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輝く新星たち2

 俺は『聖桜歌学園』プロデューサー科一年の鷹月凱斗。

 来たる『聖桜歌学園』のドラフト抽選会のために、路上ライブをしているアイドル生を見ている。

 抽選会は一年生だけで行われる最大の勝負。

 自身が見た直感と彼女たちの力を信じて選定したアイドル生を勝ち取る勝負所。

 その後にも交渉が残っているから、そこが最大の難所かもしれない。

 俺は今見ているアイドル生でちょうど十人くらいの生徒を見た。

 結果、まだ、これだと言う子がいない。

 宣伝板にはいろんな宣伝が書いてある。

『有川結海。春咲く若草のようなイケイケ女の子』

 もう一つの学科、宣伝学科が考えた宣伝言葉。

 宣伝学科はネットでの宣伝や学園が持っているアイドル専門店、協定を結んでいるライブハウスなどで宣伝紙を貼ったり、宣伝板を置いたりと活動している。

 複数のアイドルたちの宣伝を担当している生徒もいる。

相変わらず、よくも言葉が浮かぶよな。

『西野愛実。軽い気持ちで近づくと大けがするわよ。禁断のお嬢様』

 こんな宣伝版もあった。

 いや、禁断って……。危ないよ。これ! たしかに、見た目はお嬢様気質あったけどさ。

学園に精通しているアイドルオタクの人たちは、激しくキレがある動きで踊ってた。

『愛実様、ラブです。この身捧げます。お仕置きして下さい』と鉢巻をしていたファンもいた。

ネットで知り得たのか、学園が抱え込んでいるアイドル専門店で知り得たのか分からないが、もう、ファンもいる。

 西野愛実はドラフト有力候補だな。

 ファンを獲得していることは、プロデュース科の俺たちにとってのアピールポイント。

『聖桜歌学園』は知らない人はいない有名校。

 今、テレビに映っているアイドルたちの殆どは、この学園の卒業生。

 テレビ局もアイドルを惜しみなく使い、視聴率を上げているのも事実。

 日本の経済を大きく動かしているのはアイドルとも言える。

 アイドル好き(オタク)は全国に数多いる。

 俺もアイドルオタクです。どや!

 う~ん。イマイチ俺の直感がこないな。

 これだと! と思う。どーん! が来ない。

 西野愛実ではないな。

 メモ帳に評価を書き、この場を後にして別な場所に移動しよう。

「次はどこのエリア行くか?」

 アイドル生がライブしているエリア地図を見る。

 路上、ビルの一室、ライブハウス。地下ライブハウス。

 ここが主にアイドル生たちがライブしている場所。

「地下ライブハウスに行くか」

 夏真っ盛りの季節、世間では夏休みです。

 海、プール、夏祭り、花火、青春謳歌している学生がいる。

俺たちはそんな暇はない。

戦いの夏だ。野球でいう甲子園!

 アイドル生たちは、球児に負けないくらい照りつける太陽の下でよくライブしている。

 熱中症で倒れている生徒を何人か見た。

 俺でも歩いてて汗が出る。

 半袖のワイシャツの第二ボタンまで開けている。

 ネクタイも緩めて。

 携帯している水も三本目突入。

 しかも、この暑さが三日連続続いている。

 俺も三日連続ここを歩き続けているのだから、熱中症になっても可笑しくはない。

 本当はこの活動は強制ではない。アイドル生もプロデュース科の生徒も自己責任の元で活動している。

 この視察活動期間は先生たちは関与しない。

 自分が求めるアイドル生がいたら、そこで接触し談合し目星を付ける。

 アイドル生も同じこと。

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