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DREAM  作者: 真亭 甘
HUNTER FUNG
9/31

アバの賊


村の人たちの情報によると、アバの賊はララハ村の北西の方角にアジトを構えているみたいだ。

さらに情報によると、アバの賊が来る前からその場所は昔から大きな岩が多く起伏の激しい場所らしくまさに自然要塞とのことらしい。一応リーダーにはそれなりの土地を活かす知恵があるみたい。

現にその場所に行ってみると、地面が小山のように上へ上へと盛り上がってそこに大小さまざまな岩や石が転がって傾斜の差が激しくてっぺんを目指すのが困難なほどだ。


「こんな起伏の激しい岩山にアジトなんかあるの」

とハルが体全身を岩に貼りつけながら言う。


「そうだぜ、アジトとかなら森の中にあるのでは」

と岩の上で休みながらシロンが喋るとダルフが。


「いや、そうでもなさそうだぜ」


「えっ」


「見ろよ、あの岩のところ」

と言うとダルフは右上の方の岩に指をさした。


それに合わせて二人もダルフの指さす方を向いた。そこには村を襲った連中に似た格好の人が岩の先で立っていた。どうやら見張りらしくさらに目をこらすと見張りから左の上の方にもいた。


「ふぅ、よかったいて。こんな山登っていなかった最悪だもん」

と岩を登りきったハルが腰を下ろし座りながら言う。


「アジトがあったけど、どうする。作戦はいるか」

両手を腰にあて見張りを眺めながらシロンが訪ねる。



「うーん、どうしようね。ジェスというヤツだけが強くて他は一緒って話でしょ。中途半端だな・・・」


「まぁ・・・なら、今回は無しのゴリ押しで行くか」

ダルフがそう言うと二人も賛同して、作戦は無しの各個撃破ってことになった。



アジトも分かり目的が定まると、三人の岩山を登る動きはさらに早く、いままで一つ一つの岩を登っていたのが足腰を使って飛び越えたり、アニマを足の裏に集中して水平な地面を歩くのと同じように崖を垂直に登り出して行く。

シロンが見張りの岩の下まで来ると動きは大人しくなり、見張りが岩の先に来ると足を掴み引きずり落とした。見張りの男はなんの抵抗のないまま下の方へ真っ逆さまに落ちていった。後からかすかに男の悲鳴のような叫び声が聞こえたが、応援が来ることも無く上へ登ることができた。

上に登るとアジトの入口があり、慎重に中に入って行く。アジトの中は自然の岩などで出来ているため中は薄明かりで足場は起伏が激しく急に狭くなったり広くなったりと複雑がまして音を殺すのが難しい。進むにつれてアバの賊の連中に鉢合う場面があるが、その時は軍人時代の経験が生き冷静に即座に倒したが、ほとんどは相手が自分に背を向けた状態で出会うのが多くどうやら俺は敵さんが注意しそうな大きな道では無く、無警戒の方を来たらしい。おかげで仕留める手段は背後に迫り片手で口を塞ぎ遅れずナイフで心臓を一突き。

アジトの奥の方に進むに敵を多く倒したことの実績から、アサシン「暗殺者」に向いてるのではないかという傲りを感じ、笑みを隠すのが難しかった。すると明かりが見えたので俺はすぐさま近くの岩に身を潜めて明かりの方を覗いた。

明かり場所は広い空間があり、松明が6本位壁に添え付けらながら灯っている。そこに奥の席に座っている男が他の2人の仲間と話している。会話の内容は聞こえないがどうやらあの奥に座っているのがジェスのようだ。村の情報道理に細目に黄色のダボダボ服と一致している。早い者勝ちなのでこのままボス倒して終わり。



俺は迷いなくジェスのいる広間に襲いかかった。

入口の近くに2人構えており、俺に気づくやすぐさまに持っていた曲刀や槍で襲いかかってきた。これは予想の想定の範囲内、俺はすぐさま持っていた鉄の欠片で錬成を行なう。錬成されたのは1.5m厚さは3cmの鉄の棒、これくらいの錬成ならかかる時間も1秒もかからずに錬成可能。曲刀を持ったヤツは棒の錬成により腹部を突かれ勢いそのまま吹っ飛び後ろの壁に激突。槍を持ったヤツはリーチが足らず倒しきれず。しかし俺の体を軸に棒を振り回し相手の顔面にぶつけ、壁に押し倒した。




とまぁここまでは予定どうり、さぁてボスはどうしようかな、噂では触手のような鞭のような攻撃をするって言っていたが、俺の国で聞く鎖付きブーメランのような刃が付いたものを鎖で遠距離にもなるようなもでは、それならこの空間ではまず無理だ。



・・・どうくる。ただボス若いな俺と同じくらいの年齢だ。これこそ光と影の人生だな・・・

とシロンは自分の人生を浸り笑みをこらえる為に我慢したが顔が変に引きつっていた。



「さぁ、アバの賊だっけか、ここまでだぜ。堪忍してこの俺にヤラレな」

と鉄の棒を背中の上で交差させながら言った。


「舐めたこと言うんじゃねぇ」

と言いジェスの近くにいた2人が剣を抜いて襲いかかってきた。敵は俺の左右にから向かっており二人共右手に剣を構ええていたので、まず棒で右側の敵の手首を強打して剣を落とさせる。棒はそのまま右側の方を向いているので腹部を突こうとするが、俺の棍術の腕が未熟でかわされて掴まれる。右側のやつと取り合いになり引き抜こうとするが敵も力が入り簡単には抜けなかった。そこへつかさず左側のヤツが襲い、剣を上に大きく振りかぶった。


「やぁぁぁぁ」


「くそぉ」


俺は棒を離し、背中から左側のヤツにタックルをした。左側のヤツは吹っ飛び尻もちをついたが、俺は倒れずにこらえた。が俺が棒を離したことにより右側のヤツに棒を渡してしまった。


「・・・あぁ、もうめんどくせ」

とシロンは言い右手を右側のヤツに向けて手のひらに空気を圧縮させた。当然空気だから相手にも見えずある程度して放った。圧縮された玉は素早く一直線に相手に向かって行きヒットした。当たったと同時に敵は弾き飛び壁に激突した。

起き上がって来る気配も感じず右手を左側に向けるとその瞬間、爆発して吹っ飛び倒れた。


「ふーう、間に合った。」

という声と同時にハルがやってきた。


「あぶねえだろ」


「ふん、あぶないどころか私は助けてやったのだ、感謝しろ」


「はぁ」


カシャャャッン


と2人がもめあってると、ガラスが割れる音がした。


「くそぉぉ、どいつもこつも役立たずな奴らばかり。・・・こうなったら」


とジェスは後ろの大岩同士との隙間にある紐を引っ張った。


バァッチィーン


すると大きな地響きがなる。


ゴォォォォゴォォォォ

ゴォォォォゴォォォォ


さらに岩穴全体が崩れだした


ガシャガシャ

ガシャガシャ


大きな揺れで動けなかったが、幸いにもこの場は落石の被害に遭わずにすんだ。そしてだんだんと天井を覆いかぶさっていた天井の岩が崩れ落ち、空が見えてきた。

だがそれと同時に大きな生き物の影が砂煙に写った。だんだんと砂煙は晴れていき見上げるとその生き物の体躯が見える。鋭く尖ったような爪を生やした大きな指、そこから見える強靭な鱗、全身には盛り上がった筋肉と太い体、さらに長く伸びる尻尾それを支える強靭な足腰、それらを指揮する頭は口から上下に無数の連なる鋭い牙、尖った顔からなる鼻に鋭い目をした爬虫類のような顔。これはまさしくドラゴン



「ドラゴンだと」


「まさかあいつが引っ張った紐って」


「ここにドラゴンを封印していた紐」


と2人が会話をしていると


「キサマら、ドラゴンの餌にでもなるがいい」

とジェスが勝ち誇ったようにいうと、ドラゴンは突っ込んで襲ってきた。


2人はそろぞれ近くの大岩に隠れ隙を伺おうとしたが、シロンのいる大岩を咥え持ち上げて噛み砕いた。そしてすぐさま牙をシロンに向けて彼を噛み砕こうとしていた。それを見てつかさずハルは持ち前の砲銃をドラゴンに構えて撃った。命中し動きが鈍るも倒れずそのままシロンを噛み砕こうと続けて顔を近づけた。ハルはやばいと思い続け様にドラゴンに打ち続けるも怯まず、ドラゴンは体をネジませてしっぽを大きく振りハルのいる大きな岩を破壊する。


「きゃあぁぁ」


「ハル」


とシロンがハルを気にしている暇もなくドラゴンの牙は襲いかかる。牙によって噛みちぎられそうな時、シロンは瞬時に移動した。移動するきっかけを作ったのがシロンが錬成した鉄鎧だった。

鉄鎧をドラゴンの迎撃に向かわせて、ハルの元に駆け寄った。


「おいハル、大丈夫か」


「えぇ、大丈夫よ」


「しっぽで攻撃されるとは思っていなかったから反応が遅れただけよ。それにいま弾装の入れ替えをしていたのよ」


「弾装」


「えぇ、これが私のアニマよ、この四角い弾装の中に鉄や油や火薬を入れてアニマを注ぎ込むチャージ式よ」


「なるほど、なら今度は俺が時間を稼ぐ」


「なに言っているの、私は元々遠距離だで、時間稼ぎもいらない」


「そうだった、了解」


「ところで、ダルフは知らん見かけてないで岩の下敷きじゃね」


「ふーん、まぁいいか」


鉄鎧がドラゴンの攻撃をよけながら、パンチやキックを与えているが効き目あまりなくどちらかというと翻弄しているだけのようだ。ちなみにジェスは逃げずに俺らがくたばるのを待っているかのように岩に腰をおろしていた。


隙をうかがいながら圧縮弾を撃つが倒すところまでいかない。もう少し貯めればいいのだがためるのに時間がかかって絶好の的だ。するとそこに猛烈な響きとともに飛んできた弾丸がドラゴンに命中、大爆発した。

座っていたジェスも立ち上がり様子をうかがった。が煙が赤い光が見えて、次の瞬間大きな炎が襲ってた。俺は全力で右にハルは左によけた。どうやらドラゴンのブレスらしい。



「ハハハ、どうやら。心配するまでもないな。それほどにキサマらに勝ち目はブゥ・・・」


ジェスが喋っているその瞬間、ジェスの顔に石が左頬に命中したのだ。


俺とハルはドラゴンの後ろを見ると、そこにダルフの姿があった。


「くぅぅ、くそぉ誰だ」


「俺だ」


「貴様は何者だ」


「ダルフだ、ちなみにさっきのは村人の分だ」


「はぁ」


「ちなみにこれから貴様をいたぶるのは、この俺の怒りの分だ」


「くぅぅぅ、ドラゴン。こいつを殺せ」


ドラゴンがダルフの方を向き首を一旦引っ込めブレスを放とうと口を開けた瞬間、ドラゴンの頭上にいた鉄鎧が口元を上から叩きつけ衝撃により口は強制的に締まり、ドラゴンの口で爆発した。口や鼻から煙がたちドラゴンが倒れた。



そこにシロンが

「こいつは俺たちに任せろ。お前はその気に食わないヤツを打ちのめせ」


「おお、任せろ」


「くぅぅぅ、くそぉ」

とジェスは吐き捨てて、岩を下り森の中に入っていた。急いでダルフもジェスの後を追った。


「各個撃破と言いながら、結局はいい所を持っていかれるのかよ」


「いやなら、あんなこと言わなければいいのに」


「しょうがないさ、ボスよりこっち倒す方が面白いもん」


「じゃあやりますか」



ジェスを追っかけて岩山を下るが、登りの時とは別で下りの時は2,3度かの着地で森の中に入った。

森の中に入るともうヤツの姿は見えず、もう逃げ去ったかのように思えたが、木の枝を飛び越えながら探索しているとヤツの殺気を感じまだ逃げていなく注意した。

とそこに、左脇の地面に生えているよく庭で見かけるボックスウッドに似た木から何かが飛んできた。すぐさま飛び移るとさっきまで乗っていた木の枝が砕け折れた。俺は近くの木の枝に掴みぶら下がるが、後ろから迫って来るのを感じた瞬間、ぶら下がっていた木の枝が砕ける。そこに森の奥の方から2本の物体が線のように一直線に猛スピードで襲いかかる。



俺はつかさず右手を地面に伸ばし


「火柱ぁぁぁ」


と叫ぶと同時に右手から炎が垂直に燃え上がり地面にぶつかった。地面にぶつかり燃え上がると同時に俺の体を持ち上げた。

2本物体は服を掠めながらも辛うじて俺の体の前を通り過ぎた。俺は炎の勢いそのままに少し高い木の枝に乗り移った。


俺を襲ってきた謎の物体は小型のひし形の格好をした石に、細長い糸をくくりつけた物だった。


「鞭か」


と俺が喋りかけた瞬間、蛇のようにくねくねとしなが急速の戻っていく。と同時に戻っていった本元からジェスの声が聞こえてきた。


「チィ、よくぞ初見でこの俺のアクトロウィップをかわすとは、褒めてやろう。だが次はない」


と言うと同時に4本の糸が襲いかかる。俺はすぐさま木の枝を飛び上がり他の枝に移るが四本の糸は木に巻き付き絡まり動きを止めた。

チャンスと思い他の木々を飛び移りながら、ジェスとの間合い詰める。


「舐めるなぁぁぁ」


との声とともに、4本の糸に青い光が見えた次の瞬間、絡まっていた木が砕けた。どうやらジェスもアニマを使えるようだ。種類や属性はわからないがアニマを送り締め付け砕いたのだろう。

とダルフが敵の力を見ていると、2本の糸は右側に大きくそれて右側の木々を切り裂きなぎ倒しながらジェスの元に戻っていく。のに夢中な俺は背後から来る2本に反応がおくれ、右肩と左膝の斬られた。

がジェスのとの距離も詰めており、右手を前に大きく振りながら


「火豪」


と言い放ちながら、大きな炎をぶつける。


そのまま大きな炎は進み爆発した。周りの木々を巻き込みながら燃え上がる炎。

「火豪」を放った俺は目の前の木の枝に立ち止まりながら様子をうかがう。


「やったか・・・」


とひと息つこうとした瞬間、燃え盛る炎の中から少し燃えてボロボロになりうっすく黒く汚れた黄色い服のジェスが煙をまといながら出てきた。


「くっそぉ、よくも」


「ここ隠れて戦うような戦い方ではもう勝ち目はない。諦めろ」


「うるさい」


と言い、ジェスは両手を前に出しアクトロウィップを出してきた。蛇のようにくねくねと動く細くて奇妙な糸はまさしく、触手そのもののように感じた。が触手ではなく手首についている腕輪から伸びており、ちゃんとした武器だ。

左右に一本づつの糸が襲いかかり、周りの木々を切りつけながら迫り来る。最初の一打は右側の方で上段からのひと振りを難なくかわしたが木の枝が強打に耐え切れずに砕ける。飛び跳ね他の枝に移ろうとするが。


「甘い」


ともう一本が枝を砕き落とす。


「チィ」


俺は木の側面を蹴り上げ、木の枝に移るがさらに控えていた糸が襲いかかる。後ろにそれながらよけ、アニマを使い木の枝を滑りながら一回転し前方の枝に飛び移る。


そこに最後の一本が迫ってきた。


「止めだ、死ねぇぇぇ」


歯を食いしばりながら体をねじ込ませ服を縦に切りつけられる程度によける。無理な体勢で避けだせいで頭から木の枝に乗るのを両手で掴み勢いに乗せて、側転を行い掴み離すと同時に両手から炎を出し。


「ぐおぉぉぉ」


ジェスへと飛び蹴りをぶちかます。



2人は宙を舞い、ダルフはなんとか体勢を立て直し片膝を付きながら着地した。ジェスは蹴られたダメージで体勢を立て直しきれず背中から地面に倒れ2,3回転しながらとまる。


「ぬおおおおお」


と雄叫びとともに起き上がる。


「ハァハァ、こんなところで貴様なんかに負けるかぁぁぁ」


と同時に4本の糸がダルフの前面4方向から襲いかかる。


「死ねぇぇぇ、クソがぁ」


ダルフはすぐさま両足で地面を蹴り上げ、正面に飛び込みアクトロウィップをかわす。勢いでんぐり返しをし、上半身が起き上がる勢いに飛び上がり、右手に炎をこめる。



「うおおおお」


とジェスの腹部に右ストレートが入った。


「ぐわぁぁ・・」


だがその勢いは地面を砕き、2人を谷の川底に落とした。



「うあぁぁぁぁぁ」







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