輝く新星たち
高層ビルが建ち並び、人の声、街が持つ騒音とも賑わいとも言えるメロディ。
ここには日本一の賑わいがある。
だが、ここには、もう一つ大きな賑わいと、甘くも美しい歌声が流れている。
街中で路上ライブをしている女の子たちがいるのだ。
彼女たちはただ路上で歌っている訳ではない。正規のアイドルでもない。
まだ、学生。
そう、彼女たちはアイドルになるために通う登竜門の学園の生徒たち。
学園の名は『聖桜歌学園』
アイドルを目指す少女とプロデューサーを目指す少年少女が憧れる学園。
試験内容は筆記と面接。その面接内容が質問漬けで過酷とも言われている。
学園を受験した動機はもちろん。その経緯、アイドルになりたい理由。その後の自分のあり方など、生半可な気持ちで受験したら不合格は確定。
プロデューサー科も同じ。
今、歌っているアイドル生、その光景を見ているプロデューサー生は、その過酷な試験を合格し入学した親衛気鋭の一年生。
路上や許可を得て小さいライブハウスでライブやるのは学園の許可している。
夢をかなえる一歩の為、自身が持つ天性の声を披露している。
その姿は可愛くも勇姿とも言える。
誰に見せているかと言うと、耳を研ぎ澄まし眼光らせ見ている者たちに。
その者達は彼女たちと同じく学生であり、スカウトでありプロデューサーの卵でもある。
共に夢を叶えるためプロデューサーの生徒たちも、じっくり、見て聴き吟味している。
自身の炯眼と耳を信じて。
一人の少年が首を傾げて、今、双眸に映っているアイドル生徒を見てる。
名前は鷹月凱斗。
プロデューサー科の一年生。
何を感じて首を傾げているのかは、本人に訊いてみましょう。
ここからは、語り手の私ではなく、凱斗君が話しをして行きます。
では、凱斗君に託すことにしましょう。