vs 音響戦隊ビートレンジャー[ブルー]
「おいおい……マジ?」
ヒーローの姿に変身して拳を構える少年に、呆気にとられながら、怯んでしまう。
どうしたものかとじっと見ていると、
「どうした? 構えろよ。それとも、俺にビビってんのか?」
少年の挑発されてしまう。
「ビビってるだと、俺が? 少し驚いただけだ。ヒーローとは言え、子供相手にビビるなんて事、あるわけないだろう。」
しかし、その言葉とは裏腹にGUYコツの体から震えが止まらない。
思えば、ヒーローと対峙するのはこれで四度目。
タマキキャット、ビットマンJr、赤いヒーロー、そして今目の前にいる青いヒーロー。
「何か気に食わないところがあったなら謝る。」
大人の態度で何とかやり抜くこうとするも、
「あんたが怪人だからだ。ヒーローが戦う理由にそれ以外の理由は必要か?」
少年は好戦的な態度を崩さない。
GUYコツとビートブルーの間に火花が散る。それを止めたのはビートブルーの横にいた薫とだった。
「ちょっと、ビートブルー! 辞めなよ。」
ビートブルーの肩を薫が掴んで動きを止める。
「なんで、止めるんだよ!?」
「今回は戦いに来たわけじゃないのよ。」
「花村は何でそんなに平気なんだよ! イクラシティの事件も前の襲撃もこいつらの所為だって話だろ!!! 被害を受けた人達の、家族や友人が殺されて残された人の涙もそんなに軽くねーよ!!!!」
「……」
唇を噛みしめながら、肩を掴んでいた手をゆっくり放していく。
同意する思いがあったのだろう。
「あんたは、玉置を助けてくれたから、他の怪人達とは違うと思ってた。でも、他の人の事はどうでも良いんだな? 怪人が集まる組織とやらに属して、悪事を働く。そんな野郎はやっぱり俺がきっちりと成敗してやるぜ!」
「……」
GUYコツは言葉が出来なった。
他の人。
確かに、GUYコツには希薄になっていた事だった。
近しい人のためには力を振るってきたが、他の人達の事については想像できていなかったのは事実だ。
イクラシティへの襲撃を行った結果、どうなるかという想像をしていなかった。
確かにそこに住む人達に迷惑をかけるだけだと思っていた。
改めてそれに気が付かされて、GUYコツは落ち込む。
「陽平、待ちなさい。」
アレグラが攻める陽平を止める。
「司を攻撃するのはお門違いよ。そんなに悪事を働いていないわ。イクラシティの時も、人は攻撃するなとわたくし達に言っていたのよ?」
「あの事件で、何人の人が死んだと思ってるんだよ! 葬式で書かれた死者や行方不明者の数にどんだけ俺達が打ちのめされたのか! お前は、被害者たちに面と向かっているのか?」
「それは……」
「アレグラ、ヒーローの指摘はもっともだ。でも玉置を助けてくれたのも事実だ。俺にはできなかった事をやってくれた。だから、構えろ! 正々堂々と戦って打ちのめしてやる!!」
GUYコツは立ち上がり、ファイティングポーズを取った。
しかし、覇気はない。
「サウンドビートを始めるぜ。」
ギター型を取り出して、ジャンジャンとけたたましい音を部屋の中に鳴らす。
ビートブルーのギターから音波が目に映り、波うち始める。
次第に、衝撃波を形成してく。
「【ジャミングビート】!!」
衝撃波は、真っすぐにGUYコツに向かい飛んでくる。
ガードの不可の攻撃。まともに攻撃を受けたGUYコツは吹き飛ばされてしまう。
ドン!!!
壁にぶつかりその場に倒れ込む。
「司!!!」
アレグラが叫ぶ。
「グゥ……大丈夫。少年の言い分にも一理ある……俺は人に危害を加えないようにと心掛けていたが、その実、怪人協会のやり方には逆らわなかったからな……リンドウ、スラッシュ、シラセ。あいつらみたいな極悪な怪人と一緒に見れらても仕方ない。」
「まだだ! 更にビートを上げていくぜ!!!」
起き上がろうとするGUコツに向けてなんども音波の衝撃波をぶつけてきた。
色んな思いが詰まっているのだとGUYコツは思う。
既に、皮膚は裂けだし、白い本体が露わになってきている。
「あんたは反撃もしないのか?」
「まぁね……気づかされた。確かに俺には他人を思いやる気持ちってのが無かったかもしれない。これは罰みたいなもんだ。」
GUYコツは傷だらけになっても反撃をしてこない。
流石に一方的な暴力になってしまっている事にビートブルーも少しだけ罪悪感を感じている。
この目の前の怪人は本当に悪者なのか?
「ねぇ、ビートブルーもういいんじゃないかな?」
「ミュエもそう思うよ。それに、今日は戦いに来たわけじゃないんでしょ?」
薫とミュエにほだされて、ビートブルーも少しだけ、一方的すぎた気もしないでもなく感じ初めてしまう。
それによってビートビル―の攻撃の手が止まる。
「でもよ……」
そう言い方時、急に扉が開き、怒り心頭の白髪の老人が姿を見せたからだ。
戦闘を止めたのは、その老人の言葉だった。
「おい! おふざけなら外でやらんか。こんな狭い場所でバチバチしあう奴おるか!!! この、バカモン!!! 大事な次元探索装置が壊れてしまったではないか!!!?」
急に現れた博士はGUYコツを見て、悲鳴をあげて近寄る。
「おいおい! どうした怪我。折角、治してやったのにまた傷だけではないか?」
辺りを見渡して、何かを悟ったのか頷く。
「全く、お主は本当に馬鹿じゃのう。ヒーローの小童程度にこんなにやられて情けない。そんな調子でや次元統合獣と戦えるのか? それに、ネオ怪人協会とやらにも狙われておるのに、全く心配じゃわい。」
呆れた調子の博士の言葉を聞いていた薫がアレグラに聞く。
「あの人が、怪人協会から狙われている?ってどういうことなの?」
「司もわたくし達も怪人協会とは既に離脱してますのよ。どうも、イクラシティの襲撃で人を襲わなかったからって怪人達から非難轟々だったらしいですわ。なので、前の怪人騒動にはわたくし達全く無関係でしてよ。」
「そうなのね。ビートブルーも聞いたでしょ。」
「あぁ……。」
変身を解いて人の姿に戻った陽平が気まずそうしている。
「まだ完全に信じた訳じゃないけど……その話が本当なら確かにもう少し様子を見ることはしてやってもいいかもな。」




