お見合いパーティー奮闘記
このお話は実話を元にしたフィクションです。忘れもしない2006年12月3日 俺はH県にあるHホテルの前に立っていた。
自身2度目のお見合いパーティーに参加するためである。
話は2週間前にさかのぼるが大学時代の友人であるYに絶対におもしろいからと誘われて
そのYと同じく大学時代の友人であるKとOと4人で参加したお見合いパーティー。
最初は気乗りしなかったが彼女いない歴29年の俺は「何か出会いのきっかけにでもなれば」
としぶしぶ?参加したのであった。
パーティーの内容は男女約20人ずつが対面に座り、前もって記入していたプロフィールカードをお互い交換して、正面の人と1対1で3分話したら男性が一つ横に移り、また正面の人と3分話したら一つ横に移りを繰り返し、全員と話をした後に中間投票カードを記入し、印象がよかった人の番号(全員が番号で表わされる)に○をつけて提出する。その結果(誰が自分のことを印象がいいと思ってくれているかわかる)をもらった後にフリータイムに入り、もっと話がしたかった人3、4人と話をする。フリータイムが終わったら最終投票カードに自分がカップルになりたいと思う人の番号を第一から第六希望まで記入して提出し、発表を待つというものである。
結局4人ともカップルにはなれなかったが、パーティーの中間で確認カードをもらった時
に4人の女性から○をもらっていたことから妙な自信がうまれる。女性に対して奥手でしゃべるのが苦手な俺でも4人の女性が俺の人柄を見てくれたんだ・・・。何よりいろんな人と話ができるし、とにかくおもしろい!!
その勢いを持って今度は単独で2回目のお見合いパーティーに参加したのであった。
時は12月3日に戻る。
開始予定時刻の10分前に会場に着き、受付の前に並ぶ。しかし前のパーティーが長引いているせいなのか予定時刻になっても受付が始まらず少し待つことに。
前から3列目に並んでいたが緊張のせいかトイレに行く。しかしトイレから帰ってくると既に受付が始まっており、仕方なく最後尾に並びなおす。
最後尾から周りを見渡した時に俺はあることに気づいてしまった。「なんとスーツで来ているのは俺だけじゃないか・・・」「せっかく少ないボーナスをはたいてパーティーのために新調したのに恥ずかしい・・・」と心の中で叫ぶ俺。なんとかくだけた感じに見せようと上着を脱ぎ、ネクタイをはずす俺。
そうこうしているうちに受付が俺の番に。「お名前は?」と聞かれあせった俺は自分の名前をカム。
会場に入る前に俺には不安事があった。それは「暖房がききすぎていないか」ということである。暑がりで汗っかきの俺にとっては暖房がききすぎて暑くなり汗をダラダラかいていると、女性からの印象が悪くなるのではという不安があったのである。
会場に入って感じた温度は「ちょうどよか〜」である。ホッとして着席する俺。
俺に渡された番号は「男性3番」であった。・・・あんまり早く予約すると「男性1番」になり、「あの人気合いが入っている、ガッツキすぎているんじゃない?」と思われるんじゃないかと勝手に想像してしまい、結構遅めに予約したのに「3番かい!」と心の中でツッコム俺。
プロフィールカードを記入し待機するにつれ不安と緊張が一気に押し寄せてくる。
周りを見渡しても友人のYもKもOもいない。「単独で参加しているからあたりまえか・・・」と心の中でつぶやくと同時に、前回参加した時にいかにY、K、Oが一緒にいてくれて助かったのかを思い知る。震えがとまらない俺は前回参加した時にYからもらった赤いハンカチを握りしめ、「お前の魂みたいなものはあずかった(フランスWC落選時の三浦カズ風?)」などとわけのわからないことを心の中でつぶやく。そうこうしているうちにパーティーが始まるのである。
順番に1対1で会話をしていく。なかなかいいペースで会話もはずむ。しかし俺は気づいてしまった。いつの間にか会場が熱気をおび暑くなっていたのである。
「暑い・・・」
暑さが気になり集中力が途切れると同時に尋常じゃない汗をかき始める俺。
しかし相手の女性からするとそれがインパクトがあったらしく、しかも会場でスーツで来たのが俺だけであったことも追い風となり、自然と第一印象でのつかみはOK的な感じになっていたのである。
全員と3分ずつ会話したあと、中間確認カードを記入する。俺は特に会話がはずんだ「女性2番、3番、8番」の方に○をつけ提出する。
アンケートを書きながら待っていると相手からの中間確認カードの結果をスタッフの人から渡される。その結果は・・・なんと女性14人中7人が俺に○をつけていてくれたのである。
予想外の展開である。そしてフリータイムの始まりの合図が。司会者からは「必ずどなたかと会話をして下さい。誰とも会話をせずに時間をつぶすことはしないで下さい」と注意がある。「何で俺の方を見ながら言うんだろう?」と疑問を抱きつつ、中間確認カードの結果に自信をもった俺はフリータイムで大本命である「女性2番」の方の所に向かうのである。
実はこの「女性2番」の方は受付で待っているときに「初めてですか?、緊張しますね」といったような軽い会話を交わしており、1対1で会話したときも話がはずんだことから、かなり気になる存在だったのである。
真っ先に「女性2番」の所に向かい正面の席に座ろうとする俺。
しかし座ろうとした瞬間、別の男性が横入りしてきて「女性2番」の方と会話を始めたのである。
「このメガネ野郎が!!(特徴あるメガネをかけていた)」とその横入りしてきた男性を心の中で一喝する俺。そして仕方なく?隣の「女性3番」の方の所に座り会話を始める俺。
この横入り事件?が後の俺の人生に大きな変化をもたらすことになろうとは・・・。
結局「女性2番」の方と会話ができたのはフリータイム4回目のことだった。
思ったとおり会話がはずむこと。「さっき横入りしてきたメガネ野郎ざまあみろ!」と心の中で思いながらフリータイム終了。最終投票カードの第一希望にはもちろん「女性2番」と記入する。第二希望は「女性3番」それだけ記入しカードを提出する。
緊張して発表を待つ俺。
そして司会者から「今日は4組のカップルが誕生しました」と発表がある。
俺の番号は「男性3番」、本命の彼女の番号は「女性2番」である。
妙に自信満々の俺。いつも自信がなくうまく女性としゃべれない俺はこの日はいなかった。
発表が始まる。
「まず1組目のカップルは・・・男性8番、女性2番の方おめでとうございます」とのこと。
・・・ん?「何ぃ?なんてこったい!」「数字の8と3は形が似ているので間違いじゃないの?」と心の中でツッコム俺。しかし「女性2番」の方をチラッとみるとかなり嬉しそうである。どうやら男性8番に持っていかれたらしい。・・・ん?待てよ。「男性8番ってさっきのメガネ野郎じゃないか・・・」俺は天を仰いだ。
本命の彼女が別の男性とカップルになってしまったために全くやる気がなくなってしまった俺。2組目、3組目とカップルが発表されるが全くかすりもしないのである。
思いっきりあくびをかます俺。
そして「最後に4組目のカップルは・・・男性3番、女性3番の方おめでとうございます」とのこと。
・・・ん?男性3番?・・・何回も自分の番号を確認する俺。番号は確かに3番であった。
パーティーが終わり会場の外で「女性3番」の方とお話をすることに。どうやらお互い第二希望同士でひっかかったらしい。かなりびみょーな心境であった。しかしこれも何かの縁だと思い、お互い電話番号とメールアドレスを交換して帰路につく。
帰りの電車の中でよくよく考えてみると、もしあの時「男性8番」に横入りされていなかったら「女性3番」とカップルになることはなかったのかなと思う俺。
「女性2番」の席を横入りされて、たまたま隣が開いていたから座ったのが今回俺がカップルになった「女性3番」の席であり、もし横入りされずに最初に「女性2番」のところに座っていたら「女性3番」の所には座っていなかったかもしれないし・・・。
それから彼女とは電話やメールを毎日のようにすることになり、3ヶ月後につきあうようになる。俺が29年間生きてきて初めてできた彼女であり、この付き合いは2008年11月現在も継続中です。今では本当に参加してよかったと思います。
・・・これが最初で最後の恋になることを願って・・・。
完
下手くそな文章で申し訳ありませんでした。本当に参加してよかったと思います。