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輝く新星たち6

 海崎絢音はルンルン気分で帰路を歩いている。

 凱斗との契約を約束され、アイドルへの一歩を踏み出せた気分は彼女の足を愉快にさせていた。

「やっと、プロデューサーと契約の約束が出来たー。毎日、ライブして良かった~。ここから始まるんだ。私のアイドルとしての一歩が! 何か、燃えて来たー」

 絢音は自身のライブしていた日々を振り返り、今日の嬉しさを噛み締めて燃え始めた。

「でも、明日はゆっくり寝てよう」

 絢音を含めアイドル生はライブの場所割の関係上、時間は厳守しなければならない。

 遅刻をすれば、その日のライブはもう出来ない。

 次のアイドル生にローテーションされる。

 皆、場所取りには必死なのだ。

(凱斗って、私が初めての契約を約束した人って言ってたけど、何で私が初めてなんだろう? 私より歌やダンスが上手い女子はいるのに)

 絢音は凱斗が何故、自分より歌もダンスも上手くドラフト候補に挙げられている人たちではなく、自分に声を掛けたのか不思議に思った。

 嬉しいし燃えてもいるが凱斗の真意も気になり始めた。

(考えてもしょうがないよね。今は喜ばないと。イェーーイ!)

 絢音は考えるのを辞め、自身の喜びを再び味わい始めた。

(ソロかな? 二人かな? 三人かな? もしかして、九人とか?)

 飛躍した想像は自分のアイドルとしての活躍する姿を描いていた。

 彼女の妄想は止まらない。

(サインはどうしよかな~? 熊の絵にしようかな? でも、熊は可愛くないかな? 猫にしようかな?)

 今は自分がファンにサインしている姿を妄想している。

(ライブのMCはどうしようかな? 『元気ですかーーーー? 私は元気でヤングしてるよー』これはあたりまえすぎるかな。『NOWで盛り上がっているかーい? 盛り上がってない。じゃあ、いつ盛り上がるの? せーの、今でしょ!』)

 彼女の脳内は大きなライブ会場で自分がMCしている姿を妄想しているが、これは、もう爆妄想。

 彼女の妄想を誰も止められる者はいない。

 この妄想は家に着くまで続いていたのは言うまでもないだろう。

 絢音は妄想癖ではない。ただ、今、彼女は契約の約束をした現実の嬉しさあまりに妄想しているだけである。

 彼女が暴走していることは否定しないが。

 これから、凱斗は絢音の暴走に苦労するに違いない。

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