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DREAM  作者: 真亭 甘
HUNTER FUNG
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着火

次の日の朝


オニッシュ村、外の草原


「おはよう、さてお二人の修行を始めようか」


「はい、お願いします」とセラは生き生き。


「お願いします」ジットはひねくれながら言った。なぜならセラと同じ屋根の下で寝ていたことに、しょぼくれている。


「じゃあまず、アニマについて説明するね。」


「アニマ。それは生きる者。全てが体の中に宿している潜在的な力のこと言う。別の名前では魔法や念とも言うが、基本は魂のことさ。」


「とまぁ、説明はこれだけだ。説明しても何も始まらないし根源を考えても・・・今の君たちにはまだ先の話、アニマを使えて更に極めてから考えればいいさ。」


「まずアニマを自然に出す為に基本的なことをやるぞ。」



「目をつぶって、立っている。」


「え」二人が驚く。そして「それってどういうことですか」と質問する。


「簡単だ、ただ目をつぶって、その場でふらつかず立っているだけ、ふらついたり倒れたりズレたらおしまい。じゃあ始めるぞ、3,2,1、はじめ」とダルフが急かす。


「え、うーん」と目をつぶりただ立っているだけの修行が始まった。


目つぶり初めて直ぐなのに、こんなに疲れるのだ。なぜもうふらつく、頑張って耐えようとしたが、俺は前から倒れていった。


ドシャン


「ジットもバテたのね」そうか、セラはもうとっくにバテているよな、そうだとも俺より先にバテてなくてはおかしい。・・・ん、そう言えばセラのバテた時の声が聞こえなかったな、気絶したのかでもさっき声がしたし、なんでだ。

「よし、ひと休憩も終わったことだし、もう一度やってみるか」


「ええ、ちょっと休ませておくれ」


「そうね、ジットはさっき終わったし、休んでいて。私一人でやる。」


セラが疲れた顔をしながら、楽しそうに目をつぶり始めた。


「いや、セラがやるなら。俺も続きをやる。」とジットが威勢を張って這い上がって膝に手をつけて立ち上がろうとした、その瞬間に全身の力が抜けて、倒れ落ちた。


「あれ、なぜ」ジットが不思議そうにしていた。


「じゃあ、ジットはそのまま休みながら見てなさい」とダルフが言ったので、ふたりの様子を観察してみた。


するとダルフがセラに手をかざした。そしたらセラの体がラームを倒した時のダルフさんみたいに、うっすらとだが少し光りだした。とその瞬間にセラ膝から倒れ落ちた。


「あぁだるい、疲れる、もうちょっといけるのだけどな」と悔しそうに言うと、そこにダルフがつぶやいた。


「いや、頑張ったよ、アニマの着火が早くなった」


「アニマの着火」とジットが疑問に訪ねた。


「そう、アニマの着火。これがこの修行の目的。アニマを自然に着火すること、いわゆるアニマ自らの意思で使えるようにすることなんだ」


「それで、ダルフさんはセラに手をかざして何をやっていたのですか。」と新たに聞き返す。


「あぁ、これはアニマを目覚めされるに為にアニマを使って火をつけているのだよ。そもそも説明したようにアニマは魂みたいに体にある潜在的な力の事なんだ、本来は自然に目覚める力なんだよ、力に目覚める人は、軍やギルドなどの人たちが訓練や試練から目覚めて使えるのだよ。

 それを修行で目覚める為には、アニマをかざして自然にアニマを目覚めさせる。それがいい方法なのさ。火がくすめば、その後は亭主さんが一人前になるまでまた修行ができる、少しキツくなるが大きい力になるよ」と説明した。


「そうなんだ、じゃあもっと修行を続けなければ」


「いや、もうジットはある程度、アニマが目覚め始めている」


「それにジットはさっき1時間もやっていたのだよ」


「ええ、1時間も。始まってすぐに倒れた記憶しかないんだけど」



「それがこの修行の大きな特徴なんだ、アニマを目覚めさせることは、魂に話しかけることなんだ、だから受けている側は、深層心理に入ってすごい集中している状態と変わらないんだ。だから人の声も聞こえない、時間が早く感じるんだ。」


「でもまぁ、目覚めかけている力と一緒やっていたら、まだ目覚めの兆しが来ないセラのアニマが芽を出すかも知れない」


「そうなの、ならジットすぐに立ちなさい、私のアニマのために頑張るのよ」



「えぇ、なんだそりゃあ。でもセラの力が目覚めるならいいし、それに俺の力が形になるなら」といい二人はまた立ち上がり目をつぶって修行を再開した。ジットは今度は深く潜れてるみたいで安定し始めている、亭主さんいや「天樹」の修行のおかげだな、基礎ができている。それにセラの方もジットの力を借りているのもあるけど娘ってこともあって、目覚めがいい。


これなら一人前になる頃は大きな力になっているだろ。修行をやり直して2時間が経った頃に二人は休んだ。


「やぁお疲れ、今回はお互い結構長く経っていられたね。その分アニマの器ができたよ」


「え、私も」


「そうだよ、セラもジットと同じようにアニマの形が成ったのだよ。ジットが力を貸してくれたのだろ」


「じゃあ、アニマをもう使えるの」


「いやそれはまだだね、それとこれとはまた別の話だし別の修行だね」


「なら早く次の修行をやろうよ」


「いや今日は、ここまで」


「ええ、なんでなんだ。早く次の修行をやろうよ。まだ私たちやれるし、日もまだ明るいし。」


「いやだめだ、今日はアニマを人為的に目覚めるのを早めた、さっきも言ったようにアニマは何かしらのきっかけと同時に目覚めるものなんだ。だから体がまだ消耗に気づいていないのだよ。今日はここまで、それに今日でアニマが形としてなるとは思っていないのだ、だから消耗による疲労感はハンパない最悪下手に修行を続けてアニマや体が動かなくなったら元もこうもない」


「そうなんだ、ならわかった今日はここまでにするよ」と二人はわかってくれたように、村に帰り始めた。村の門に着くと、いきなり村の中心の鐘楼の鐘が鳴りだした。


ゴーン、ゴーン、ゴーン、といつもとは違う鐘の音が鳴っていた。


「なんだ、いきなりどうしたんだ。」


「ちょっとこの鐘の音って、敵襲」


「敵襲って一体、何なんだよ。軍、モンスター」状況を知るために門兵に聞いた。


「まだ正確に規模はわからないけど、どうやら、最近の討伐目標のオーガオールの関係のオーガやウルフェンの群れがこっち向かってきているみたいだ」


「だが、モンスターには分が悪い。こっちには中央の方から来た地方軍の人たちがちょうど訪問してきているからな。モンスターの群れも直ぐに片付くさ」と村の人たちが自慢げに語る。


「なら安心か」とそこに更なる、鐘の音が鳴り響いた。


ゴーン、ゴーン、ゴーン、と草原の方からオーガやウルフェンの群れがやってきた。


「自治軍は門や壁の付近で陣形を作り待機、後は俺が相手する」とランダ准尉が門に来て軍の人たちに指示をしていると、こちらの方に来た。


「やあ、君たちもここにいたのかい。なら早く村の中の方に行きたまえ。これから戦闘になる民間人を守るのが我々の役目なんでね」と偉そうに語るのもムカついたが、俺たちが今日この修行ができたのもこの人のおかげであるから、素直に避難しようとしたが



「おいそこの者、旅人。ダルフ。ちょっと待て」とランダが呼び止めた。


「あ、なんだよ。軍隊さん、まだ用があるのかよ」それを言ったのはジットであった。


「ちょっと、ジットには関係ないでしょ。変に絡んで迷惑かけてこれ以上ダルフさんに困らせないでよ」とセラが呼び止めた。


「で、まあこの子達の言う通りにまだ俺になんか用があるのかよ」とダルフさんが喧嘩売る様に言った。


「ふん、挑発的だね。だが、まあいい。今回は別の要件だよ。我々と一生にモンスター退治に協力してくれないか。軍曹か、うちの者を倒したのだ」とまた偉そうに語る。


「断る」とダルフも歯向かう。


「ならいいだろう、今ここに通信機器のスポットがある。これを使って地方本部に連絡してダルフ貴様を、国家反逆罪にしてやる」と更にランダは脅しをかけた。


「准尉それは、おかしいのでは」


「きたねぇぞ。それが軍のやることか」ジットは怒るように抗議した。


「わかったぜ、やるぜ」とダルフが冷静にすました顔で言った。


「ちょ、ダルフさんそれはおかしいよ。いくらなんでも脅されたからって、やらなくても」


「そうよ、ジットの言うとおりよ」と二人はダルフを呼び止めた。


「いや、脅しは別に意味はないだろう。昨日ランダ達は監査でこの村に来たって言ってた」


「だからなんなのさ」




「いわゆる、ランダ。彼以外は戦闘兵では無いということだ。昨日やここにいる兵達からしてそう見えるし、兵たちの焦りよう、それに兵の展開がおかしいあまり広げずに本当の戦争でもやるような配置だ、おかしすぎる」とダルフはなにもかも事情を知ったように話す。


「ふう、やれやれ。昨日しゃべりすぎたかな。そうだとも、今や自治の少数の兵か俺以外実戦向きの兵はいないんだ。あとは砲術を使うモノたち。それにアニマは俺だけしか使えず、手が足りない。自治兵たちは、門近くで村に来る兵の最終防衛だけ、村の防衛とは言えない。ので力を貸してもらいたい」とランダは言った。お辞儀や頭も下げずに。


「わかった、それよりジットたちは早く避難を任せたい」


「わかった、ダルフさん頑張って、さあジット行くよ」


「お、おい俺も参加するぜ」


「バカいっていないで行くよ」とジットを引っ張るようにセラが連れて行った。


「じゃあ、お願いする」とランダとダルフを一緒に戦場に向かう


「おい、離せよ。俺も戦闘に加わりたかったのに」


「ふん。馬鹿ね、あそこでダダこねてもどうせ他の軍の人に連れてかれるよ。監視付きでね。」


「なるほど、でどうするの」


「こっちの方に抜け道があるのよ」


「おぉ、なんでこんなの知ってんだ。それはジットの修行をのぞき見してたのよ」


「はぁ」


「大声出さない、周囲に気づかれる。行くわよ」


「お、おう」

建物と建物の間の小道を歩いてぬけると、そこには半径15cmほどの木の丸太材が2m辺りの高さまであり、その先は鉛筆のようにとがったように削られた柱が建っていた。それはさっき居た門から連なっていた壁で門から何十何百と建っていた。


「なあ、壁があるどこにも抜け道はないよ」


「馬鹿、ここじゃないよ。こっち」とセラはジットの手をつかみ、引っ張りながら走る。壁沿いを走っているとたまに体を横にして肩や背中、腹を擦らせながらゆっくりと歩く幅しかないときもあったけど、それでも走る。


「おい、抜け道なんてぜんぜんないじゃんかよ」


「うるさい、黙って走る」

そう言われながら走っていると、丸太材の木の壁が無くなり自分たちの背丈の高さの垣根が連なった。すると少し10cmと間が空いた垣根があった。がセラはさらに背をかがめ、匍匐前進をするように垣根を潜り抜けようとしていた。そう見ているとセラが50cmくらいの幅がある垣根を越えていて立ち上がりジットを呼び寄せ、壁の向こう側にあった木々に向かおうとしてたので、俺は置いて行かれないように急いで垣根を潜り抜けセラを追った。


「なんだよ、ここは俺は知らないぞ」


「ここは果樹園や野菜畑などがある。農業地域よ、ここなら戦争になってもいいように自給用や市場に置かれてる分もあるよ、なぜ知っているかはここは店の食材を八百屋の人からもらう時に案内されたからよ」


「それはわかったけど、なんでこんな低い草木に囲われているのだよ。これだと敵やモンスターの襲来にぜんぜん守ってくれないだろ。さっきまでの丸太の木の方が安全のように思うぜ」


「それは、まず垣根が特殊の香りを出す木で、モンスターや獣はこの香りを嫌がってこないのよ。そして人敵用にもトラップが仕掛けられているのよ。」



「おいおい、ちょっと待て。それじゃあ俺たちもそのトラップの餌食になるのじゃないかよ」といい、ジットは思いっきりブレーキをかけて足を止めた。


「もお馬鹿、言ってないで行くわよ。そんなトラップにかからないように私がいるでしょ。私は何回もここを往復しているのよ」そう言ってセラは駆け抜けていくので、しょうがなくジットも追いかける。すると木々を抜け、また垣根が連なっていた。がセラは避けることなく突っ込んでいった。またジットは足を止め、セラに言った。


「セラ待て、ぶつかるぞ」がセラはジットの呼びかけを無視して、突っ込むと垣根が左右に避けるように引いて、ちょうど人が通れるような隙間ができて、セラはその隙間を駆け抜けていきジットも後を追いかけて垣根を越えた。


「ふう、なんであぁなるってわかっていたんだ」


「それはここを始めて通った時にウサギがいたのよ、そのウサギは垣根に行ったはすると垣根はさっきみたいに避けた。それで私も後を追って試したら今と同じようになった訳よ。もういい、さっさと行くはよ」


「おぉ「くそ、なんかセラはおれの知らないことが多すぎて、悔しい」」セラと一緒に駆け抜けた先には、ダルフさんと軍人のランダさんがモンスターと戦闘を繰り返していた。


「すごい、これがアニマを使った戦い方」


ダルフさんの力はラーム戦でも見たけど、一頭一頭で迫りくるウルフェンには拳や蹴りをかます肉弾戦でウルフェンを倒していき、複数で迫り来る場合には炎のアニマを放出して一掃していった。その戦いぶりには数多くの経験があることが伝わりあれはドラゴンとも一線をしていると思える程の強さに思う。そんな俺がダルフさんの戦闘に夢中になっていると、セラが軍人のランダを見て感心していた。俺もランダの戦闘を見ると、ランダはダルフさんみたいに肉弾戦をせず、アニマを使った戦い方をしていた。右手をウルフェンに構えてその手のひらからミニボールくらいの光弾を一直線に放ちウルフェンにぶつけ爆発させる、一頭一頭光弾をぶつけて倒す、希にウルフェンの俊敏性が優って避けられるが数をものすごいスピードで減らしていく。その二人の姿はまさに無双だ、と二人は圧倒された。

そして二人は、ウルフェンの数を減らしたらオーガに向かった。オーガはウルフェンとは違い鈍行で俊敏性は無いが、図体の大きい部分、強固で図太い腕からなす握力は半端なく骨や岩を砕くほどの力である。

そのためにもアニマを受けても怯まないが、ダルフが手から放出して炎がダルフの右手の辺りをまとわりつくような動きをして、前後に伸びていき槍の形をしだした。そしてオーガに向けて構え投げ放った。オーガの体の真ん中に命中してオーガの正面が爆発した。そして背中から炎が噴出した。ランダの方も負けじとさっきまで放出してた光弾とは違う大きさの光弾を解き放ちオーガを吹き飛ばした。


「すげぇオーガをもろともしない。ダルフさんもすごいけど、軍人さんもすごい。あれで准尉なら、その上の階級の人たち、中央軍本部はどれくらい強いのだろう」と二人がオーガの退治も終わりかけているとそこに、一頭のウルフェンが私たちの方に襲いかかってきた。


「きゃあぁぁ」


そこにセラがあまりに実戦経験もないあまりに悲鳴を叫んだ。そこにオーガやウルフェンなど辺りの敵を倒しきった二人が気づいた。


「くそ、遠いし、なんであんな所にいるのだよ」とランダが言う


「そんなことはどうでもいい、とりあえず行くぞ彼らを助けなければ」と二人はジットやセラに襲いかかろうとしているウルフェンに向かって走った。しかし、ウルフェンの移動速度にも追いつけず、ランダの光弾も走りあっているのでうまくウルフェンに当たらず、そのまま二人の方に向かっていく、そこでジットが持っていた弓矢を取り出しウルフェンに放った、しかし当たらず何度も何度も放つが躱された。


「くそぉ」


「きゃあぁぁ」


そしてウルフェンはふたりに噛み付きかかろうと飛び跳ね上がった。ゴン、と鈍い音と同時にウルフェンが、きゅんぅ、ひ弱な鳴き声がしたがすぐさまランダが光弾で倒した。同時に二人の近くでガシャガシャと鉄製の足音がした。その音の方に目を合わせると、そこには鉄製の鎧がいた。と同時に元は白色だと思うロングジャケットが薄く汚れ灰色になっていれ袖の部分は肩から破れ剥がされて筋肉のついた強固な腕がされけ出されて、ジャケットの下には下着の服を身につけておらずジャケットとジーンズに軍隊用ブーツを身につけた、男がウルフェンを追い払った、鎧の少し後ろの方から現れた。


「ガキンチョども、無事か」


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