ヒーローマガジン
例の部屋で寝てから目が覚めると、自分のマンションに戻ってきていた。リビングに行き朝食の準備を始めようとすると、机の上に一冊の雑誌が置かれていた。
その雑誌を机の横の方に動かし、少し萎びたパンとコーヒーで朝食を取る。色々あったが、やっと日常に戻ってきた事を実感した。
朝食を取った後、特にやることもなかったのでコーヒーを飲みながら机の上に置いてあった雑誌に手を伸ばし中を見てみる。
どうやら、あのホテルでの一連の騒動で特集が組まれているようだ。
* * *
カズノコニューホテルに怪人襲撃!
◾︎ ビットマンJr、大活躍!!!
ビットマンの二世ヒーロー、怪人を初単独撃破。多くの民衆を救う。
カズノコニューホテル襲撃事件の解決に最も貢献したとしてヒーロー協会からの恩賞も授与された。
目元が隠れた緑を基調としてシャープな仮面をつけた背の小さい少年がピースしている写真が一枚載っている。
◾︎ 魔法少女タマキキャット、怪人に襲われ大負傷!
一般人男性に一方的な暴力行為を奮った凶悪な骨の怪人を追いかけた有名なヒーロー、魔法少女タマキキャットさんが人気のない路地裏で負傷し気絶している状態で発見された。
この事を重く見たヒーロー協会はこの骨の怪人に対して懸賞金1000万円をつけた。
◾︎ 新たな脅威、骨の怪人現る。
骨の怪人から酷い暴行を受けた被害者にインタビューを行った。
被害者インタビュー、骨の怪人に襲われた一般人
インタビュワー「骨の怪人に襲われたと聞きました。大丈夫でしたか?」
被害者男性「いやー、死ぬかと思いました。」
インタビュワー「それは大変でしたね。無事でなによりです。具体的にどんな事をやられたんでしょうか?」
被害者男性「肩を数回叩かれ、殺すぞという脅しと共に殴り殺されそうになりました。」
インタビュワー「それは、それは。怖い目に遭いましたね。本当に無事で良かったです。近頃、怪人の凶暴化が進んでいる噂へ本当なんですね。」
被害者男性「そう思います!やっぱり怪人はこの世から消すべきだと思いましたね。ヒーローがきてくれなかったらと考えると……安心して生活できませんね。」
インタビュワー「やっぱりヒーローの存在は大事ですよね。その骨の怪人は捕まった中にいなかったとか?」
被害者男性「はい……私の話を聴いてくれたタマキキャットさんが追いかけてくれたのですが、返り討ちにあって重傷を負ったと聞きました……奴は骨格模型にスーツを着た変態のような見た目なので出会えばすぐにわかると思います。」
インタビュワー「有名なヒーローに重傷を負わせる程の凶悪な怪人が、放置されているのは本当に怖いですね……」
◾︎ new wanted information!
骨の怪人(名称不明) 懸賞金1000万円 (生け捕りのみ)
外観は骨格模型のような人型骸骨。
服装はスーツ。
脅威度:☆☆☆☆☆
凶悪度:☆☆☆☆☆
情報提供に関しても報酬が出るため、見つけ次第ヒーロー協会にご一報ください。
雑誌を一読し終え、ため息をつく。
タマキキャットこと玉置梢は無事なのかという心配と、俺はやってないと被害者男性とやらにクレームをぶつけてやりたいと思った。
そういえば博士に俺が怪人という事がバレないようにに気をつけろとか言っていた気がする。その事を注意するための雑誌なんだろうか?確かにこの懸賞の額や被害者やらの偏向報道はバレたらやばそうだ。それにしても、俺の懸賞金が半端ないな…1桁どころか3桁ぐらい間違えてるんじゃないか?
俺がヒーロー協会とやらに行けばこの懸賞金は貰えるだろうか?とか考えながら雑誌を片付け人への変装をしてからマンションを出た。




