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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
暗躍する影
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GUYコツとヒーローの卵

 アレグラに案内された部屋はベッドが置かれていた。

 そのうちの一つが盛り上がっている。

 薫は男臭の酷い部屋を払いながら、アレグラに続いて部屋に入った。

 後に陽平、ミュエと部屋に入る。

 三人が部屋に入った後でアレグラが盛り上がっているベッドに挨拶の言葉を投げた。


「司! ただいま戻りましたわ!」


 人の気配を感じて一人の男がベッドから顔を上げる。

 その人相は、タマキキャットを助けて人物だと直ぐにわかった。


「おう。アレグラか。随分遅かったな。」


 頭を掻きながらこちらに向けると、見知らぬ人物。

 薫、陽平、ミュエの存在に気が付き、顔に驚きの表情を変える。


「って、おい。アレグラ、そいつら……」


 GUYコツの声のトーンが少しだけ小さくなる。

 もしかしたら、この男には警戒されているのか?

 そんな予感が薫を警戒させる。


「誰だ? いや、どっかで見たことあるような……?」


 しかし続けて発せられた惚けたような声によって薫の緊張感を解けていってしまう。


「はぁ……なんなのよ。こいつ……」


 薫は安堵によって小さくため息を吐き出す。

 そんな薫を差し置いて、アレグラがGUYコツの質問にドヤ顔で答える。


「ふっふーん。この子達は、なんとヒーローなのよ!」

「ほー。」


 返ってきたのは淡白な反応。

 というよりも全く理解していないようだ。

 アレグラも少しだけ苦い顔をしている。


「司。この子達はヒーローなのよ?」

「あっ、アレグラちゃん、言い直した。」


 薫は茶々を入れたミュエの口を防ぐ。


「お馬鹿。一応、敵の基地なのよ。危険意識は持ちなさいよ。」


 しかし、そんなミュエと薫のやり取りを気にする様子もなく、GUYコツは布団の中から出てくる。


「ヒーロー? ヒーローごっこじゃなくて?」

「そうよ。」

「ふむふむ。」

「そして、この子たちはほら、イクラシティで戦った子たちなのよ。」

「あっ! 見たことあると思ったら。確か、梢の友達だよな。ほほう。」


(何やらこちらをまじまじと見てくる。)


「でも、そこの羽の生えた子は見たことないけど。」


(何、コイツ私らの事知ってるの?)


 自分の事を言われて、薫に拘束されていたミュエがバタバタと暴れだす。


「むぅ!!!」


 薫に口を抑えられていて声が出せないのだろう。

 もごもごと口を必死に動かしているが言葉が出せないようだ。


「その子はミュエって子よ。羽が綺麗でかわいいわ。それにとってもいい子よ。」

「紹介ありがとな。」


 アレグラの頭を撫でてから薫の方に向きなおす。

 目の前にいる男は、やはりあの骨の怪人なのだろうと薫は予感する。

 予感で終わってしまうのは、それは現在の状況と、梢を助けるためにちらっと映った顔に酷似している顔をしているからだ。

 そう今、この男の見た目は完全に人の物だ。


「どうも。」


 薫が訝し気な視線をGUYコツに送りながらジャブ程度に挨拶をする。


「おおう。警戒されてるなぁ……」


 GUYコツは頭をポリポリと掻きながら、困惑した顔を浮かべる。

 その後、肩を落としながら、惚けた声で自分の名前を話す。


「俺は、小宮司だ。よろしくな。」

「花村薫よ。あっちの男の子は立松陽平。この子はミュエよ。」

「そうか。よろしくな! ってそんな警戒しないでくれよ。」

「……貴方は骨の怪人なの?」

「あぁ。怪人名は屍怪人GUYコツって言うんだ。」

「そしてヒーローなのよね? あんたをタマキキャットが探していたわ。」

「梢が? やっぱり君らの知り合いなんだな。」

「えぇ。研究部の仲間よ。」

「今日は一緒じゃないのか?」

「タマキキャットに何の用かしら?」

「梢とはなんかちゃんと別れの挨拶出来てなかったし、居たらちゃんと話せたしよかったんだけどな。」

「今は勉強合宿に行ってるわ。」

「合宿……?」

「カテキョーカイって家庭教師の会社がやってるものらしいわ。それに参加してるのよ。」

「マジか……」

「どうしたの? 司?」

「カテキョーカイは怪人協会のフロント企業だから心配だなぁっと。」

「ちょっと何よ。怪人協会って物騒な名前?」


 少しだけ語気が上がったためか、GUYコツも驚きの表情を浮かべている。


「あー。怪人達が集まってる組織だよ。」

「そんな物騒な奴らが何やるのよ……」

「うーん。シラセみたいな強い怪人を集めていたり……イクラシティに襲撃したり……とか?」


 なぜ疑問形。

 って怪人がかなりヤバイ組織になってるって事?

 そんな事あり?

 シラセの奴の報復に来るんじゃないの?


 薫の頬から一滴の冷や汗が垂れる。

 すると、ここまで黙っていた陽平が口を開いた。


「おうおう。」


 怪人相手に何を言い出すのか。


「あんたは怪人でもいい奴なのかもしれないと少しだけ思っていたが、やっぱり怪人どもとずぶずぶな関係なんだな?」


 すると、陽平が横から声を上げる。


「ちょっ! 陽平!!」

「花村、黙ってろ! コイツの惚けた顔と他人事の説明口調で怒りがふつふつと湧いて止まらねーぜ!」


 陽平の言葉がより強くなる。


「あんたがイクラシティでやった事、俺は許してねーからな!『変身』!!!!」


 陽平は青いスーツのヒーロー、音響戦隊ビートレンジャー[ブルー]に変身をする。


「怪人! 戦え!!! お前をぶっ倒す!!!!」

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