アフター・エンド・ウォー概要
百五十年前、終わりの戦争があった。
世界は人類と文明の大半を失った。
生き残った人類は長い時間をかけて、民族や政治理念を原資に国家を再び構築した。
戦禍で失われた生産地、居住地、及び資源は膨大であった。
全ての活動域の縮小を大幅に余儀なくされた人々は、エンド・ウォー以前と同様、自国勃興を目指す国家間で利権争いを繰り返すようになった。
壊滅的な破壊からいち早く復興が進んだヨーロッパでは、エンド・ウォー以後終結していたヨーロッパ・ユーラシア間の領土問題が大陸北部に位置する独裁体制の大国が軍事力を行使した南下政策と共に再燃し、東西の国境沿いで武力衝突が頻発するようになった。
長年、国家間不干渉主義の立場を崩さなかった第三の軍事勢力が、北の独裁大国と同盟を結んで新たに紛争に加わることで、強大な覇権争いが顕著化した。
相対する国家体制の侵略の恐怖から、自由主義を標榜する西ヨーロッパの数か国が同盟を結び、共和国連邦軍を結成した。
連邦軍は戦地へ派兵を開始し、それに対抗した軍事同盟軍も戦力を増強して、国境間の紛争をエンド・ウォー以後、最大規模の大戦へと拡大させていった。
先の戦争の教訓から、各国の統治者達は、食糧、資源、経済活動の被害を最小限に抑える為に、限定された緩衝地域でのみ対戦する国際条約を定めた。
その戦地帯を通称「青の戦域」と呼ぶ。