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屍怪人 GUYコツの受難  作者: 恐竜列島
暗躍する影
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怪人のアジト

 ちぐはぐな三体の怪人達の後ろを歩きながら付いていく。

 薫と陽平はこそこそと内緒話をしていた。


「なぁ、やっぱ引き返そうぜ。」

「そうは言っても、アジトに案内してくれるって言ってるのに断る理由はないでしょ。」

「ミュエっちもいるしよ。危険には晒せんだろうよ。」


 陽平の視線の先にはミュエが居る。

 アレグラと何やら楽しそうに雑談をしながら歩いているようだ。


「何かあれば、陽平が守ってやればいいじゃん。あんた惚れてんでしょ?」

「!? ばっか! ミュエっちの事なんて、別にそんなんじゃねーって。」


 顔を赤くしながら、陽平は慌てて手を振り回す。

 照れ隠しなのだろう。

 大げさな反応をする陽平を見て出てきたのはため息だった。


「はぁ……あんたと言い、勇二と言いい恋愛事に弱すぎでしょ。反応がお子ちゃますぎるのよ。全く小学生かっての。」

「なんだよ! お前だって同じようなもんだろう!!」

「しー。馬鹿陽平。声が大きい。」


 陽平が声を荒げたため、皆の視線があつまる。


「……お前達にどんな罠が仕掛けられているのかも知らない癖に呑気な奴らだ。」

「罠だと! やっぱり! ミュエっち早く、そいつから離れるんだ!」


 スルメンの言葉に、陽平はアレグラを指差して、注意を促す。


「原ったら悪戯が過ぎるわ。子供が怖がっちゃうわ。罠なんてありませんのに。」

「こどっ……!」

「陽平君、大丈夫だよ! アレグラちゃんはいい子だよ?」


 ミュエにまで首を傾げられてしまい、陽平は顔を俯かせて小さくなっていく。


「花村ぁ……お前が変な事言うから……」

「ふっ、人の所為にしてるようじゃ、まだまだね。」


☆☆☆


 怪人達に案内されて、たどり着いた先は学校だった。


「まさか……?」


 こんな場所にアジトを作るなんて、見落としていたなら恥ずかしいレベルだ。

 この学校はよくヒーローに関係する物が集められていてる事くらい怪人なら知っていてもおかしくない。


 見慣れた校内を歩く。

 夜の学校は雰囲気があり、非常に不穏な空気が流れているようだ。


「アジトに着きましたわ。」


 B1-7会議室。今は使われていない物置部屋だ。

 幽霊が出るという噂が流れていたような気もする。

 今は誰も立ち寄らず、管理もされていない。


「ほら、入りましょう。」


 笑顔でアレグラが告げる。

 罠に警戒しつつ様子を見ながら部屋に入ると、どこにでもある教室が映る。

 何処にもアジトらしいものはなく、目立つところに熊の置物が置かれている。

 テッペキンが熊の置物に触れた。

 すると大きな機械音を立てながら、部屋に扉が現れる。


「マジで?」

「すごーい!」


 陽平と薫とミュエは、突然現れた扉に驚愕する。

 怪人達はその中に入り、アレグラがひょっこり顔をだして手招きをしながら、部屋に来るように促す。


「早く来なさいな。」


☆☆☆


 怪人のアジトには機械の山が置かれていた。

 白髪のお爺さんが画面を見ながら、何かの作業をしている。


「ただいま戻りましたわ。」


 アレグラの声に反応してお爺さんが作業をやめて、顔を向ける。


「フォフォフォ。随分とお前達、随分と遅い帰りじゃないか? GUYコツと猫が心配しとったぞ?」

「色々ありまして。」

「主にお嬢の買い物が原因ですけどね。」

「鉄男の買い食いが原因ですわ。」

「……どっちもだな。」


 全く知らない人がいる。


「あんたらもしかして誘拐を?」

「……あぁ、このジジイの事は気にするな。」

「んー? なんじゃい? そいつら? 新しい怪人でも拾ってきたのか? 部屋が手狭になっても知らんぞ?」

「博士、この子たちはヒーローですわよ?」

「なんと? ヒーローとな!? なんで連れてきたんじゃ?」

「司が元気になるかなーって思って。ですわ!」

「……一応、俺は止めたぞ。じゃ、俺は着替えてくる。暑くてたまらん。」

「あっ! スルメンずるいです。」


 スルメンとテッペキンは別の部屋に消えていく。


「なんか和気あいあいとしてるな。もっと怪人達って殺伐としてるもんだと思ってたぜ。」

「そうよね。」

「ミュエには怪人も人も違いが良くわからないよ……」


 怪人達の日常生活などヒーローは知らない。

 こういう生活をしてるならば人との違いは何だろうか?

 そんな疑問が薫の頭によぎる。

 しかし、怪人は人と違い悪い存在だ。

 それは絶対のルールなのだ。


「ミュエっち、怪人は悪い奴らだからね。そこは疑っちゃ駄目よ。」

「薫、悪い奴らなんて酷いわ。確かに凶悪な怪人も居ますけど、そういう怪人ばかリじゃないのですわ。ヒトにだって凶悪な方はいるでしょう? 怪人だから悪人とみなすのは賛成できかねますわ。」

「まぁ、お嬢ちゃん。人の言い分も当然じゃ。怪人は人とは根本が違う。交わらんもんはあるからのぅ。」

「そういうものなのですのね。わたくし少しだけ寂しいわ。」

「ミュエはアレグラちゃんとお友達になれると思うよ!」

「まぁ、それは嬉しいですわ!」


 手を叩きながら、


「騒がしいと思ったら、やっと帰って来たのかにゃー。」


 隣の部屋からできたのは猫の怪人。

 片手には一升瓶を持っており酒気を帯びているようだ。


「お酒、飲んでる!」

「にゃー? そいつらは誰ー?」

「新しくできたお友達ですわ。 ほら美衣子も挨拶して。」

「えー。めんどー。」


 美衣子と呼ばれた猫の怪人は、めんどくさいと言いながらも自己紹介をする。


「あたいは、化猫怪人キャットシー。お嬢ちゃんの事よろしくにゃー。あたいは酒だー! 買ってきてくれたんでしょー?」

「はいはい。そこの袋に入ってますわ。」

「ナイスジョブにゃー! にゃはは。」


 キャットシーは袋を開けて酒瓶を取り出して、意気揚々と部屋の外に出て行ってしまう。

 あっ、この怪人駄目なタイプだ。という感情が薫たちに芽生える。

 それを察してかアレグラがフォローを入れた。


「ごめんなさいね。美衣子はお酒が大好きなのですわ。」

「さぁ、司の所に行きましょ!」


 司、それが骨の怪人なのだろう。

 果たして、どんな奴なのだろうか。

 怪人の日常の姿を見て、薫は興味が湧いてきていた。


 アレグラと共に一つの部屋に移動する。

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