死神
こんにちは、姫木 心優です。
この世には、いろんな仕事がありますよね。
私たちの知らないところで、毎日誰かが働いていて、この世の中を形成しています。
あなたのお父さんやお母さんも同じように私たちを養うために働いています。
しかし、あなたのお父さんやお母さんは、本当に私たちに伝えた通りの仕事をしていますか?
ちゃんと毎日、会社に行っていますか?
もしかしたら、裏社会の陽の当たらない仕事をしているかもしれないですよ。
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人間社会に紛れ込み人間の命を狩らないと、生けてはいけない。それが、この世界に足を踏み入れてしまってからの社会のルールだ。
一度振り上げられた大鎌は、振り下ろされるときに必ず魂を獲るといわれている。死神の鎌から逃れるためには、他者の魂を差し出さなくてはならない。
死神の行為は、決して逆らう事も誰も妨げることも許されない。
ーーもしも、その行動を妨げるたならばこの世から消されてしまう。
『死の予定を迎えた魂が、現世を彷徨い続けやがて、悪霊になるのを防ぐ』これが本来の我々の目的であり仕事だ。
しかし、今は生き残るだけの為だけに魂を狩っている。
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ーー 死神の掟 ーー
1、仕事の際、ターゲット以外の人間に姿を見せてはならない。
2、死期が迫っていない通常の人間から魂を奪ってはならない。
3、指定された人間から魂を奪えたらランクアップ。
4、期限内にポイントを獲得出来なかった場合はランクダウン。
5、最低ランクでポイントを獲得出来なかった場合は追放。
6、死神は、国より委託された行政機関であり仕事である事を自覚すること。
7、ルール違反や掟に背いた場合は、即追放。
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「黒羽さん、総合一位おめでとうございます」
「どうも。まあ、今回は【お前たちの活躍】があっての一位だ、感謝する」
「勿体無いお言葉ありがとうございます」
魂を狩った週間ランキング常に上位にいるのは黒羽 亮太。一位になるには、一人の力では到底叶えられない。他人を巻き込み取り込まむ事が大事である。
黒羽亮太には、常に数十人の取り巻きがいて魂をその場で狩らずに一旦、集めて皆に分配している。勿論、黒羽亮太が一位になるのは前提である。
ーーなぜ、取り巻きは黒羽亮太に付いているのか?
自分の分は、自分で狩ればポイントになるんだからそれで良いと思う人もいるからもしれないが、黒羽亮太に就く最大の理由がある。
死神は、ランクにより与えられる能力が違うのだ。
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『死神ランク別能力』
死神上位五人
・特異能力
・死神の鎌以外の使用が認められる
・下記全ての能力を使える。
最上位
・人間の死期,死相寿命が見える。
・零フィールドが使える。
・オリジナル鎌が与えられる。
中位
・魂の濃さが見える。死期が近いか遠いかが分かる。
・零フィールドが使える。
下位
・顔で死相があるか、無いかしか分からない。
その他・・・何も見えない。
#零フィールドとは、特殊な空間を作り出しその中に入ると外部の人間には何も見えなくなる。外からでは普通の景色と変わらないように見える。
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下位の死神やそれ以下の死神は、単独では人間一人の魂すら狩ることが出来ない。
そのため、上位の死神に就いているのだ。
また、ライバルは一人でもいなくなった方が良い。中には、死神同士での紛争も頻繁に起こっているのだ。
低ランクの死神は、魂を上位ランカーに献上し、守ってもらっているのだ。
上位ランカーに対して、数十人の死神同士がグループを作り行動している。グループ毎に魂を狩る地区が暗黙の了解で定められているのだ。
上位ランカーは、人が集中する東京都心の魂を狩ることが許されるのだ。
黒羽亮太が作った死神ギルド『漆黒の翼』は死神最強ギルドとして君臨している。
以下、今週のランキング。
1、黒羽亮太(漆黒の翼)・・・42人
2、月影百合(月光花)・・・38人
3、水鏡春人(鏡花水月)・・・22人
4、星空 奏(星空交響曲)・・・13人
5、星空 響(星空交響曲)・・・11人
この上位五人は、死神の鎌以外の武器の使用が認められるのだ。
死神は、最初から死んでいるから殺されることはない?
ーーいいえ、そんなことはありません。
死神は、国から委託された行政機関で普通の人間が運営している【仕事】です。