表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
カズノコ学園の死闘!!
138/214

vs 兄妹怪人 烈火のザ・レット Part2

 目の前の怪人はGUYコツを見下しながら告げた後、再び攻撃の準備をするために構えた。

 ピリピリとした殺気から次の行動を予測するのは容易だ。

 トドメを刺さんとGUYコツに向かい飛び込んでくるだろう。


(なんだ、アイツの異常な速さは……)


 相手の足元で煙を噴き出す黒いブレーキ痕が、この攻撃が時間を止めるといった何らかの特殊能力ではない事を示しているようだった。


(能力でも技でもなんでもなくて、ただ速いだけなのか……? 対策はどうする?)


 怪人の動きをGUYコツの目では追うことすらできていない。

 GUYコツは相手の見えない攻撃に焦燥感を感じながら、ヨロヨロと立ち上がる。


(……やばいな。 攻め込まれる前に、何か対策を考えないと一方的にやられるだけだ。なんとか時間を稼がないと……こいつがリンドウの部下って言うなら……)


 GUYコツはふと咄嗟に思い浮かんだ言葉を口にだす。


「なぁ、君。名前くらい教えてくれてもいいじゃないか? 俺は君の名前を知らない。」


 その言葉を聞いて、怪人はピタリと動きを止めた。


「そうだな。 確かにテメェに名乗って無かったな。」


(狙い通り! リンドウの奴も根は真面目な奴だったからな。そいつの部下ならもしやと思ったが、止まってくれた。自己紹介でもしてくれれば少しくらい時間が出来るな。)


 しかし、怪人は自己紹介を始めるわけでもなく、口元を押さえて考えこんでしまった。


(な、なんだ? 何を考えてる? だが、どうやらチャンスが出来たようだ。あれほどの速さが、恐らくコントロールは効いていないだろう。曲がったり、飛んだりはせずに真っすぐ突っ込んできているはずだ。そう仮定するなら――)


「うん。兄ィならムカつく野郎にも自己紹介はするだろう。」


 怪人は大きく頷く。


「俺は、レット。烈火のザ・レットだ。テメェに殺された兄ィの後を継ぎ、ネオ怪人協会で幹部、張らせてもらってる(もん)だよ。テメェを殺す者の名だ冥途の土産に持っていけ。」

「レット。その名前、覚えておこう。」

「はん。あの世で兄ィに会ったら言っとけ。レットにやられたってなぁ!!!!」


 レットは体を大きく屈めた。

 攻撃の体制に移る用意はできたようだ。

 口角を上げて、脚に力を込めているのか、徐々にレットの周囲の床にヒビが入り始める。

 次の瞬間、姿が消えた。


 GUYコツはレットが消えた瞬間。

 既に視覚ではとらえられない事はわかっていた。


「ならば!!! これだ!!! ≪骨拳≫!!」


 地面に向かい大きく拳を下ろす。

 その渾身の力を込めた技の衝撃により、GUYコツの目の床が崩れる。


「なっ!!!!」


 レットの驚愕の声がした。

 GUYコツの読み通り、コントロールが効かなかったののだろう、崩れゆく床の上には体勢を崩し姿が見えたレットがいた。

 ガラガラと大きな音を立てながら、床の破片と一緒に下の階層に落ちていく。


 床には大きな穴が開いている。

 GUYコツも下の階層に向かうべき崩れた床穴に飛び込んだ。

 

 そこには床片にまみれ傷だけになったレットがいた。

 落ちた場所が悪かったのか足には破片が突き刺さり、真っ赤な血の池を作っている。

 GUYコツを見て、興奮したのかレットは声を荒げた。


「クソ卑怯モンがぁ!!! 正面から戦え!!!」

「おいおい、そんな傷だらけの体でまだやるってのか? その脚じゃ、さっきの速さも出ないだろう。悪いが俺は先に進まなきゃいけない。そこで大人しくしててくれ。」

「あぁん!?」


 レットはふらふらになりながらも立ち上がり構える。

 そして、GUYコツに向かい突撃をしてきた。

 ただし、その動きのさっきまでの勢いはない。

 見える攻撃をかわすのは容易だ。

 

 身を翻して、逆にカウンターパンチを腹に喰らわせる。


「ぐはぁ。テメェ……」

「聞きたい事がある。今、この学園で何が起きている? お前たちは一体何が狙いだ?」


 GUYコツは弱っているレットから今起きている事を聞きたかったのだ。

 状況が理解できないことには対応も難しい。


 レットを追い詰めて尋問を始めようとしたその時、一人の少女がやってくる。

 怪人協会を去った日に、レットと一緒に居た子だ。


「馬鹿レット!!!! 勝手に動きまわんないでよ!!!! 凄く探したじゃん!!!!」


 頬を膨らませている少女から触手が伸びてGUYコツに向かい攻撃をしてきた。


 その攻撃は遅い、避けることは簡単だった。

 GUYコツが避けても触手は動き続けていく。

 警戒していると、触手がレットの身体に触れる。

 瞬間、レットの体が緑色に発行して、傷がどんどん癒えていく。


「回復!? んなのありか!?」


 GUYコツの叫びももっともである。さっきは不意打ちでレットの動きを止めただけで、実際にはレットの速さには対応できていないのだ。

 レットは起き上がる。

 発せられる怒気はGUYコツの背中から冷や汗が噴き出てくるほどだ。

 

「馬鹿レット。頭を冷やしなさいよ。そうやってかっかしてるから、怪我しちゃったんでしょう?」

「あぁ、悪りぃ。オレンシ……宿敵見つけて完全に頭に血ぃ登ってたぜぇ。」


 レットは自分の頬を思いっきり叩いた。


「うしっ! GUYコツ、ここからが本番だ! オレンシ、俺たちの力見せてやるぜぃ!」

「兄妹怪人 烈火のザ・レット。」

「兄妹怪人 凌治のジ・オレンシ。」

「「俺達は――私達は、ネオ怪人協会の二人で幹部だぜ!――なのよ!! 二人なら負けない。――負けないわよ。」」


 二人の息の合った重なる声が、GUYコツの耳に届いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ