シロンVS.イスタロフ
ダルフは寝処から起き上がり、ベランダへと向かった。
街や草原などの空から地面から熱気が襲ってくるような朝ではなく、冷たくさっぱりとした涼しげな朝と薄い霧が、ダルフたちを迎え入れた。
「うーん、ここの朝は気持ちいいな。暑苦しさを感じない」と言って体を伸ばしていると、後ろから声が聞こえてきた。
「ダルフさん、夜はグッスリと寝れましたか」敵に屈しず戦う、例の勇敢な青年だ。
「おかげで、ここの朝は気持ちいいですね。」
「そうですね、ここは他の街などと比べて地面が高いところを位置していますし、さらに木の上に建てていますから、涼しく暑さも感じにくい。あと森の中ですから涼しい」と男は説明してくれて、ご飯の準備が出来ているそうなので、案内してくれた。向かうとシロンとハルが食べていて、架が食べ終えていた。「おはよう」とハルが声をかけ、続いてシロンも挨拶した。最後に大きなゲップをして架が声をかけてきた。
「おぉ、よく寝れたか」俺は座ってから架の声に反応した。
「ところで、これからどうするのだ」とシロンが訪ねてきた。その言葉にハルや架が顔をこちらに向けて見てきた。みんなが気なっていることだ、これからの俺たちに重要な事だから。
「俺は、このあと架に付いていきギルドを見てみようと思う」俺はその事を話してから、架を見たってよりは睨むように力強く見た。これから予定を決めたのだ、架の許可は出てないが許可を出させる。そんな強気で見た。
「俺は、いいぜ」そんな努力も必要ないってかのように、架は言った。
「そう言う事だ。お前たちはどうする」二人に聞いてみた。ハルは昨晩のもありすぐにO.K.の答えを出した。少しぶつぶつと言ったあと、賛成の答えを出した。
「そうと決まれば、早速行くかぁ」架が立ちあがり、言った。食事を済ませて、出立の準備を進め建物を出た。
「みなさん方、この荒れ果て賊に襲われていたララハ村を救っていただきありがとうございます。」広場に行くと、村長を始め村の人々が集まってお見送りをしに来ていた。
「お世話になりました。」と村人に別れを告げていると、人々の奥の方で亭主が手を振っていた。
「いってきます」俺らは門を出て、歩き出した。
門を出てから、俺らは山を下っていた。鳥の羽ばたく音、鳴く音、風が通る音、川の水の音などの自然を感じながら。
「いや、木々の中は落ち着くね」ハルが大きく深呼吸しながら言う。
「ここは自然の力が強いのだな」とシロンは周りを見ながら言う。
「自然の力」とシロンの言った事が3人は理解できずにいた。
「なんだ、知らんのか」シロンは聞き返す。が誰も言い返せなかった。
「アニマってのは、この世界の五つの基本元素を借りている。無論アニマは魂を力の媒体にしたものだが、それに属性などを加えるときは、この世界の元素が自分に合うものが属性としてなっている。」シロンは歩きながら説明をした。俺らは説明に納得する位しか反応が出来なかった。
「そして、その五つの基本元素の内の1つが自然の力」わかる部分に来たところで、納得の反応をする。
「自然の力は、木や風のなど表す。俺の空気の用に。他には人が多い街の中を火の力。ダルフの用に。川や海などを水の力。ジェスの用に。雷や太陽などの光の力。ハルの用に。そして地下や影などの闇の力。の5つの基本元素で成り立っている。」シロンの重苦し説明に、少し疲労感を感じたが、架が森を出てるとギルドのキャンプに着いたと言う言葉に、俺らは何とか救われた感じがした。森を向けて草原の中に複数のキャンプがあり、架の呼び声に数人の人が出迎える。
「架よ、単独行動が早い帰参だの」とギルドメンバーの中でも厳つい人が架に話しかけていた。
「いやぁ、参った参った。イスタロフ殿。俺様はこの御仁方がこのギルドに行ってみたいと言うので案内したのじゃよ」架とイスタロフと名乗る男同士の話し合いして、何とか段取りよく行くかと思ったら
「…イスタロフだと」シロンが吠えて、前にできた。
「そうとも、我が名はイスタロフ。このギルド(永遠の行軍)のマスターを務めるものだぁ」
イスタロフは高らかに、両手を広げ天に向かって名乗った。
「きさまぁ、なぜ同盟を破りバビやブテンと連結し、アクロテンと言う国を作って、こんなところでぶらぶらしている。」シロンが吠えた。どうやらシロンの目的はこのイスタロフらしい。イスタロフはこめかみ辺りを掻きながら答えた
「何も同盟を破って、アクロテンへの持ち掛けをしてきたのはそちらの国の者だが」イスタロフは軽く答え、シロンを見た
「なに…なら、なぜこんなところで…」動揺しながら、イスタロフに話す。
「確かに、アクロテンの主軸となるのは、バビ、ブテン、アケニアの国だが、アクロテンの国造りをしたのは、プリオリウム皇国だ」少し暗い顔をしながら、シロンに向けて言った。
「何だって、あの王族国家が」動揺の影響はシロンを尻もちを着かせるほどであった。
「もうすぐ百年間となる戦争もこんな終わり方など…」シロンはよつん這いになり、地面を叩いた。
「そこの御仁、戦士なら立ちあがれ」と架が言う。その言葉にシロンが架の方に向く。
「戦士なら立ちあがれ」架はさらに言った。その言葉にイスタロフも反応した。
「そうだぞ戦士ならお主、わしに一撃入れたくはないか。民が王に一撃入れれるのだぞ。」イスタロフは、わざとらしい言い方をしてシロンに喧嘩を売っている。
「ふん、王様。どうやら俺に殺されても文句は無いみたいだなぁ」シロンは立ちあがり、イスタロフを睨む。イスタロフも受け答えるかのように、頬笑む。どうやら永遠の行軍は喧嘩集団か
「こりゃおもしれぇ。いいぜ俺様が見届け人をやってやる。」架が笑いながら、名乗り出た。自分から焚き付けたのに。
「ちなみに、わしは殺さずにしておこう。お主は最低でもわしに一撃を入れれたらお主の望みを満足にしておこう。殺せるなら殺してもかまわないがな」イスタロフは牛馬(牛と馬の混合種)に乗り腕を組ながら、試合に挑む。シロンも言い返しながら闘いの場に移る。ギルドのマスターと通りすがりとの決闘という噂は広がり、永遠の行軍のメンバーがぞくぞくと集まった。
「両者位置に着いたことにより、試合・・・開始」架の掛け声により、両者戦闘体勢をとる。シロンは左手を後ろに振り、右手を伸ばし錬成、イスタロフは牛馬の頭を沈めさせていた。
「あれは…」不思議な行動に、二人は驚いた。
「あれは、雷突」架が説明した。
「ラーファ、牛馬は火か雷の属性を持つ。あの牛馬は雷の属性。そして牛馬の最大の特徴は突撃の破壊力。それをラーファ。ラーファに寄ってもたらされる威力は山を貫通する。」と架が説明しているうちに、シロンを鉄鎧の錬成を終え、新たな錬成をし始めた。
「シロンも何かやるみたいだね」
「そうだろ、アイツの目的は簡単じゃない」二人は安心しながら、話す。と瞬間。凄まじい光が襲った。バリバリバリバリ、ゴォーと鳴り響いた。雷突が起り、シロンのいた辺りで土煙を発たせていた。
「こりゃ驚いたぜ、雷突を受け止めてやがる。」
鉄鎧は牛馬の角を掴んでおり、雷突を受け止めた。そして牛馬を振り投げた。
牛馬は着地して走り出し構え直すが、無数の瓦礫がイスタロフに襲いかかる。
牛馬は瓦礫を避けて構え直すが、また瓦礫が襲いかかる。
「なるほど、あーやって瓦礫で距離をとり雷突を封じているのか」ハルは納得したかの様に話すが、牛馬は雷を纏いながら襲う。
シロンは2手に別れて回避するが、イスタロフは構えていた剣を抜き取り、シロンの左腕を切りつけた。
「うぅ…」牛馬は引き返して立ち止まり、イスタロフは話しかけた。
「さぁ、もうお主よ、降伏したらどうだい。早めに状況を見定めるのも勇気だ」イスタロフは試合の終了を問いかけるが、シロンは納得しなかった。
「お前が、降伏しろ」シロンが言うと地面から術式が発動し、イスタロフの周りを鋼鉄の壁が前後左右へと出現して閉じ込めた。
「おお、中々なの仕込みっぷりに貫禄した。だが上が空いているぞ、イスタロフ、上は抜けぬと思われたか。」壁に囲まれていてイスタロフの表情を伺うことはできないが、喋りから余裕を感じる。
「あやつめ、楽しんでやがるな」と2.5m位のスキンヘッドに肩から白いゾウの牙のようなものを垂らし、背中に毛皮を羽織り和服を着こんだ大男が話しかけてきた。
「これは我峰さん、いつ戻られて」架が驚き、声を大人しくするこの男…我峰。架の質問に眼を睨むような威圧感を出して答えた。
「雷突の稲光りが見えた頃にきた。でなにやってるし、お前もいる。」我峰から聞かれた質問に、架が答え様としたら少し離れたところにいた馮今と言う男が答えた。
馮今。後々に説明してもらったが、蛮獣のようなお面を被り鎧を身に付けていている。華鳳の将軍で、イスタロフと出会いギルドに加入。ギルドの順として、イスタロフ、我峰、馮今の順になっている。
「上は、お前を倒すためにあるのさ」シロンの言葉の後に、イスタロフ遥か頭上に鋼鉄の板が出現。猛スピードで急降下してきた。
「おぉこれでわしを」イスタロフは剣で落ちてくる板を両断した。
「なめてはこまる」
イスタロフが言い終えた瞬間、イスタロフに大きな衝撃が襲った。
「ぐぅぅう、なんじゃ一体」牛馬にしがみつきながら言う。
「空気圧。板は斬られるとわかっているがそんなのただの布石。本当は板の上に大量の空気を溜めるのさ、あとは板の出現位置に止めておいた空気を下に抑え込む」シロンは差し伸べている右腕から、決めた顔をして言うが、鋼鉄の板が砕け鉄鎧をも砕き、シロンを弾き飛ばした。
「ぐはぁぁぁ」
雷突である。
「楽しい試合であったが、我峰が来たのでやめた。雷突で弾き飛ばされ、放電を浴びた。起き上がれまい。ここまでだ」とイスタロフは、みんなのいるとこに移動した。その後、架が終了の合図をし、試合は終了した。
イスタロフ。日焼けした暗い肌、黒い髪、革の鎧にマントに剣。そして雷の牛馬。この男、強い。
「ガララララァ」
「さぁ、我峰も戻ってきた。宴を始めるぞい」イスタロフは、また両手を広げ天に向かって、吠えた。
永遠の行軍。武人揃い・・・戦闘集団




