は誰一人逃げようとしない。
ライ雷オンはおとなしくしている生徒たちを一瞥すると、興味のなさそうにそっぽを向いて離れた位置にある元々ライ雷オンが立っていた場所に向かって歩き出していく。
ライ雷オンは壇上に置かれた椅子に深く座り、大きな声を上げる。
「皆の者!」
その声は体育館全体に響く。
「集合せよ!」
怪人達は自分の持ち場を離れて列を作り出す。
それは、今朝生徒たちがやっていた全校集会のようだ。
並んでいるのは異形の姿をした者達。
ライ雷オンは檄を飛ばした後に、こう締めくくる。
「そろそろGUYコツの捜索を始めましょう! さぁ、皆の者! GUYコツを捕らえるため、死力を尽くしてください!」
その話を聞いていた怪人達は各々の判断によって学校の中に入っていった。
***
話はGUYコツたちに戻ってくる。
凹凹マンから語られた事を聞いていたGUYコツはふぅとため息を吐き出した。
「っと、そんな一悶着があってから、怪人全員にGUYコツさんを探す命令がでたわけです。」
GUYコツにつられるようにふぅと息を吐いて、一仕事した感を出して凹凹マンは椅子に座った。
「……陽平やミュエは無事なのか?」
「ヒーローと有翼人の子だよ。」
「……あぁ、自分はわからないですね。」
断言した凹凹マンは凸de子を見る。
すると凸de子はその視線に気が付いたのか。
こくりと小さくうなずいて口を開く。
「詳しくはわからないけど、フェーンちゃんに捕まったら無事ではないかもね。見た目は生意気な子供だけど、本性は終わってるから酷い目に合ってるかも。」
凸は手をひらひらさせながら答えた。
「なら、助けに行かないとだな。」
GUYコツの意見に反対の意見を述べたのはキャットシーだった。
「ちょいちょい。GUYコツやること間違えちゃダメでしょー? あにゃたがやらにゃいといけないのは、ライ雷オンをぶっ飛ばすことでしょー。その子を助けに行ってる余裕はにゃいって。」
「でも放置はできないだろ。フェーンがやばいなら、俺は助けに行く。」
「ちょっと待ってください! GUYコツさんにそんなことできるんですか? ライ雷オンさんとフェーンは、共に強力な怪人です! 誰かを助けに行って力を使い果たしましたとか笑えないですよ。GUYコツさんには全力でライ雷オンさんと戦ってほしいです。」
「じゃあ、陽平やミュエの事はほっとけっていうのか?」
「自分としてはそれで問題ないんですけど。」
「嫌だね。俺はあいつらを助けに行くよ。」
「はぁ~、GUYコツは変にゃところで頑固だねー。そもそもどこにいるのか分からんにゃいのに、どうするのー? どっちにしろ、あにゃたはライ雷オンのところに行った方がいいと思うわ。」
あきれ顔をしながら、キャットシーは言う。
「ですね。今の状況は非常にまずいということを理解してください。」




